これまでもご紹介しておりますように、JR九州では上の画像にもありますように、クルーズトレインとして「ななつ星 in 九州」が存在しておりまして、九州各地を運行している事はご覧の皆様もご存知の事と思います。
この列車は、平成25年より運行を始めておりまして、毎週火曜日から金曜日にかけて運行されております「3泊4日コース」、毎週土曜日から日曜日にかけて運行されております「1泊2日コース」がありますが、この間には九州各地で災害がありまして運行区間変更を余儀なくされた時も多く見られておりまして、特に「熊本豪雨(令和2年7月豪雨)」では運行区間でありました肥薩線が大きな被害を受けた事もありまして、現在熊本~鹿児島方面がかつての鹿児島線でもありました肥薩おれんじ鉄道を経由しまして運行されているなど、運行当初としましたら変更が見られている部分があるのが現状でもあります。
それでも、運行開始から10年になりまして、「3泊4日コース」では時期によって霧島コース・雲仙コースと分かれておりますし、「1泊2日コース」では九州周遊コースと言うコースまで存在しますし、車両もリニューアルしている事から、より高級感も感じさせているようではあります。正直私自身には手が届かない列車ではありますが、そんな列車である事からも九州を代表する列車である事には変わりはありませんので、これからも九州内を駆け巡っていただきたい所ではあります。
一方、JR西日本でもクルーズトレインが存在しておりまして、画像にあります86系気動車「トワイライトエクスプレス瑞風」が平成29年より運行を始めておりまして「山陰コース」・「山陽コース」と言ったコースで「1泊2日」から「2泊3日」の各コースによりまして運行されております。
ただ、この「瑞風」も翌平成30年には「平成30年7月豪雨」によりまして山陽線の一部区間が寸断されていた事で運行区間変更を生じておりましたし、令和2年には「新型コロナウイルス」の影響で運休時期がありましたり、現在も令和5年6月末の豪雨の影響で山口県内の山陰線の一部が寸断されている事もありまして、「山陰コース」・「山陽・山陰コース」では山口線を経由して運行されております(現在は検査のため9月末まで運休中です)。
本当に、「ななつ星」と同様、自然災害や疫病には勝てない部分もある事が伺えております。けれども、こちらもJR西日本を代表する観光列車である事には変わりありませんので、これからも山陰・山陽を駆け抜けていただきたい所であります。
さて、そんな「トワイライトエクスプレス瑞風」の前には、かつて大阪~札幌間を運行されておりました寝台特急列車「トワイライトエクスプレス」に使用されていた車両を使用しまして、『「特別な」トワイライトエクスプレス』と呼ばれる列車が平成27年から翌平成28年3月まで運行されておりまして、このうち平成27年7月・9月には九州の大分駅まで入線しておりまして、実質最終運行となりました9月の運行日には私も収めておりました。今回と次回では、平成27年9月に撮影しておりました九州乗り入れの運行シーンを2回に分けまして皆様にご紹介してまいります。
その『「特別な」トワイライトエクスプレス』とは、後述の編成からもお分かりいただけるのではないかとも思いますが、これまで大阪駅~札幌駅間で運行されておりました、以下画像の臨時寝台特急「トワイライトエクスプレス」の編成を組み替えまして、客室を「スイート」・「ロイヤル」のみとした編成となっていたのが特徴でありまして、これによりまして定員は40名とこれまでの乗車定員と大きく減らしておりました。
(本来の「トワイライトエクスプレス」)~平成26年撮影
この『「特別な」トワイライトエクスプレス』の運行コースは、この後の「トワイライトエクスプレス瑞風」に継承される事にもなります、もっぱら山陽線を運行します「山陽コース」、その後運行を開始しました、山陽線の他伯備線・山陰線を経由します「山陰コース」も運行されておりまして、山陽コースに関しましては北陸線・湖西線も経由して運行されてもいまして、これら列車は旅行会社の商品として扱われておりまして、旅行会社で募集しましてツアーとして利用される方しか乗車する事ができませんでした。
こちらは、『「特別な」トワイライトエクスプレス』として組成されていた編成でありまして、平成27年下関駅発時に収めたものであります。先述のように、客室を「スイート」・「ロイヤル」のみとした編成に組成しなおしておりまして、利用客向けに関しましては個室において車中泊する形となっておりました。尚、7号車のオハネフ25 503は職員専用となっておりまして、ツアー客も利用する事はできないようになっておりました。
(1号車 スロネフ25 503)~スイート・ロイヤル
(2号車 スロネ25 501)~スイート・ロイヤル
(3号車 スロネ25 502)~スイート・ロイヤル
(4号車 スロネ25 503)~スイート・ロイヤル
(5号車 オハ25 553)~ロビーカー
(6号車 スシ24 2)~レストランカー「ダイナープレヤデス」
(7号車 オハネフ25 503)~職員専用
(電源車 カニ24 14)
このうち、この編成の中で最も古いのは、レストランカー「ダイナープレヤデス」にありますスシ24 2でありまして、元は昭和47年製の489系電車の食堂車でありましたサシ489-4でありました。天井には、キノコ型クーラーAU12型が設けられておりまして、この車両だけは天井が他の車両と違っていたのが特徴でありました。
