あるところに、世界一足の速~い人間がいました。
その人間は、
「俺が世界で一番、速いんだぞ~!」
と自慢してトットットットッと気持ちよく走っていました。
すると、そんな人間の横を、
シューッと、自転車があっという間に追い抜いてしまいました。
人間が悲しそうな顔で、どんどん遠ざかる自転車の後ろ姿を見ているのなんて全く気にせず、自転車は言いました。
「人間なんて、遅い遅い!一番速いのは僕だぞー!」
すると、今度はシューッと走っている自転車の横を
ドドドドドーッと騒がしく、車が追い抜いていきました。
自転車がホコリまみれになって、あっけに取られているのなんて全く気にせず
車は言いました。
「自転車なんて、遅い遅い!一番速いのはオイラだぞー!」
すると、今度はドドドドドーッと騒がしく走っている車の横を
ガタンッゴトンッと電車がきれいに追い抜いて行きました。
車が火を噴きそうなくらい、一生懸命追いかけているのなんて、全く気にせずに、
電車は言いました。
「車なんて遅いな~、一番、速いのはやっぱりワタクシですな」
すると、今度はそうやって、ガタンッゴトンッと規則正しく走っている電車の上を
ビューンッと飛行機が追い抜いて行きました。
電車がたまげて、一生懸命飛び上がろうとしているのなんか全く気にもせず、
飛行機は言いました。
「電車なんて、遅すぎてあくびが出るよ~。一番速いのは僕だよー。気持ちよーくお空を飛べるしね」
そうして、飛行機がお空を優雅に飛んでいると、
ゴゴゴゴゴゴゴゴ-ッ、ドッカーン、ビューンッ!
なんと、ロケットが飛行機をあっという間に追い抜いて行きました。
飛行機がロケットの背中を寂しそうに見ているのなんか全く気にもせず、
ロケットは言いました。
「な~んだ、飛行機っておっそいんだー。一番速いのは僕だね」
そう言って、ロケットはドンドンドンドン、高く高く飛んでいき、地球をはなれて宇宙に着きました。
そして、ビュンビュンビューンッと、自由に宇宙を飛び回りました。
「ヘッヘー凄いだろー。こんなに速く、宇宙まで飛んでこれるのは僕だけだ。ヘッヘンッ」
とロケットは得意そうに飛び回っていると、
ドッカーン!!ガガガガガガーッ!
なんと、飛行機は調子に乗って飛びすぎたせいで、大きな音をあげて、
お月様にぶつかってしまいました。
怒ったお月様は、
「なんだ、こいつは痛っいなー!!エイッ!」
と、ロケットをきつーく飛ばしました。
ロケットは
「痛い、痛い、いたーい」
と泣きながら、地球に向かって落ちていきました。
つづく
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ではまた次回。
あずまくも