DVD フライド・グリーン・トマト | Every Little Step (新)

Every Little Step (新)

りおうさんの更なる進化を求めて。

フライド・グリーン・トマト(原題:FRIED GREEN TOMATOES)
1991年アメリカ 日本公開1992年6月
監督ジョン・アヴネット
キャシー・ベイツ/ジェシカ・タンディ
$Every Little Step (新)


先日、なんの映画だったか忘れましたが
地上波で放送されていたTVでキャシー・ベイツが出演していました。
それで知り合いの方が キャシー・ベイツなら
フライド・グリーン・トマトがすごくよかった的な事を
おっしゃっていました。
その上、そのTV番組の間でとある女優さんもフライド・グリーン・トマトを
心に残る1本だと紹介されていて
これは見なければ!
と思いすぐさまレンタルしてきました。

古い映画のように見えますが実は91年の作品。
古くはないんですが、わしら世代にとって古くないだけで
今の若い方達には古い映画に見えてしまうかもしれない…。
でも、すごくよい映画でした!
わしはこの先好きな映画を何本かあげてください。
と言われたら迷わずこの作品をあげます。
(さすがに1本だけと言われたら難しいけど)
それくらいよい作品。
見始めた最初はあんまりのめりこめなくて
う~ん、なんだかなぁと思って見てたんですけど
だんだんおもしろくなってきて気がついたら夢中でみてました。
途中でやめられないくらい夢中になってた。
やっぱりキャシー・ベイツがいい。
もともとわしはジェシカ・タンディが出てるし。というのも
見ようと思うきっかけにはなってたんだけど
彼女より断然キャシー・ベイツがめちゃくちゃいい!

友情の物語。人によっては涙流しちゃうこともあるんだろうけど
わしは泣かなかったし、涙を期待して見ない方がいい。
友情を通して前向きに、新しい一歩を踏み出す勇気をくれる物語です。

中年で太り気味でチョコ好きのエヴリン(キャシー・ベイツ)は
夫婦の間も冷めきった倦怠期の主婦。
ある時ボランティアで行った病院で老女・ニニー・スレイドグッド(ジェシカ・タンディ)に出会う。
怠惰な生活を送るエヴリンにニニーはある昔話を聞かせる。
エヴリンはどんどん話に引き込まれ頻繁に彼女の元を訪れるようになってゆく。

現在と、ニニーの話す過去とが交錯し合う展開になっています。
基本的に過去の話が多く物語としてはミステリーぽくもあり
興味深い展開。
一方現在はその過去の話がイヴリンに変化を与え
彼女の前向きに生きてゆく姿がコミカルに描かれてゆきます。
ストーリーとしては地味なんですがぐいぐいひきこまれていきます。
ブラックでコミカルでそして殺人事件ありで
というか全く飽きさせない。
どうなるの?どうなるの?ってエヴリンと同じ気持ちになっていきます。
ニニーの話す過去の話を彩るのは
イジーとルースという2人の女性。
特にイジーが魅力的で、というこの2人の性格が対称的でおもしろい。
そして彼女らをとりまく人々がこれまたいい。

エヴリンを演じるキャシー・ベイツの素晴らしさを
是非みてほしい。
冴えない、ダサい主婦だった彼女がどんどん輝いてゆく。
なんとも愛らしいにくめないエヴリン像を作り上げたキャシーベイツは
見事です。
特にあの駐車場のシーンは爽快の一言。
今までキャシー・ベイツと言えばミザリーのイメージくらいしか
なかった。そんな自分がハズカシイ。
ちなみにミザリーを彷彿とさせるちょっとしたセリフも隠されています。
老女ニニー役のジェシカ・タンディ。
彼女はこの役でアカデミー助演女優賞にノミネートされています。
実はニニーというのはちょっと謎の役柄でもあるんですよね。
序盤をあんまり真剣に見ていなかったせいか
どんどん話が進むにつれてこの物語でのニニーの存在がわからなく
なってゆきます。
わしは最終的にああこうなんだという解釈をしたんだけれど
きっとあっていると思う。そうであって欲しい。
イジー役はメアリー・スチュワート・アンダーソン。
彼女がこの作品で発しているパワーもキャシー・ベイツに劣らないと思います。
見た感じそれほど綺麗な人ではないですが
行動力抜群で物おじしない、大切な人の為に尽くすという
かっこいい女性。
それというのもルースという存在があるからこそ。
そんなルースを演じるのはメアリー=ルイーズ・パーカー。
はかなげなお嬢様育ちだった彼女はイジーと出会って
強い女性へと変わってゆきます。
タイトルになっている フライド・グリーン・トマト というのは
イジーとルースが2人で経営する
ホイッスル・ストップ・カフェのメニュー。
そしてこのカフェには様々な人種の人が集まってくる。
このカフェの意味するところは差別のない心休まる場所。
ではないのだろうかと思う。
こちらの作品には原作があり
原作ではイジーとルースの2人は同性愛の関係であることが色濃く
書かれているようです。
映画ではそういう表現は極力おさえられていますが
作品をみていればなにとなく想像できます。
イジーとルースは2人でいてこそ輝く。
そして使用人の黒人たち(名前失念)も
とても印象深かったです。

何がいいとは一言ではいえないんですけれど
なんでしょうね見た後のこの心地よさは。
暖まるような切なくなるようなちょっと悲しくなるような。
非常におススメですので
暇な時是非一度見てみてくださいませ。



↓は予告ではないですが
 この映画の雰囲気だけでもイメージしてくださればいいなぁと思います。



この映画で使用されている音楽で
ちょっとドライビング・ミス・デイジーを
連想させる曲調があってこれもわざとなのかなぁと思ったりしました☆