前回のお話をご覧になっていない方、
宜しければ、前回のお話もご覧ください。
「人間はなんで、ゴキブリを殺すの?」
人間に不満タラタラと話し合っていたゴキブリ達は、
自分達の話を聞いていた蚊からガツーンときついお言葉を頂き、とある特訓を始めることに。
さて、一体どうなるのでしょう?
では、続きの始まりです~
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それからというもの、ゴキブリ達は毎日、何か頑張っています。
何か?って何でしょう?
あるゴキブリは立ち上がって、身振り手振り。
あるゴキブリは、まるでかけっこの練習のように、何度も何度も走っています。
そして、またあるゴキブリ達は、この家の人間達が留守の間に部屋中を探検。
そんな日々が1ヶ月続きました。
「よし、いよいよ明日だ」
「そうだね。ついに来たね」
「明日で俺達の運命が決まるぞ」
ゴキブリ達は、みんな、緊張したお顔です。
でも、みんな特訓をやりきった、い~いお顔です。
1匹のリーダーらしきゴキブリが言いました。
「みんな、いいか確認するぞ。
勝負は明日の朝7時。
この家のお父さんが仕事に出た後だ。
子どもが必ず、花の水やりのために、
一人で外に出てくるから、その時だ。いいな」
「大丈夫!」
「OK!」
「やってやるぜー!」
みんな気合十分。
「よし、じゃあみんな今日は早く寝よう」
ゴキブリ達は、出陣前夜のお侍さんのような様子で、みんな寝ました。
そして、翌朝。
おうちの中はいつも通り。
お味噌汁のにおい。
お母さんが台所でお弁当を作り、コトコトコト。
お父さんがお仕事に行く前に歯を磨いて、ゴシゴシゴシ。
男の子が幼稚園にいくために、服を着替えてガサガサガサ。
赤ちゃんの女の子はまだ寝ていて、スヤスヤスヤ。
全くいつもと変わらないおうちの中。
そんな中、ゴキブリ達は身をひそめています。
「もう少しだぞいいな……」
すると、お父さんがお母さんからお弁当を受け取って、靴を履きながら言いました。
「今日は、ちょっと遅くなるから。それと、子供達に俺の大事な歴史小説にさわらない様に注意してくれよ。じゃあ、行ってきます」
「いってらっしゃい」
「いってらっしゃーい! じゃあ、お母さん、お花にお水をあげてくるね」
「はい、お願いね」
そんな、いつものこの家の人間達の様子……
男の子はちょっと小さくなってきた靴を、グッグッっとしっかり履いて玄関を開けました。
ガチャ。
その時です!
「うわーっ!お母さーん!
うわーっ!いっぱい!いっぱい!」
玄関から男の子の声が聞こえます!
お母さんは飛んできました!
「みっくん、大丈夫!? キャーっ、ゴキブリ!」
お母さんの目にうつったのは、沢山のゴキブリ達。
何匹って?
はい、数えるのもイヤです。
お母さんは、気絶しそうになりながらも、
「殺虫剤、殺虫剤!」と靴をとっちらかして、殺虫剤を取りに行こうとしました。
すると、みっくんと呼ばれた男の子がポツリ。
「あれ?お母さん、何か話しているよ」
お母さんはちょっとヒステリックに、
「えー!何ーっ!」
みっくんはいつもと変わらず
「これって、言葉でしょ?」
お母さんは、みっくんの後ろからそ~っと、ゾゾゾ~っとゴキブリ達をのぞきました。
すると、ゴキブリ達は身動き一つせずに、じっとしています。
よく見ると……
「えっ、文字になってる?うそ、やだ……
オ ハ ヨ ウ ゴ ザ イ マ ス !?」
ゴキブリ達は人文字ならぬ、ゴキブリ文字を作っていました。
「えっ、なっ、なんで?」
お母さんは、必死に落ち着こうとしていますが、何から考えて良いか分かりません。
すると、1匹のゴキブリが立ち上がって身振り手振り。
あの、リーダーらしきゴキブリです。
すると、それに合わせてゴキブリ達はササササーッと、素早く走り回って、ピタっ!
