アルス・エレクトロニカ、レポート。0号
いやー。アルス・エレクトロニカに行って、
、、、そして、帰ってきてしまいました。
計画では、現地から、リアルタイムで、見たネタを
ブログに上げよう、とか、思っていたのですが、、
(何人かの皆様にも、それを希望されたのですが、)
時間足らずで、あと出しジャンケンです。
(実は、カンヌのネタも、書きかけでほったらかしてる
TXTファイルが、何本かあったりして)
1日じゅう、歩きまわり、
夜はWEBメールで日本の仕事をこなして、
オーストリアで、ビールを飲まないわけにも行かず、、、
ということで、今後しばらく、あと出しのミニトピとして
アルス・エレクトロニカ、2006レポート(私見)を、
上げてゆく所存です。よろしくお願いいたします。
*アルス・エレクトロニカって何?という方は、コチラ 参照。
評判至上主義。
バズ=評判、とする時。いくつか、思うところ、あり。
・クチコミ効果こそが、TVCMの真の価値であり、その効果がなくなったのが、CM低迷の原因である。
(例の織田さんの翻訳本の38、39Pをチェック)
・自分がインタラ広告を楽しくイキイキやってられるのは、ユーザーさんから即レスがもらえるから。
(このブログでも何度か書いてる実感)
・会社がなんとなく盛り上がんないのは、広告が世の中を動かしてる実感がもちにくくなったから。
(今日、仲のよい営業とランチで話してて)
・広告クリエィターになってよかったと感じる瞬間は?→世の中で自分の広告がひろがっている、と実感するとき。たとえば、自分が作ったCMの真似をしている人を目撃した時なんか、ほんとに最高にうれしいです。
(電通・山崎隆明さん。宣伝会議のパンフより。インタビューに答えて)
・ウンコのポスターが、貼ってあったら目立つだろ?
(昔、所属長によく言われた。)
要するに、話は実に簡単で、ユーザーに届いてナンボの広告ですから、
評判になれるか、なれないか、がすべてなわけです。
どんなレベル、どんな媒体、どんなヤリクチでも、かまわない。
その1点に、頭を絞れば、制作者の頭もスッキリするのではないでしょうか。
退路を、断つ。
最近、ちょっと思ったこと。
「これダメだったら、こっちに戻そう」という、用意があると、
ホントに画期的なことは、実現できない。
「もう、行くしかない」という状況を、
得意先を巻き込んで、作りあげて、はじめて、
誰も、想像しなかった新しいモノが、
実現するんだよなあ、、、、と。
ここ数週間と、過去数年の印象に残ってる
自分や、自分に近しい人の、
実現した作品や仕事のことを思い返して、
そんなことを、思いました。
検索を理解しない人は、マス広告を作れなくなる時代。
このことは、チャンと書いておかないといけないので、
ちょっとキビしいこと書くかもしれませんが、書きます。
CMのお尻から、検索マドでWEBへ跳ばす、というヤツ。
これを、安易に採用する「マスしかやらない人」は、
もう少し制作者として、責任感もった方がいい。
編集室で、CM映像のラストカットに貼り付けた、
検索マド(矢印は、しっかりアニメーションしたりする)が、
その先で、ちゃんとユーザーに「コネクト」してるのか、どうか。。。
総合広告代理店の広告制作者なら、
「そっから先は、自分の仕事じゃない」などと、思わない方がいい。
当たり前ですが、
CMのお尻でトバしたら、その先に対して責任が発生するのです。
それは、お得意先に対しても、ユーザーさんに対しても。
行った先も、含めてクリエィティブ、のはずだし。
チャンと行けるかどうかも、大事な広告施策そのものです。
もし、行った先に対して、興味も、関心も、スキルもないなら、
跳ばすべきではない。15秒30秒で、しっかりカタをつけるべき。
それだって、むしろ立派なことです。今どき。
無責任に、CMの尺に入らないというだけの、理由で跳ばす人。
(こういう人は、昔「入らない情報はグラフィックで」とか言ってた)
ただ流行りだというあさはかな認識で検索マドを使う人。
ユーザーに届いてこそ広告だという意識=危機意識が薄い人。
など、、事故のもとです。大事故につながります。
総合広告代理店として、請けおった業務であれば、
何億円という料金のTVスポットを投下して、
ラストカットに「ナンタラカンタラ→検索」などとつけて、
検索で「上がらなかった」「見つからなかった」ということがあったら、
賠償金ものでしょう。。。「総合」広告代理店ならば。
「バカヤロー!スポット代、弁償しろ!」と言われても
しょうがないくらいの失態です。
しかし、これを己の責任ととらえるCDなら、まだよいのです。
次から、同じ失敗はしないでしょうから。
タチが悪いのは、それは、営業とか、アイメとか、
インタラ担当の責任だろ?と、
一顧だにしないような人でしょう。
一顧だにしなくても、いいけど、だったら「検索」使うなよ、と。
仮に、得意先がそう要請しても、拒否すべきです。
安易に検索に跳ばした時に、検索結果に「出て欲しいサイト」が、
あがってこない可能性がある、という怖ろしさに、
本気で、緊張感を持って、挑んでいるCDが何人いるでしょう?
自分の知る限りでは、弊社で、2人くらいです。(←失言)
前回、紹介した事例で、私が一番「怖かった」のは、そこでした。
ただ、その恐怖を、皆が感じていたかというと、そうではない。
(まあ、マスの現場の方にそんな余裕はなかった、というのと、
WEB誘引の施策を、言葉含めて任されていたのは自分だったので
誰よりも、自分に責任があったからなのですが)
だから、リスティングの発注、検索対応のためのティザーサイト、
企業TOPからそのティザーへのリンクと、、
二重三重に保険をかけました。
今、こっちの領域にいる自分の実感としては、
もはや「検索」や「検索広告」を理解しない人は、
マス広告を作れない時代なんじゃないか、とさえ思います。
それは、なぜかというと、
アクセス経路のデータをすべて得意先が持つからです。
「何%のワクに、何GRP流しました」では、何のデータもないに等しく、
「このCMを打った日に、何というワードを経由して、何アクセスあった」
というデータに、対抗できるわけがありません。説得力ゼロ。
ここが実は、ものすごく重要で、この一点において、
広告制作者は、根本から変わらざるを得ない局面に来ていると思います。
もちろん、アクティブなユーザーがすべてではない、のは事実だとしても。
クロスメディアな媒体接触が、今の普通のユーザーにとって
ごく当たり前のリアルなのだから、クリエィティブ・ディレクターは、
広告接触の「その先」への想像力を持たなきゃいけない。
どの媒体で、接触しても、ユーザーがより詳しい情報を望む時は、
必ず、ヤフーかグーグルで「検索」するでしょう。当たり前のことです。
時代の要請、メディア環境の要請、得意先の要請、
なによりも、自分自身がごく普通に、「検索」して暮らしているのだから、
自分自身の要請でしょう。
今、生きて、生活している広告マンとして、
当たり前に配慮すべきことなのでは、ないでしょうか。
ちょっと、説教くさくなったけど、以上です。