番外 路線自体現在廃止です、フェリーを利用した高速路線バス、大分・別府〜広島線「別府ゆけむり号」 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 現在、海路を使用しまして運行されております路線バスと言いますと、鹿児島交通が運行しております「大隅半島直行バス」国内で唯一の存在となっておりまして、鹿児島〜鹿屋間を運行しております。


 この「大隅半島直行バス」とは、鹿児島~鹿屋間が公共交通機関利用の場合乗換えが必要でありまして、交通の便もさほどよくなかった訳ですが、九州新幹線の全線開通を見据えまして、鹿屋市や大隅半島の活性化のために、この直行バスが運行されておりまして、鴨池港~垂水港間では同じく鹿児島交通が運営します鴨池垂水フェリーを利用するようにもなっております。

 

 このバスの所要時間は、フェリー運行時間も含みますと、鹿児島中央駅~鹿屋間は約2時間かかりまして、運行本数は6往復となっておりますし、使用車両も日野セレガショート(画像1・2、鹿児島200か10-02、BDG-RU8JHAA)によりまして運行されてもいます。

 

 

 ちなみに、海路を使います定期観光バスとしては、代表格が九州産交バスが運行しておりました、熊本~雲仙~長崎間で「雲仙・長崎オーシャン観光バス」、その前身で現在は熊本~阿蘇~黒川温泉・別府間で運行されております「九州横断バス」も同区間で存在しておりまして、熊本港~島原港間は熊本フェリー「オーシャンアロー」が使用されておりましたが、平成29年より休止しております。

 

 (「雲仙・長崎オーシャン観光バス」、熊本200か10-73、KC-LV781R1)


 

 
 さて、フェリーを利用します路線バスもこのように存在しておりますが、かつて平成29年まで大分・別府~徳山・広島線「別府ゆけむり号」と呼ばれます高速路線バスも存在しておりました。今回はその「別府ゆけむり号」に関しまして、過去の画像を引用しまして皆様にご紹介してまいります。
 
 
 大分・別府から広島と言われますと、まず「どこ通っていたの?」と疑問なされた方もいらっしゃったのではないかと思いますが、運行区間は大分を発ちまして、別府を経由しまして、途中の国東半島北側の大分県国東市竹田津港から、山口県の徳山港までをフェリー(スオーナダフェリー)に乗って行く事になりまして、そして徳山からは山陽自動車道を経由しましてから広島へと運行されておりまして、まさに意外な路線ではなかったかと思います(復路は逆方向です)。
 
 
 所要時間は、フェリー接続の関係もありまして、広島~別府間が約5時間40分、広島~大分間が約6時間ほどかかっておりまして、うち約2時間ほどがフェリー乗船時間となっておりました。
 

 運行会社は、広交観光の他、大分交通も運行しておりまして、運行当初は別府発着にて運行されておりまして、当初は2往復の運行となっておりましたが、当初の使用車両は、広交観光は後述の正規の高速車(他路線からの転用車)を使用しておりましたが、大分交通の場合は、以下画像のように貸切からの改造車(大分22か19-17、三菱U-MS826P、西日本車体(西工)92MCC-Iボディ)を使用されておりました。
 
 このタイプの場合は、行先も窓上の方に付け加えただけのタイプもありますし、さらには以下画像のように行先も使用せずに使用されている車もありまして、当時の「APU線」みたいに、最小限の改造にとどまっていたのが当初の「別府ゆけむり号」専用車の特徴でもありました。
 
 (大分22か18-12、三菱U-MS726S)
 

 そして平成21年、「別府ゆけむり号」に以下のような動きがありまして、以下のように変更されておりました。

 これまで別府発着であったのを大分発着に延長。
 新たに停車地を追加
(停車地は以下の通り)
 便数を1日2便から1日1便に減便
(これにより運用は1日片道運用になる)。
 
