西鉄バスの西日本車体（西工）０２ＭＣＳＤ－Ｉ架装車と言いますと、上の画像にあります２台が以前存在しておりましたが、残念ながらいずれも廃車となっておりまして、その姿は今は見る事ができなくなりました。
それが、三菱エアロクィーン架装の４０１１・４０１２（ＫＬ－ＭＳ８６ＭＰ）でありまして、これら２台は平成１７年に導入されまして、当初は福岡～東京線「はかた号」に導入されておりましたが、それからは名古屋・大阪・岡山などの路線にも運行されておりました。
このうち、４０１２に関しましては、平成２５年から三重交通にも一度貸し出しのために移籍しておりまして、福岡～三重（津・伊勢・鳥羽）線「お伊勢さんエクスプレス福岡号」の旧西鉄高速バスの撤退に伴いまして三重交通の単独運行となった事から、西鉄のロゴ、そして「白夜行塗装」のままで活躍する姿も見られておりました。しかし、翌平成２６年に運行を終了した事から、西鉄に返却されておりました。
これら２台も、いずれも利用歴もありましたが、車内の電灯は画像の白熱電灯のみとなっておりまして、夜行以外でも昼行路線の夜間を走行する際に味を出す姿も見られておりました。この時は、平成２７年撮影の４０１１でありまして、延岡から福岡へ戻る際利用したものでしたが、夜間走行と言う事もありまして、画像のような姿も見る事ができておりました。
さて、ここからご紹介しますのは、同じく西工０２ＭＣＳＤ－Ｉ架装車の三菱エアロクィーンが大分交通に存在しておりました。しかし、この車に関しましても平成２９年に廃車となっておりまして、残念ながらこの姿を見る事はできません。今回は、その車（大分２００か・１０６、ＫＬ－ＭＳ８６ＭＰ）に関しまして皆様にご紹介してまいります。
大分交通では、平成３１年の３月末を持ちまして、大分・別府～神戸・大阪・京都線「ＳＯＲＩＮ号」の運行から撤退しておりまして、夜行高速路線バスの運行からも撤退しております。その後は別府・大分～宮崎線「パシフィックライナー」に元夜行用の２台は転用されておりましたが、その「パシフィックライナー」も廃止されておりますので、それに伴いまして大分２００か・３２０は売却されておりますし、残り１台、大分２００か・６２２も今年大分バスに移籍しております。
【画像はいずれも「ＳＯＲＩＮ号」時】
（大分２００か・３２０、三菱ＰＪ－ＭＳ８６ＪＰ）～現在は売却
（大分２００か・６２２、いすゞＱＲＧ－ＲＵ１ＥＳＢＪ）～現・大分バス、大分２３０あ・１１２（３２１１２）
そして、これら２台とともに活躍しておりましたこの車は、平成１４年に休止されました、大分・別府～名古屋線「ぶんご号」向けに導入されたものでありまして、大分交通では初めての西工０２ＭＣ架装車となっておりましたし、加えましてボディ架装は他の大分事業者（大分バス・亀の井バス）と同様ＳＤ－Ｉタイプでの導入となっておりまして、この導入によりまして、平成２年式の車を廃車に追い込んでもいました。
（平成２１年撮影）～以下画像５・６も
当初は、画像からもわかりますように行先表示器は幕式でありました。それにしても、０２ＭＣ独特のライト周りの姿が印象的ではないかとも思いますが、私自身も高速用では初めて見たのがこの車でもありましたので、正直「なんだこれは？」と思っていた事を覚えております。
また、夜行用でもありますので仮眠室も床下に設置されておりました。この車の場合、仮眠室のドアは引戸であった事がわかりますが、これに小窓を合わせましても夜行用の車と言う印象が出ていたのがわかるのではないでしょうか。
平成２４年頃には、この車もＬＥＤ改造が施されておりまして、幕式時代とは違ったような姿が見られるようになりました。尚、この撮影時はまだ「ぶんご号」メインでありましたので、「ぶんご」の表記が出ていたのがわかりますし、「２号車」の表示からもわかりますように、多客期（平成２５年１月撮影）には「ぶんご号」も続行便が出ていた事もお分かりいただけるのではないかとも思います。そう思いますと、やはり休止は残念でならなかったでしょうか。
ＬＥＤ表示となりました、前面行先表示であります。画像５の幕式時代と比べましても、見た目からも違っているのがわかります。私自身としましては、いつまでも幕式でも良かったようにも思う所でしたが、新しい流れを取り入れようと思いますと仕方なかったのかなとも思う所ではあります。
その後は、「ぶんご号」以外にも「ＳＯＲＩＮ号」にも入るようになりまして、関西圏内にもこの車の姿を見る事ができるようになりました。しかし、本来の運行路線でありました「ぶんご号」が平成２８年に休止となりまして、それによりまして余剰となりましたが、それでもこの年の車検を通した事もありまして、福岡線「とよのくに号」や「パシフィックライナー」などでも活躍する姿が見られてもいました。
けれども、平成２９年に入りまして車検切れとなった事もありまして、この車は運用を離脱・廃車となってしまいまして、残念ながら１５年で姿を消してしまいました。画像は、平成２８年「ぶんご号」休止前に大分営業所を訪問した際の画像でありましたが、このように３台夜行用が並ぶ姿も今となれば過去のものとなってしまったのは残念でならない所でもあります。
今回は、大分交通に唯一存在しました西工０２ＭＣＳＤ－Ｉ架装車であります大分２００か・１０６を中心にご紹介しましたが、先述のようにこの車に関しましては、西工０２ＭＣのフロントのキリっとした独特のスタイルが、この車が私自身初めて見たものでもありましたので特に気に入っていた車でした。そんな０２ＭＣ自体ももう冒頭の西鉄バスの車など、離脱・廃車の流れが見られているのが現状でもありますので、まさに時の流れを感じさせる所でもあります。今後もさらにこの０２ＭＣ架装車の台数が減って行く事になるのは間違いないようですが、これからもこの車に関しましては記憶にとどめておきたいと思っております。
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