番外 これらはかつて存在していました、ひっそり消えて行った、福岡発着で運行の中距離高速バス2路線 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 全国の高速路線バスは、運行開始時には事前に告知をしまして、そして運行開始に至っている訳ではありますが、ふたを開けてみますと好調な路線あれば、全く利用者がいない、いわゆる利用者低迷な路線もあるのが現況であります。
 
 実際に、アクセス面など環境的にもいい所がありますと、非常に好評な形で右肩上がりで推移すると言った所も伺える所もありますが、逆に利用者がおらず低迷を続ける事になりますと、最終的には運行終了・廃止・休止に至る事にもなりまして、正直いいとは言えない形で終わるといった結果となる路線も存在している(していた)所もあります。
 
 それでも、一度運行終了、もしくは減便していた路線が経営の努力などもありまして低迷を続けていた路線も好調に推移していた路線もありまして、正直こう言った所に関しましては喜ばしい所ではないかとも思う所ではあります。
 
 実際に、上の画像にもあります、昭和自動車(昭和バス)の唐津~福岡線「からつ号」は、運行開始当初で12往復で運行されておりましたが、その後利用者低迷もありまして8往復に減便されておりましたが、西九州自動車道(福岡前原道路)と福岡都市高速道路との直結によりまして利用者が大幅に増えまして、現在は下り31本・上り30本(土休日29往復)で運行されております。
 
 その一方、以下画像にあります西鉄バス北九州運行の北九州~別府・大分線「ゆのくに号」は、経営努力を行って来ましたが、本数は4往復に減便、それでも減便後運賃の値下げを行いまして利用者を増やしてもいましたが「新型コロナウイルス」によりまして運休を余儀なくされていた事もありまして、結局運行休止→廃止へと追い込まれております。しかも、路線自体は運休となっていた中での休止となっておりまして、「トンネルの中で立ち止まる」と言った流れになってしまったのはより残念ではなかったでしょうか。
 
 (7612・日野LKG-RU1ESBA)
 
 
 さて、今回ご紹介しますのは、福岡発着の中距離高速路線バスに関しまして、最初から利用者低迷で始まり、最終的に運行終了してしまいました路線もありました。今回はそういった形となってしまいました2路線に関しましてご紹介させていただきます。
 

 まずご紹介しますのは、福岡~山鹿~菊池間に運行されておりました高速バスであります。
 
 このバスの運行区間は・・・
{
 福岡(博多駅・天神)~福岡都市高速~九州道(大宰府インター~南関インター)~山鹿温泉~菊池プラザ

のルートで運行されておりました。
 
 運行本数は、3往復で運行されておりまして、西鉄バス・九州産交バス、そしてこの路線の運行開始に伴い久々に高速バスの運行に関わっておりました熊本電気鉄道(熊本電鉄)の3社で運行されておりました。
 
 (熊本電鉄、熊本200か・533、三菱U-MS826P)
 
 (西鉄バス、3708・三菱KL-MS86MP)

 この3社で注目されますのはやはり熊本電鉄でありまして、車両は九州急行バスからの移籍車を使用しまして運行されておりました。もちろん、九州急行バス時代からの印象からもわかるように、3列シート・中トイレ付の車となっておりました。

 この路線は、元々は、福岡~山鹿間に限りましては、西鉄バスが高速バス「やまが号」として、昭和63年から4往復で運行を始めまして、後に、福岡空港経由で運行されてもいましたが、平成3年に2往復に減少しまして、そして、平成5年に廃止されてしまっておりました。けれども、廃止後も季節的に臨時運行を行っておりましたが、その臨時運行も廃止されておりました。
 

 この高速バスは、平成19年4月から9月末まで試験運行されておりまして、土日運行(ゴールデンウイークや、夏休みなどは毎日運行)となっていたのが特徴でありまして、毎日運行ではありませんでした。そう言った事から、利用者は運行当初からあまりおらず、私が見た限りでは閑散としていた時が多かったのが気になっておりましたが、結局定期化されずに運行終了となってしまったのは残念な話でもありました。
 
