『わかる』を『できる』にする方法
20代の若者が社会人基礎力を身につけ、実践できるようになる。
つまり、『わかる』を『できる』にするための
インストラクショナル・デザインの手順は以下のとおりです。
1)学習者分析
・彼らはどんな人なのか
・なぜそうなったのか
・どんなことに興味を持っているのか
・どんなときにモチベーションが上がるのか
・メディアのリテラシーについて
2)ゴールの設定と学習成果の明確化
・彼らがいつまでにどうなっていればいいのか
※会社であれば、身につける行動特性の明確化
・それをどうやって評価するのか
・学習目標(評価の合格点)を決める
※会社であれば、業績の数値目標を設定
3)学習の構造設計
・ゴールと現状の差は何か
・差を埋めるには何が必要か
・何をどの順番で行うのか(コンテンツの構造設計)
・知識を使えるものにする実践(練習)の設定
4)コンテンツ開発
・研修、システム、仕組みの開発
・学習環境の開発(動機づけ、ユーザビリティ、学習の時間や場所)
5)実施
6)評価とフィードバック
具体的には次回にご紹介します。
能力を「身につける」ということ
20代の若者の「社会人基礎力」や「就業力」が低下していて
企業側が採用に躊躇しています(大学生の就職率の低下)。
しかも、その原因は、彼らが育ってきた環境にあるという状態です。
では、どうすれば、
働くために必要な力を身につけることができるのでしょうか。
能力を「身につける」というのは、
まず、『わかる(理解する)』こと。
そして、それを『できる(実践できる)』ようになること。
たとえば、“研修”で「社会人基礎力」について学んでも、
それが現場で実践できなければ意味がありません。
確実に『できる』ようにするためには
科学的方法に基づいて設計された
インストラクショナル・デザインが必要なのです。
つづく・・・
大学生の就職率を上げるために
大学生の就職率が低いのは、
不景気で求人数が減ったという単純な理由だけでなく、
若者に「社会人として働く力」が足りなくなってきた、
つまり、企業が採用したい人材がいなくなったことに原因があります。
それは、彼ら自身が悪いのではなく
彼らが育ってきた環境のせい。
「世の中が便利になると、人間の能力は退化する」。
それが現実となり、社会で働くことに支障をきたすまでになったのです。
これまでのブログで環境と人との関係をまとめてきました。
「ゆとり教育」という環境がつくった『人の特徴』
●自分らしさへのこだわりが強い
●社会からの要望に応えられない
●自由に振舞うのがいいと思っている
●個性を否定されるとストレスに
●失敗を恐れてチャレンジしない
「ゲーム・携帯・インターネットの普及」という環境がつくった『人の特徴』
●リアルなコミュニケーションができない
●相手の立場に立てない(相手に対する配慮に欠ける)
●ということは、自分の立場も認識できない
「少子化」という環境がつくった『人の特徴』
●自分から行動しない
→用意されているのがあたりまえだと思っている
●発想力・創造力がない
→ただし、言われたことは真面目にやる
「バブルの崩壊」という環境がつくった『人の特徴』
●自分の成長には貪欲
●自分にとって無駄なことはしない
●やりたいことができる会社を選ぶ
●会社は信用していない
「ベンチャーブーム」という環境がつくった『人の特徴』
●社会の常識を知らない
●年上に対する尊敬の念がない
●公私の区別がつかない
●ビジネスマインドがない
確かに、これでは、企業が採用を躊躇しても仕方がありません。
では、どうすればいいのでしょうか。
次回から、その方法についてご提案したいと思います。