大分県日田市に本社を持ちます西鉄グループの日田バスは、福岡~日田線「ひた号」をはじめ、福岡~湯布院線「ゆふいん号」、福岡~黒川線、季節運行の福岡~九州墓地公園(大分県日田市)間も運行しておりまして、実際に運行する姿を見る事ができております。
最近は、「新型コロナウイルス」、その後の乗務員不足もありまして、「ゆふいん号」を中心に運行本数を減らしておりまして、活躍の場も狭くなっております。
それでも、「ひた号」の日田バス便を全便トイレ付き車両にすると言った動きも見られておりまして、そう言った事から日田バス所有車にはトイレなしの車両は姿を消すに至っております(但し西鉄バス所有(日田バス委託~日田第二営業所所属車)にはトイレなし車両も存在します)。
また、上の画像の400号(詳細は後述)を導入しました平成30年には、一旦姿を消しておりました日田バスの高速塗装が復活しておりまして、数台でその塗装となっております。ただ、それ以降(画像2)は西鉄の中距離高速塗装「火の鳥塗装」のままで移籍した車が見られておりまして、社章と「Group」などが加えられた程度となっております。
そして、使用車両も大きく変わっておりまして、主力でありました西鉄グループからの移籍車でもあります西日本車体(西工)E-III架装車が後述の1台を残しまして全車廃車となっておりまして、その代わりに純正(ジェイバス架装)車両であります日野セレガ・いすゞガーラの「セレガーラ」が増えております。この事業者も、数年前にはS型架装車も所有していた事業者でもありますし、それにE-III架装車も全廃寸前まで来る訳ですので、わずかな間にここまで変化が見られている事で、車両のサイクルが早い事も伺える所ではあります・・・。
【形式、いずれも日産デPKG-RA274RBN】
(485号)
(478号)
(福岡の那の津車庫に留置されていた、日田バスE-III架装車廃車車両)
さて、このように純正車両が多く見られております日田バス高速車でありますが、現在は13台が所有しております。今回はその全13台に関しまして、皆様にご紹介してまいります。
まずは、唯一残りますE-III架装車であります474号からご紹介します。この474号は平成20年式、西鉄バス時代は9933の社番でありまして、福岡~熊本線「ひのくに号」で活躍しておりましたが、平成28年に日田バスに移籍しております。
平成20年式と言う事もありまして、リアのテールが平成19年式の車と違っている事がわかりますが、日田バス所有車の平成19年式の車が全廃となった今では、このテールの車のみが見られるに至っております。ちなみに、平成19年まで西鉄バスで導入されましたE-III架装車は西鉄バスにはいなくなっておりますし、亀の井バスに移籍しました平成19年式の2台(大分200か・847及び・848)も廃車となっておりまして、西鉄グループでは平成19年式までが全廃に至っております。
ここからは、いずれもジェイバス架装車をご紹介してまいります。まずは、最初に導入されました400号(いすゞ2TG-RU1ASDJ)からご紹介します。
400号は、日田バスでは15年ぶりの自社発注車でありまして、かつ一度姿を消しておりましたオリジナルの高速塗装で導入されたものであります。導入後は、トイレ付きである事もありまして、「ひた号」や「ゆふいん号」などで運行されておりますが、やはり「H」のカラーはよく似合っている事もわかるのではないでしょうか。
ちなみに、この15年前に導入されましたのが画像の705号(三菱KL-MS86MP)でありましたが、「HITABUS」の部分の字体が違うだけで、それ以外はほぼ同じである事がわかります。尚、この車は西工C-I架装車でありました482号(現廃車)にエンジンを移植した事で平成28年に廃車となっておりまして、400号導入までの2年間はこのカラーの存在がなかった事がわかります。
400号導入以降、西鉄バスから相次いで移籍車が導入されておりまして、以下画像の420号・421号(いずれもQRG-RU1ASCA)が最初に令和元年に導入されました。
(420号)~元西鉄バス7623
(421号)~元西鉄バス7624
これらはいずれも平成24年式、西鉄バスでは「ひのくに号」などで運行していた車でありまして、日田バス移籍後に新たな社番に変わっておりますし、しばらくしまして上の画像のように塗装の変更がなされておりました。尚、この導入に伴いまして、日田バスで最後に残りました西工S型架装車は全廃へと至っておりました。
さらに、この年の暮れまでの間に3台が導入されておりまして、そのうち最初の2台はこれまでと同様高速塗装に塗り替えられておりましたが、あとの1台は「火の鳥塗装」のままで現在に至っております。
(422号・日野QRG-RU1ASCA)~元西鉄バス7845