となっておりました。
 
 
 停車地も、先述のように新たに停車地(*の部分)を新設しておりました。それらを含みました停車地は次の通りでありました。  
 
 大分市内(*大分新川→*荷揚町→*トキハ・フォーラス前 *竹町←荷揚町←大分新川)~別府北浜~*別府交通センター~*日出~*宇佐駅入口~*新町(豊後高田)~竹田津港~(スオーナダフェリー)~*徳山港~徳山駅~(徳山インター)~*玖珂インター~(広島インター)~*中筋駅~*新白島駅(平成27年~)~広島バスセンター
 
の順に変更されておりまして、大分市内~竹田津港間は一般道(国道10号線など)を経由しておりました。
 
 車両にも変化が生じておりまして、大分交通の場合がこれまでの上の画像にあります貸切改造車から、今回の改正で元「とよのくに号(各停便)」で使用されておりました、西工90MCS型4列シート車(大分200か・・47、三菱KL-MS86MP)が使用される事になりました(画像は運行前の姿)。
 
 この車は、大分営業所での撮影時は「ゆのくに塗装」が見えるようになっておりましたが、「別府ゆけむり号」時にはラッピングを施しておりまして、このラッピングも運行区間でもありました「昭和の町」で有名な豊後高田市に関しますラッピングが施してありました(画像は広島郊外バスさん(現・ブログ閉鎖)より提供いただいた画像を使用しております)。
 
 
 その後、廃止前の平成27年に新たな停車地としまして、広島地区において新白島駅に停車を行っておりまして、広島駅へは行かなくても山陽線・アストラムラインに接続する事で利便性を確保する姿は見られておりました。しかし、残念ながら平成29年1月に廃止されておりまして、フェリーを利用した珍しい形の高速路線バスは残念ながら姿を消しております。
 

 末期の使用車両に関しましては、大分交通は、廃止までは上の画像の西工S型が使用されてもいましたが、かつての専用車に関しましては、上の画像にもありましたように(画像5・6、大分22か19-17、画像7、大分22か18-12)、APU線や別府・湯布院「エアライナー」などに使用されておりましたが、その後いずれも廃車となっております。
 
 (大分22か19-17)
 
 (大分22か18-12)
 
 また、大分200か・・47に関しましても「別府ゆけむり号」廃止後の動向が注目されておりましたが、4列シートが功を奏しまして佐伯~大分空港線の「佐臼ライナー」を中心とした路線で元気な姿を見せておりましたが、20年になります令和2年に廃車となっております。
 

 一方、広交観光では他路線から転用されておりました画像の三菱エアロバス(広島200か・276、KL-MS86MP~平成25年撮影)が使用されておりましたが、その後廃車売却となりましたが、現在の購入先は熊本県の産交バスとなっておりまして、熊本~天草間の快速「あまくさ号」の専用車として現在も使用されております(現ナンバー、熊本200か13-18)。
 
 それからは、同じく他路線から転用されましたヒョンデ(ヒュンダイ)ユニバース(広島200か13-78、ADG-RD00)が使用されておりまして、画像の車、もしくは貸切の車両が使用する姿も見られておりました。しかし、画像の車に関しましては平成30年にその下の画像にもありますように廃車売却となっておりまして、車両から姿が見られなくなっております。
 
 (廃車後(右))
 
 
 今回は、現在は廃止となっております「別府ゆけむり号」ご紹介しましたが、やはり全国的にも珍しい、フェリーを利用しました珍しい形態の高速路線バスももう過去のものとなってしまっておりますが、やはり鉄道利用の方が効果的である事などもありまして利用者減などと言う事もあったそうですので正直残念ではなかったかと思います。残念ながら、私自身も大分発着となりましてからはあまり拝見しておりませんでしたので、もう少し詳しく見ておけばよかったと思う所でもありましただけに残念でなりませんでした。とにかく、ご覧の皆様も、この路線に関しまして存じておきたい方は存じていただければとも思います。