欧米、特にアメリカに於いて、カクテル‘‘サゼラック’’は特別な存在感を放ちます。

氷を使って冷やす現代的なカクテルの歴史は、1870年代の製氷機が誕生してからのこと。
1850年代にはすでに飲まれていたサゼラックは、氷を使わずに材料を混ぜるだけで作られた古典的カクテルなのです。
元々はブランデーをベースにしていましたが、フィロキセラ虫害(欧州のブドウ畑が壊滅した害虫被害)により入手困難になったブランデーに替えて、地元アメリカのライウイスキーがベースになりました。
長い歴史の中で少しずつレシピは変遷を繰り返し、現在に至ります。

カクテルの王様マティーニよりも古くから愛され続けてきた歴史と美味しさは、ニューオーリンズの公式カクテルとなり、万人に認められたことで、重厚な存在感を放つカクテルとなったのです。

日本では入手困難な材料(ペイショーズ・ビター)があったので、誰も作らず誰も知らない一杯でしたこれまでは。
ようやく簡単に購入できるようになったので、日本に於けるサゼラックの歴史は、やっとスタートした、そう言えるかもしれません。


《レシピ》
・サゼラック・ライ・・・・45ml
・ペイショーズ・ビター・・3dashes
・シュガーシロップ・・・・1tsp
・ペルノ・・・・・・・・・1tspリンス
・レモンピール


●ステア

※ペルノ以外をステアし、ペルノをリンスしたグラスに注ぐ。


‘‘カクテルの王’’と形容され別格扱いされるマティーニ。
皆さんも耳にしたことがあるカクテルでしょう。
ドライジンとベルモットのシンプルな組み合わせは数多のドラマを生んできました。
シンプルゆえの自由度の高さが数多のレシピを生んできました。
世界中のマティーニを集めたら分厚い本が出来るでしょうね。
百人百様のこだわりが彩りとなり、その世界を広く大きく豊かに膨らませ続けている、それこそがマティーニが‘‘王’’の座に君臨する所以でもあります。

オクターブのマティーニは、ジンが‘‘ボタニスト’’、ベルモットが‘‘ノイリープラット’’。
穏やかに微笑む紳士のイメージに仕上げます。
オリーブはピメントが詰められていないものを。穴が美しいと思っています。
カクテルピンはシルバーで。それが映えると思っています。
レモンピールは然り気無く、遠慮がちに。

千人千様のマティーニはたしかに楽しみ甲斐のあるカクテルに違いありませんね。

夜な夜なバーを巡りマティーニを楽しむオジサマたちの気持ちが、私も少しずつ分かってきたこの頃であります。そんなお年頃であります。


《レシピ》
・ボタニスト・・・・・・・60ml
・ノイリープラット・・・・15ml
・オリーブ
・レモンピール


●ステア

‘‘プンシュ’’はクリスマスマーケットの人気定番ドリンクです。
クリスマスマーケットとはドイツやオーストリアなどで、クリスマスの1ヶ月前くらいから始まる青空市のこと。
広場や通りに出店が並び、ツリーのオーナメントや雑貨、日用品、食べ物、土産物が売られます。
日本からもツアーを組んで訪れる方が多いそうですよ。

温めたジュースや紅茶、スパイスや糖分、アルコール等をごちゃごちゃっと混ぜたホットカクテルがプンシュと呼ばれます。
寒空の下なので、こうしたホットカクテルが人気なんだそうです。
何を混ぜるかは自由度が高く、バリエーション豊かです。

オクターブのおすすめは、りんご(アプフェル)ジュースを温めた‘‘アプフェルプンシュ’’。
果汁100%のりんごジュースを温め、りんごのブランデー‘‘カルヴァドス’’を合わせる組み合わせ。
シナモンスティックが良い仕事をします。
甘味と酸味のバランスが良く、ホッと一息つける癒しの美味しさが完成します。

お酒を入れずに仕上げる‘‘キンダープンシュ’’もハンドルキーパーの方などに好評です。

肌寒い夜にぜひどうぞ。


《レシピ》
・カルヴァドス・・・・・30ml
・りんごジュース(ストレート100%果汁)・・・140ml
・シナモンスティック
・蜂蜜・・・・・・・・1tsp


●ビルド

※りんごジュースは沸騰させない