明るいうちからお酒を飲みたくなる時、あるよね。
そんな方々のためにと誕生したカクテルが‘‘バックスフィズ’’なのです。

ジュースに見せ掛けて仕上げたカクテルを作ったのはロンドンのバックスクラブのバーテンダー‘‘パット・マクギャリー’’。時は1921年。
有名な社交場だったその店名がカクテル名になりました。

オレンジジュース1にシャンパン2の割合です。
シャンパンの代わりにスパークリングワインでも問題ありません。
また、甘くても甘くなくても、どんなスパークリングワインでも美味しく仕上がります。
ただしオレンジジュースはフレッシュで美味しいのを用意してくださいませ。
まさにジュースのように飲めちゃう仕上がりです。

これもシンガポール・スリングと同じ理由ではないでしょうか。
女性が公の場でお酒を飲むことが躊躇われた時代背景があってこそ生まれた、ジュースのようなカクテル。
女性だってお酒を飲んでもいいじゃない。
あ、私はいつだって女性の味方です。

このカクテルをシャンパングラスに作ると‘‘ミモザ’’という可愛らしいカクテルになります。
そうですね、ミモザの話はまた次の機会にでも。


《レシピ》
・オレンジジュース・・・・50ml
・スパークリングワイン・・100ml


●ビルド
 

上田和男さん。バーテンダー界のレジェンドであります。銀座の名店「Tender」で腕をふるう現役のバーテンダーです。

上田さんのキングスバレイが優勝したのが1986年開催の‘‘スコッチウイスキーカクテルコンクール’’でした。

スコットランドの山あいで産声を上げるスコッチウイスキーの銘品たちに敬意を表し名付けられたネーミング‘‘谷の王’’。
本来ならば‘‘King of the valley’’でしょうけれども、響きを考えてキングスバレイとしたのでしょう。
これ、わかりみがふかいです。
日本語でつけるカクテルの名前って、助詞「の」はしっくりおさまらないのです。
英語の前置詞ofはネーミング的にそれほどの違和感は無い(私見)のですが、そこは日本人的感覚で和製英語でまとめたのだと感じます。
キングスバレイ。響き素敵ですよね。

そして特筆すべきはその色味。
ウイスキーの茶色と青いリキュールを合わせることで美しい緑色にするのです。
これはもしかしたら上田さんが最初に始めたのかも、??
勉強不足ですみません、調べてみます。

ベースのウイスキーはブレンデッドスコッチウイスキーです。
 少しだけ長め(10年以上)に寝かせた‘‘ホワイト&マッカイ’’で作ると、その複雑さが広がりを持ち、ふくよかに爽やかにまとまった味わいに仕上がるのでよろしいかと思います
シングルモルトで作るとウイスキー感が強く出過ぎてしまい、少しだけバランス良くないかも、です。


《レシピ》
・ホワイト&マッカイ・・ ・・40ml
・コアントロー・・・・・・・10ml 
・ライムジュース・・・・・・10ml
・ブルーキュラソー・・・・・1tsp


●シェーク

食前酒としても美味しい。
深酒してフラフラな時でも美味しい。
スプモーニってほんと優秀なカクテルですね。
 
そしてもうひとつ優れているのが、目分量で適当に作っても美味しく仕上がってしまうところ。カンパリとグレープフルーツとトニックウォーターの組み合わせです。どれをどう加減しても飲めちゃうのです。だからこそ、プロならではの違いを出すのが難しいのです。

ハッキリとした違いを目指すための、手軽に作れるものをより美味しく作る努力は、これからもずっと続くのでしょうね。
でもだからこそバーテンダーって仕事は飽きずに楽しめるんですよね。

うちのレシピですか?目分量です。あ、冗談は!顔だけに!します。


○○(お酒)+グレープフルーツ+トニックウォーター
この組み合わせはバランスが取りやすいので、あらゆるお酒をベースにしたアレンジが生まれています。その呼び名を付ける際に使われるフレーズが“~モーニ”なんです。
“スーズ”ならスーズモーニ、“ディタ”ならディタモーニ。
とても便利なフレーズです。


《レシピ》
・カンパリ・・・・・・・・・・30ml
・グレープフルーツジュース・・50ml
・トニックウォーター・・・・・70ml

●ビルド