「今度は何なのよ……?」
「お母さん、なんて書いているの?」
「えっと…… イ イ オ テ ン キ デ ス ネ 」
「ゴッ、ゴキブリって言葉が分かるのかしらっ!?」
お母さんは、気味が悪く感じてきました。
でも、そんな時にみっくんが、
「えー、凄い!ねえ、お母さん、凄いね凄いね!」
とあまりにも興奮して「すごい、すごい!」
と言うもんですから、お母さんもついつい。
「そっ、そうねえ……」
すると、また、リーダーゴキブリが身振り手振り。
そして、ゴキブリ達はササササーッ、ピタッ!
「えーっと……、オ ハ ナ シ ガ ア リ マ ス」
お母さんは、もうどうにでもなれとゴキブリに答えました。
「何?」
ササササーッ、ピタッ!
「イ マ マ デ カ ッ テ ニ 」
「ス ン デ イ テ ゴ メ ン ナ サ イ」
「えっつ?あんたたち、うちの家にこんなにも住んでいたの!?」
ササササーッ、ピタッ!
「ハ イ ゴ メ ン ナ サ イ」
ササササーッ、ピタッ!
「キ ョ ウ ハ ア ラ タ メ テ」
「ゴ ア イ サ ツ シ ニ キ マ シ タ」
「ご挨拶?」
ササササーッ、ピタッ!
「コ レ カ ラ モ ヨ ロ シ ク オ ネ ガ イ シ マ ス」
「いやいや、何言ってんの!?」
ササササーッ、ピタッ!
「オ タ ク ニ ス マ セ テ ク ダ サ イ」
「ダメでしょ!」
ササササーッ、ピタッ!
「ソ コ ヲ ナ ン ト カ」
「ダメなものはダメ!何が「そこをなんとか」よ!出て行って!」
「フ ダ ン ハ カ ク レ テ イ マ ス ノ デ」
「オ ジ ャ マ ハ シ マ セ ン」
「それが、気持ち悪いの!」
すると、みっくんが
「お母さん、いつも隠れているんなら、いるかどうか分かんないよ。それならいいんじゃないの?」
ササササーッ、ピタッ!
「ミ ッ ク ン ガ ン バ レ」
「調子に乗るんじゃないわよ!みっくん、ゴキブリはね、ばい菌さんを持っているのよ」
「カ ラ ダ ハ キ レ イ ニ シ マ ス」
「そんなの信じられますか!」
「お母さん、こんなにゴキブリさん達が頑張っているよ」
お母さんはイライラして言いました。
「もう!じゃあ、あなた達一つ聞くわよ?」
ササササーッ、ピタッ!
「ハ イ」
「普段は隠れていて、いるかいないか分からないのよね?」
「ハ イ」
「それで、体もきれいにしているとしましょう」
「ハ イ」
「あなた達、増えるでしょ?」
ササササーッ、ピタッ!
「フ エ マ ス」
「ダメじゃん」
「ほっといたら、どんどん増えちゃうじゃない。今、ここにいるだけでも嫌なのに。これ以上増え続けたらどうするのよ!?」
ゴキブリ達はちょっと、考えて言いました。
「フ エ タ カ ズ ダ ケ タ ビ ニ デ マ ス」
「イ マ ノ カ ズ ダ ケ ス マ セ テ ク ダ サ イ」
「そんなの、どうやって信じられるのよ」
「ボ ク タ チ ウ ソ ハ ツ キ マ セ ン」
「その誠実な雰囲気は何なのよ……」
「もーう、分かったわよ、分かった!今いる数だけよっ!」
「ア リ ガ ト ウ ゴ ザ イ マ ス !」
「ビックリマークまで付けんじゃないわよ!」
「みんな、良かったね~」
みっくんはほのぼのと言いました。
すると、お母さんがふと思いついて言いました。
「そうだわ、あなた達。一つだけ条件があるわ。毎月1回、数が増えていないかを確認するために、そのゴキブリ文字で、私達を楽しませてもらえる?」
ササササーッ、ピタッ!
「オ ヤ ス イ ゴ ヨ ウ デ」
「全く、その言葉どうやって覚えたのよ」
お母さんは、フッと優しく笑いました。
みっくんはニコニコと笑いました。
ゴキブリ達はザワザワと喜んでいましたとさ。
おしまい
次回のお話は
「一番はだ~れだ?①」です。
お楽しみに。
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ここまでご覧頂いて有難うございます。
乱文失礼しました。
粗い文章はご容赦を。
無断転載お断り。
ではまた次回。
あずまくも