こちらの画像は、7号車オハネフ25 503にあります行先表、その下の画像が京都行きの方向幕であります。この編成には、『「特別な」トワイライトエクスプレス』の運行に先立ちまして行先表の書き換えが行われておりまして、残念ながら6番にありました札幌行きの方向幕はなくなっておりましして、6番~8番の行先が新たに書き換えられておりました。また、この中で特筆すべき所がこれからご紹介します7番の大分行きでありまして、実際に平成27年7月・そして9月に行先が使用されておりまして、この設定でもう決定していた事が伺わせておりました。
(行先表)
(京都行き方向幕)
ここまで、『「特別な」トワイライトエクスプレス』の概要に関しましてご紹介しましたが、ここからは平成27年9月に運行されておりました大分駅発の復路を収めていた姿をご紹介してまいりますが、今回は小倉駅で撮影していた姿をご紹介してまいります。
『「特別な」トワイライトエクスプレス』の大分駅までの運行は、平成27年に行われておりました、「おんせん県おおいたデスティネーションキャンペーン」の一環として運行されておりまして、いずれも旅行会社の企画(7月(5~6日往路・7~8日復路)・日本旅行、9月(12~13日往路・14~15日復路)・JTB)によるものでありまして、料金はいずれも片道「トワイライトエクスプレス」利用で約24~34万円でありました。
この時私は、先述のように復路の平成27年9月14日に運行されておりました大分駅発の姿を収めておりましたが、定期運行時に団体臨時列車で運行されていた頃を含めましても、おそらく今回の九州入線が最後ではないかと思いながらこの撮影へと出向いておりました。と言いますのも、既にこの運行自体も平成28年3月をもって運行終了が決まっておりまして、そしてそれまでの運行予定を見ましても9月14日以降九州入線予定がなかった事から、最後と言う事を実感しまして臨んでおりました。
さてこちらの画像は、小倉駅の大分方であります。この時その下の画像にもあります813系電車が入ってくる所にこの後『「特別な」トワイライトエクスプレス』が入ってくる事にもなりますので、私自身も一度下関駅で見ていた・収めていたとはいえ正直緊張していたほどでもありました。
(日豊線小倉駅止まり813系電車入線)
一方、入線してまいります小倉駅3番ホームの発車標では「団体列車 13:01 下関」と表示されておりまして、いよいよ入線する事を伺わせておりました。それにしても、下関行きの表示でありますが、実際は大阪行きでありましたが・・・。
そして、黒い車体に金手すりのDE10 1209号機を先頭にしました『「特別な」トワイライトエクスプレス』編成が小倉駅にやってまいりました。JR九州では、現在電気機関車を所有しておりませんので、旅客車両の場合では関門間までDE10形ディーゼル機関車が重連で牽引する形となっております。ちなみに、JR貨物には交直流電気機関車は所有しておりますが、やはり旅客会社内での運行でもありますので、このDE10形ディーゼル機関車が大分~下関間を牽引するのもわからなくはないでしょうか。
先頭のDE10 1209号機は、小倉駅3番ホームに近づきますとエンジンをうならしながら入ってまいりました。さらにこのDE10形ディーゼル機関車の牽引は先述のように重連(次位・1756号機)でもありますので、より堂々とした姿を伺わせているようでもありました。
(小倉駅3番ホーム入線)
画像は、1号車のスイート・ロイヤル車のスロネフ25 503他の編成であります。この撮影時には、ちょうど撮影しました2番ホームに415系電車が停車していたため4号車以降が見られないのはご了承いただきたいですが、それでも九州の小倉駅でこのように見られていたのもやはり違和感ある所ではなかったでしょうか。何と言いましても、この撮影時の時点で九州「ブルートレイン」廃止から6年も経過していた訳でもありましたので、よりそう思う所でもありましたでしょうか。
後追いとなっておりますが、DE10形ディーゼル機関車の重連(1756号機+1209号機)での姿であります。DE10形ディーゼル機関車の重連と言いますと、冒頭の「ななつ星 in 九州」でもDF200形(-7000)ディーゼル機関車の代走で過去に見られておりましたが、それでも普段からは見る事ができませんので、まさに貴重な姿であると言えていたのではないでしょうか。こうして見ましても、牽引する機関車から堂々としている事も見ていてわかるような気がしてならない所でもあります。
今回は、平成27年に運行されておりました『「特別な」トワイライトエクスプレス』の概要・小倉駅入線編としてご紹介しましたが、九州では新製車の「ななつ星 in 九州」と言う豪華寝台列車が存在する一方、こちらは国鉄時代からの客車を改造しました寝台列車でしたので、より味が出ていたでしょうか。それにしても、運行されましてから9年になりますので、それほど本来の「トワイライトエクスプレス」が運行されなくなってそれだけ経過している事も伺える所です。次回後編は場所を移しまして本州へのトンネル(「関門トンネル」)があります門司駅で撮影していました模様をご紹介しますので次回もご覧いただきたいと思います。