 
 その後、この路線に使用されておりました熊本電鉄の車両は運行終了後に廃車となりました。また、現在福岡~菊池方面へは直行バスはなく、交通機関で移動となりますと、高速路線バス「ひのくに号」で西合志バス停へ、それから歩きまして、熊本電鉄三ツ石駅より以下画像の御代志行の電車を利用、そして御代志駅より菊池温泉行きのバスに乗り換えるパターンが交通機関利用によります往復での最安(ひのくに号高速バス・電鉄電車乗り継ぎ乗車券利用4700円+御代志駅~菊池温泉間往復運賃1080円=計5780円)・最速での利用となっております(但し福岡側では販売されず、熊本側のみの販売です)。
 
 
 次にご紹介しますのは、福岡~玖珠間に運行されておりました「はねやま号」に関しましてご紹介させていただきます。
 
 この「はねやま号」の運行区間は・・・

 福岡(天神)~福岡都市高速~九州道(大宰府インター)~大分道(玖珠インター)~玖珠(豊後森~塚脇)

のルートでありました。

 この「はねやま号」の特徴は、以下の画像にありますように、「高速」なのに「快速」と言う行先表示を出していたのが特徴でありまして、当時玖珠町観光協会のホームページでも「高速快速便」と言う表示がなされていたのが特徴でありました。本当に、さすがに「高速」や「ノンストップ」などの表示は見た事はありますが、「快速」は初めてでしたので驚きでもありました。
 

 運行会社は、大分交通グループの玖珠観光バスが運行しておりました。この路線に使用されておりました3台は、元々が福岡~大分線「とよのくに号」で運行されていた車でありまして、当時大分交通も日田バスとともに運行されておりました「とよのくに号」の各停便を、大分交通が運行していた分を日田バスに移管してまで「はねやま号」として運行されておりましたので、大分交通グループの意気込みが感じさせられていました。
 
 (大分22か20-21、三菱KC-MS829M)
 

 しかし、この「はねやま号」も、平成20年9月から平成21年8月末までの約1年間試験運行の形で運行されておりましたが、やはり利用者もそんなに多くなく、私が見た限りでは10名以上乗車される機会を見た事があまりありませんでした。そう言った所から、正直そんなに長くはないなと思っていたのですが、案の定の姿でありましたのが非常に残念な所でありました。
 
 
 運行終了後は、玖珠観光バスで「はねやま号」に使用されました車に関しまして、その後それぞれが歩んでおりまして、廃車になりました車・以下画像のように「佐臼ライナー」に転用されました車(大分200か20-20、三菱KC-MS829M)あれば、海外(ミャンマー)に渡った車もあるなど様々な道を歩んでしまっております。
 
 
 また、福岡~玖珠間に関しましても、平成28年に高速路線バスであります別府・大分線「とよのくに号」各停便が休止されましたが、それでも湯布院線「ゆふいん号」におきまして以下画像の玖珠インターバス停にも停車を行っております。
 
 (玖珠インターバス停)
 
 (亀の井バス「ゆふいん号」、大分200か10-20、三菱2TG-MS06GP)
 

 そもそも、両路線ともなぜそう言う所に運行するのだろうか?と言う疑問から始まります。事業者は、収入を得る事を予想しまして路線を新設していた訳でしょうから、それならば調子がいいのではと言うのが本心ではあります。
 
 しかし、実際裏を返してみますと、乗車人員も数名程度と定員30~40人台の高速バス車両にとってはまさに「空気路線」であった事には間違いなかったようです。また、福岡~玖珠線については、福岡~玖珠インター間で当時「とよのくに号」(各停便)・「ゆふいん号」も並行していた訳ですから、そんな中でわざわざ新設しなくてもよかったのではないかとも開設前から思っておりましたが、案の定利用者がいらっしゃらなかった訳でしたので、正直長続きしないのでは?と思っていたほどでした。
 
 
 今回は、早くに運行終了になりました福岡発着の高速バス2路線に関しましてご紹介しましたが、正直これら路線に関しましては需要を考えていたのか?と言う疑問があった事は事実です。それでも、新設する事に関しましては地元にとっては観光への起爆剤としてよかった一方、逆に利用者が得られないとなりますと最悪は・・・という事になりかねないでしょうし、特に、現在は乗務員不足とも言われている世の中ですので、よりそう言った面に関しましては慎重にならないといけないのではないでしょうか。とにかく、この2路線に関しましては今となれば過去のものではある訳ですが、この存在を存じていただければとは思います。