20代キャリアを元気に! -4ページ目

原因を探る2「ゲーム・携帯・インターネットの普及」

部屋でゲームに熱中していると時間がたつのはあっという間です。

その分、家族や友だちや先生と話をする時間が少なくなりました。

つまり会話のスキルが向上していかないということ。


携帯電話もそう。話したい相手とピンポイントで話せます。

昔は、友だちと話したいときは、「親が出たらどうしよう」とドキドキしつつ、

家に電話してつないでもらうしかありませんでした。

苦手な相手と会話しなくてはいけない場面もたくさんあったのです。

「夜分おそれいりますが」なんて言葉を覚えられたのも、そのおかげです。


話したい人と好きなときに話せる便利さは、

さまざまな年齢や立場の人とコミュニケーションをするという

大切な機会を奪っていったのです。


また、待ち合わせはアバウトでも、

近くまで行って携帯で連絡を取れば会える。

会えなかった場合の想定や、そのときどうするといったダンドリが不要なので、

「考えること」をしなくてもよくなりました。


またメールは、相手が「今」何をしているか、どこにいるのかを考えなくていい。

「相手の立場に立つ」ことも、しなくてよくなったのです。


確かに今の若者のインターネットや携帯のリテラシーは高い。

しかし、ネット上のコミュニティでコミュニケーションが上手でも

それは社会では通用しません。

友だちメールのようなメール文が送られてきて、

「なんじゃこりゃ?」と思うこともしばしばです。


携帯やインターネットは、とても便利なツールですが

充分にリアルなコミュニケーションができるようになってから

使ってもらいたいものです。


「ゲーム・携帯・インターネットの普及」という環境がつくった『人の特徴』

●リアルなコミュニケーションができない

●相手の立場に立てない(相手に対する配慮に欠ける)

●ということは、自分の立場も認識できない

原因を探る1「ゆとり教育」

ゆとり教育は、知識重視型の詰め込み教育を廃止し、

経験重視型の教育方針でゆとりある学校を目指そうというもの。


確かに、授業の時間は短くなり、詰め込み教育ではなくなりましたが、

大切なのは、「経験重視型」の教育をどう行ったのか。

子どもたちに自由な時間を与えただけでは意味がありません。


成長に必要な経験。

それは、失敗経験、不自由な経験、喧嘩の経験、競争の経験など

「負」の経験です。

それが、成功経験、最後までやり遂げた経験、仲間との絆経験など

「正」の体験による感動をより大きなものにします。


運動会で勝ち負けを決めないとどうなるか。

確かに傷つく人はいなくなるけど、打たれ弱くなります。

また、極端に失敗を恐れ、チャレンジしない人になります。


また、ゆとり教育は個性をのばす教育とも言われています。

「あなたは、(国語はできなくても)算数ができるね」

「あなたは、(勉強はダメだけど)やさしい子だね」

と、先生は( )の中は言わないで、いい部分を褒め、

それを個性だと言って、そこを伸ばすように指導します。


今までは、国語ができなくても褒められた。

勉強ができなくても褒められた。

だけど、社会人になったら、それでは通用しません。

たとえ苦手なことでも、会社や上司からの要望に対して

行動を起こし、確実に実行しなくてはならないのです。

しかも、それを達成できなければ誰も褒めてくれないのです。


苦手でも未経験でも、挑戦して経験していけば育っていくのですが

ゆとり教育は、失敗を恐れてチャレンジしない人をつくってしまいました。

企業の教育担当者がなげくのも無理はありません。


「ゆとり教育」という環境がつくった『人の特徴』

●自分らしさへのこだわりが強い

●社会からの要望に応えられない

●自由に振舞うのがいいと思っている

●個性を否定されるとストレスに

●失敗を恐れてチャレンジしない


※「ゆとり教育」を受けて育った人がみんなそうだということではありません。

若者の就職率が低くなった本当の理由

経済産業省は、今の若者には『社会人基礎力』が足りないと唱え、

文部科学省は、大学で『就業力』を養成する必要があると発表しました。

大学生の就職率が低いのは、

不景気で求人が減ったという単純な理由だけではなく、

若者に「社会人として働く力」が足りなくなってきたことにも

原因がありそうですね。


ではなぜ、そんなことになってしまったのでしょうか。


それは、彼らが育ってきた環境に関係があります。

1.ゆとり教育

2.ゲーム・携帯・インターネットの普及

3.少子化

4.バブルの崩壊

5.ベンチャーブーム

こんな世の中で子供時代を過ごしてしまったら

どうなるでしょうか。


「便利さ快適さ」は、人間の能力を奪っていきます。

「理不尽」は、やる気をなくします。

「情報過多」は、根拠のない自信を植えつけます。


能力とやる気を閉じ込められ、根拠のない自信だけだある人材。

これでは、企業が採用を敬遠するのも当然かもしれません。


この状況を改善するために、まず、その原因から探っていきたいと思います。

つづく・・・