番外 「銀釜」EF81形300番台電気機関車、除籍車両紹介(後編、オリジナルの末っ子304号機) | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 「銀釜」と呼ばれます303号機が現在も健在な姿を見せておりますEF81形300番台電気機関車でありますが、それ以外の301号機・302号機・304号機は姿を消しておりまして、かつ既に解体されてもいますが、前回では、上の画像の301号機及び302号機に関しまして皆様にご紹介しておりました。
 
 前回もご紹介しましたこの301号機・302号機は、当時関門トンネル区間におきまして運行されておりましたEF30形電気機関車の増備車として昭和48年に門司機関区に導入されました電気機関車でありまして、ステンレスの車体が特徴でありました。
 
 しかし、昭和53年に当時常磐線にて運行されておりましたEF80形電気機関車の置き換えとしましてこの301・302号機は旧内郷機関区に転属、その際にステンレスの車体に赤13号に塗装されておりまして、見た目も大きく様変わりしておりました。
 
 その後、国鉄末期にもあたります昭和60年に門司機関区に里帰りしまして、以来関門間を中心としました運用、そして平成23年からはEH500形電気機関車の導入によりまして関門間の運用はなくなったももの、九州内の貨物列車運行区間の運用におきまして運行されておりましたが、富山機関区からの転属車両によりまして余剰となった事もありまして、平成26年までに除籍・廃車となっておりまして、令和2年7月に302号機が解体されましたし、令和3年4月には301号機が解体されております。
 

 そして、今回ここからご紹介しますのは、現在稼働中の303号機とともに関門トンネルのエースとして長らく君臨しまして、平成23年3月に発生しました「東日本大震災」時には輸送力増強のために「日本海縦貫線」も運行歴はあったものの、残念ながら平成25年に運用を離脱、そしてその後除籍・解体されました、304号機に関しまして皆様にご紹介してまいります。
 
 
 この304号機は、昭和48年より製造されておりましたEF81形300番台電気機関車の末っ子として昭和50年に製造されました機関車でありまして、301~303号機と同様ステンレスとなっておりまして(301・302号機はその後常磐線転用を機に赤塗装化)、ファン間からは「銀釜」と呼ばれる中の一両でもあります。このステンレスも、海底トンネルであります関門トンネルを通過する事もありまして、腐食・塩害対策としてこのステンレス仕様となっているのが特徴でありました。
 
 
 以来、門司機関区に所属の上、関門間(幡生操車場~北九州貨物ターミナル間)を中心に運行されておりましたが、関門運用にEH500形電気機関車が入るようになった事から、平成23年のダイヤ改正時より九州島内の運用に入る事になりまして、その結果鹿児島線鹿児島駅まで、長崎線鍋島駅まで、日豊線南延岡駅までそれぞれ乗り入れるようになっておりました。
 
 実際に、以下画像が304号機の運行シーンでありますが、掲載画像以上に多くの運行シーンを収めておりまして、それほど稼働が多かった事が伺えておりました。それにしても、行先を見ましても九州各地へと運行されていた事もお分かりいただけるのではないかと思います。尚、画像にはありませんが平成15年の更新時に青帯が付けられていた事もありましたが、後にその帯は消されております
 
 (4097レ・鹿児島貨物ターミナル行き)~平成24年撮影
 
 (1063レ・熊本貨物行き)~平成24年撮影
 
 (1151レ・大牟田行き)~平成23年撮影
 
 (1152レ・北九州貨物ターミナル行き)~平成25年撮影
 
 (最後の画像、4075レ・南延岡行き)~平成25年撮影
 
 
 また、平成23年ダイヤ改正直前に発生しておりました「東日本大震災」におきまして東北方面の鉄道が寸断された事もありまして、相方の303号機とともに富山機関区に貸し出されまして、東北方面の物資輸送増強のために「日本海縦貫線」でも運行されていた事もありました。
 
 
 そして、門司機関区に帰りまして先述の区間で運行されたりもしておりましたが、残念ながら平成25年に運用を離脱しまして、以来7年間にわたりまして門司機関区構内におきまして、他の301号機・302号機とともにパンタグラフを外された状態で現在も留置されておりました。
 
 
 そして、令和2年の6月についに304号機は門司機関区構内におきまして解体されまして、300番台グループでは末っ子のその304号機が先に解体されるに至っておりました。私自身もこの情報を聞きまして、ついにこの時が来てしまったか・・・と思ったほどでありました。
 
 
 前回・今回と除籍されました「銀釜」・元「銀釜」の3両に関しましてご紹介しましたが、今回掲載しました趣旨としまして、これら3両の改めまして実績を知っていただきたいと言う思いから今回の掲載へと至りました事をご理解いただきたいと思います。やはり、この3両に関しましてもこれまでも様々な運行実績もあっただけに、解体にまで至っておりますが、それでもこの栄光は残りますし、姿がなくなっても記憶としては残していただきたいですし、現在も稼働します303号機もEF510形300番台電気機関車の増備でどうなるかわかりませんが、その時まで元気な姿を見せていただきたいものであります。
 
 (注)内容にあります列車番号は撮影当時のものです。