隠された聖徳太子 ――近現代日本の偽史とオカルト文化 (ちくま新書) | らくちん道への道

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日本史上、最も神秘に満ちた「聖人」――聖徳太子。近代において「人間太子」も登場するが、それは無論ただの人間ではない。日本が「西洋化」する中、彼と西洋との繫がりが語られる。そして「オカルトブーム」では、前近代と異なる形で「超能力者」として新たな命を吹き込まれる。様々な姿の太子を描く人々は、何を求めてきたのか。太子の「謎」は、人間の「隠されたもの」への強い関心を搔き立てる。本書では「歴史」と「偽史」の曖昧な境界を歩みつつ、その真相を読み解く。

 

面白い本だった。

 

著者の名前は何処かで見た気がしたが、故・吉永進一さんの関係者だった。

 

私の世代なら誰でも知っている「聖徳太子」の人物像は、過去~現在まで様々な人たちの思惑によって生み出されている。

 

ムーとかヒカルランド常連の怪しい人だけでなく、梅原猛さんなどの著名な学者までも根拠不明な思い込みの強い本を書かれているので、想像力を掻き立てる魅力的な人物なのは間違いない。

 

更に漫画の影響や、ノストラダムス、魔術師アレイスター・クロウリーまで登場してくると、本当に訳がわからなくなってくる。

 

史実と空想の線引きをしたいところだが、確かに深入りすれば沼に落ちていく感じはある。