インフェルノ | Every Little Step (新)

Every Little Step (新)

りおうさんの更なる進化を求めて。

インフェルノ(原題:INFERNO)
2016年アメリカ 日本公開2016年10月
監督ロン・ハワード 原作ダン・ブラウン『インフェルノ』
トム・ハンクス/フェリシティ・ジョーンズ/オマール・シー/イルファン・カーン
画像


【雑感その1】
んー、まぁ普通におもしろいかな。
わしはこのラングドンシリーズの小説を愛読しているので
見ました。
映画もずっと見ています。
シリーズにはなっていますがすべて見る必要もなく
それぞれが独立したストーリーになっているので
非常に敷居が広い。
それがこのシリーズのいいところかなと思います。

このインフェルノの原作は少し前に読み終えました。
映像として見ることの楽しみは、活字ではなかなか理解しにくいところを
改めて理解できるのではないかという期待を持てるということ。
でも今作は原作と違うところも目立って、ん?と余計ややこしくなった。
確かに前作・天使と悪魔も映像と原作では違う部分が多々あったんですが
なんとも言えぬ中途半端さがある。
改悪とは思わないけど、ちょっとのめりこめなかった。

とはいえ序盤のラングドンの妄想として現れるインフェルノの
雰囲気はかなり好きです。
あとテンポがよくハイスピードに展開してゆくので
上映時間2時間が早かった。
のめりこめないけどその展開に引きずり込まれるので苦痛ではなかった。

始まりからしてばりばりのミステリーですが
ミステリーぽさはあまり感じられず逃走劇感が強い。
今回はダンテの地獄篇に絡んだ話なのですが
そのラングドンが必要とされている理由である美術史やら歴史とかの
謎解きがあんまりないのがちょっと残念でした。
そういう絵画や美術品を見るのも楽しみの一つだったんだけどなー。
イタリアの綺麗な町並みを楽しむには非常に良いかと。
 
【適当すぎるあらすじ】
病院で目覚めたロバート・ラングドンは数日の記憶を失っていた。
担当の医師シエナと会話中、何者かに命を狙われ
彼女の手引きでなんとか難を逃れる。
シエナの自宅に逃げ込んだ2人はラングドンのジャケットのポケットから
プロジェクターを発見する。
それはダンテの地獄篇をモチーフとしたボッティチェルリの地獄の見取り図を
映し出したのだが…。
 
【キャスト】
主人公ロバート・ラングドン役にトム・ハンクス。
なんかやたらトム・ハンクスの演技の上手さが目立った気がした。
でもラングドン教授のイメージは彼じゃないんだよなぁ。今更だけど。
もうちょっと若いイメージなんだよなぁ。
おじさんのクセに結構な怪我しててもやたら走りまわれるという、ね。

女医シエナ役にフェリシティ・ジョーンズ。
博士と彼女のセオリー観た時はとてもよかったのに
今回はイマイチでした。
目が怖いしなんかぎこちなくて。全く魅力的じゃなかった。
別の女優さんだったらもっとこの作品に好感もてたかもしれないなぁ。

ブシャール役にオマール・シー。
最強の2人をみてかたずっと応援している俳優さん。
この役柄自体に深みがなくてちょっともったいなかった。

ハリー・シムズ役にイルファン・カーン。
そのビジュアルのせいかもしれないけどかなりの印象を残しました。
しかも好印象。
役柄もよかった。あっけないと言えばあっけないけどまぁちょっと
かっこいいシーンもあったし。

シンスキー役にシセ・バベット・クヌッセン。
正直、フェリシティ・ジョーンズよりも彼女の方が
見た目の印象がよかった。
清潔感とクレバーな雰囲気がよかった。

ゾブリスト役にベン・フォスター。
これまた全く記憶に残らなかった。
それなりにキーマンであるはずなのに。
出番が少ないとかそういう事ではなくて説得力がなかった。


【雑感その2】
全体的に少し雑だったかなとは思います。
スピード重視なせいかもしれないけど。
そしてストーリーとしては特に記憶に残る場面も少なかった。
見たのは先週なんですけど
もう中身を思い出せない程になってしまってる。
あと上でも書いてるけどキャストがもひとつだった。
キャラも原作のキャラを混ぜたオリジナルキャラとかになっている。
それは別にいいんだけど、それならそれでもっとしっかりキャラを作りこんで
欲しかったなぁ。

わしが特に楽しみにしていたシーンは終盤のイスタンブールの
アヤソフィヤ。
メデューサの顔が横になって柱となっているあの地下水路。
小説でもそこの写真が載っていたんですが
一目見て心奪われてしまいました。
なんかね、怖いの。適当な言葉が見つからないけど不気味というか。
それがどうしても忘れられなくて。
映画でも1カットだけそこが映っていました。
1カットだけだったのが非常に残念で(´Д⊂ヽ
地下水路というだけでもわしには十分魅力的なロケーションなので
いつかあそこには行ってみたいなと夢を持ってみたり。
(なんかFF11のトライマライ水路の影響を受けてる気が。

ミステリーというよりもラングドンと行く
イタリア・イスタンブールツアーだと思ってみるものアリかななんて
思います。
余談ですが
わしは原作も映画も、天使と悪魔がこのシリーズでは
一番好きです。特に原作が。


2016-28