(423号・日野QRG-RU1ASCA)~元西鉄バス7846
(424号・日野QTG-RU1ASCA)~元西鉄バス7947
これらの西鉄時代も、いずれも「ひのくに号」で活躍しておりましたが、三菱エアロエース新車導入に伴いまして余剰となっていた車でありまして、「高速塗装」に塗り替えられました422号・423号が平成26年式でQRG-規制車、「火の鳥塗装」の424号が平成27年式でQTG-規制車でもあります。
このうち424号に関しましては令和元年秋に開催されました「ラグビーワールドカップ」のために車両不足となっておりました亀の井バスに一時リースされておりまして、その際に大分ナンバーに改番されまして、その登録ナンバーのままで日田バスに移籍へと至っていた車でもあります。
(亀の井バスリース時)
また、この導入に伴いまして、日田バス所有のB高車が全廃となっておりまして、日田バス所有車は全車トイレ付き車両に改められております。
尚、3台中423号・424号の2台は、以前は「おんせん県おおいた」のラッピングも施しておりまして、温泉や大分県の特産品なども大きな車体でアピールをしていた事もありました。現在は、上の姿からもわかりますように解除されておりますが、この効果は正直大きかったのではないかとは思っております。
(423号)
(424号)
令和2年になりまして、春からの「新型コロナウイルス」による需要減もありまして、親会社西鉄バスでは路線の減便・車両の減車が見られるようになりましたし、日田バスでも「ひた号」・「ゆふいん号」・福岡~黒川線で運休や減便が見られるようになっておりました。
そう言った事もありまして、E-III架装車を中心に車両の置き換えも令和2年秋以降見られるようになってきておりまして、最初に以下画像の401号(元2769・QRG-RU1ASCJ)が400号に次いで2台目のいすゞガーラとして移籍導入されておりました。
さらに、暮れには同じくいすゞガーラの402号、日野セレガの425号が導入されておりました。これら2台はいずれも亀の井バス委託運用に使用されていた車でもありまして、元々から大分ナンバーが付けられていた車でもあります。
(402号・いすゞQRG-RU1ASCJ)~元西鉄バス2767
(425号・日野QTG-RU1ASCA)~元西鉄バス8050
これらは、「とよのくに号(別府系統)」の減便もありまして移籍したものでありまして、それに伴いまして西工E-III架装車を廃車に追い込んでおりましたが、このうち402号は、亀の井バス委託運用時代の平成30年に安室奈美恵さん引退を惜しんだ「TENJIN AMURO MONTH」ラッピングを施していた車でもありましたが、そう言った由緒ある車が日田バスに移籍しまして現在も運用に就いております。
(西鉄時代の402号(元西鉄バス2767)、「TENJIN AMURO MONTH」ラッピング時)
令和3年になりまして、日野セレガであります426号(元7945・QTG-RU1ASCA)が移籍導入しました。この車は平成27年式でありまして、こちらは当初福岡~佐世保線「させぼ号」、その後「ひのくに号」に転用されておりましたが、減便もありまして日田バス移籍へと至っておりました。これで高速塗装に塗り替えられました4台を含めまして、7台の日野セレガが移籍した事がわかります。
そして、令和3年の暮れ~令和4年頭にかけましてはいすゞガーラであります403号・404号(いずれもQTG-RU1ASCJ)が日田バスに移籍導入されました。403号は平成28年式、404号は平成29年式でありまして、いずれも「させぼ号」→「ひのくに号」に使用されていた車でもありましたが、いずれも日田バス移籍へと至っております。やはり、「ひのくに号」に至っては20往復に及びます減便でもありますので、そのしわ寄せがあるのは仕方がないのではないでしょうか。
(403号)~元西鉄バス1081
(404号)~元西鉄バス1166
尚、この導入によりまして、平成19年式の西工E-III架装車が全廃になっておりまして、これによりまして1台を除きましてそれ以外の12台がジェイバス架装車の「セレガーラ」と言う陣容へと変わっております。
今回は、日田バスに所有します高速車全13台をご紹介しましたが、いつの間にか日田バスの主力車両も「セレガーラ」ばかりになってしまった訳ですので、それだけ一気に車両の置き換えも進んだ事が伺えます。特に、「新型コロナウイルス」によります需要減による減便の影響とE-III架装車の置き換えとが同時に進んでしまった事も伺えるようですが、それがこのような結果につながった事も間違いないでしょうか。今後は、休止しております西鉄バスの新型車両導入がありましたら何らかの動きが考えられるだけに、高速塗装と西鉄の「火の鳥塗装」2つが存在すると言うのも日田バスの動きも注目する所ではあります。