NO、3040 西鉄バス、西工S型架装車日産Dスペースアロー、2019年奇跡の復活時での乗車記録 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 今から5年前の2019年(平成31年・令和元年)まで、西鉄バスでは「火の鳥塗装」西日本車体(西工)S型架装車が最後の活躍する姿が見られておりまして、各地の路線で運行する姿が実際に見られておりました。

 

 営業用(特別支援学校転用車を除きます)として最後に残されておりましたのは、三菱エアロバスシャーシの3713・3909(いずれもKL-MS86MP)の2台、そして今回ご紹介します日産ディーゼルスペースアローシャーシの9359(KL-RA552RBN)の計3台でありましたが、ちょうど車両不足の時もありましたので、より活躍する時が見られておりました。

 

 実際に、3713・3909は、平成31年初頭に一度運用を離脱したものの、4月に運行を開始しておりました、福岡~阿蘇線「ASOエクスプレス(現・廃止)の運行開始に伴う車両不足によりまして奇跡の起用に至っておりまして、運用復帰へと至っておりましたし、9359も同様に運用を離脱していたものの、これからご紹介します路線に運行されるに至っておりました。

 

 尚、3713・3909はこの年の秋までに運用を離脱・廃車となっておりまして、特に3713は西鉄バスの営業用としては最後に残されていた車でありましたし、他の車がコンセントが装備されていた中で、唯一コンセントが装備されていない車でもありました。

 

 

 さて、今回ご紹介しますのは、その3台のうち1台でもありました9359の、西鉄バスとして最後の活躍がされておりました、博多バスターミナル~鳥栖プレミアムアウトレット間の臨時高速路線バスとしての姿・そして乗車もしておりましたので、皆様にご紹介してまいります。

 

 

 この9359は、平成17年の導入当初は「ひのくに号」で使用されておりましたが、その後は「させぼ号」や画像の「とよのくに号」で活躍しておりました。しかし、平成30年に定期運用を離脱しまして、須崎ふ頭にあります旧福岡高速営業所の車庫内で疎開留置しておりましたが、翌平成31年に上の画像2の3909に代わりまして、博多バスターミナル~鳥栖プレミアムアウトレット間の臨時高速路線バスの車両として白羽の矢が立つに至っておりました。

 

 

 ここからは、画像の「鳥栖プレミアムアウトレット」からの乗車模様をご紹介します。この当時にも、中国や韓国など外国人観光客の姿が見られておりまして、観光のついでにここまで買い物に来られていた方の姿が見られておりました。

 

 

 さて、今回乗車となりましたが、福岡(天神・博多バスターミナル)~鳥栖プレミアムアウトレット間の路線は予約制となっておりまして、乗車する際には乗車券が必要であります。この時は私は予約しておりましたので、画像のようにクレジットカード決済によりますWEB乗車券と言う形で利用させていただいておりました。尚、当時の運賃は片道利用の場合は750円でありましたが(現在は770円)往復利用となりますと片道500円で利用する事が可能でもありました(現在は700円)

 

 

 ここからは乗車までの模様をご紹介してまいります。9359は、前の便で博多バスターミナルへ運行した後に鳥栖プレミアムアウトレットへ回送されまして、上の画像のようにバス駐車場にて休憩しておりました。そして、発車時刻前になりますと客扱いを行うためにバス乗場へと向かっておりました。

 

 (バス乗場へと入ります)

 

 バス乗場へと入りますと、ここで客扱いを行います。今回の乗車は、20名近い乗車となっておりまして、このうち半分近くがインバウンド客の方もいらっしゃっておりまして、それほどインバウンド客の来場者もあるこの「鳥栖プレミアムアウトレット」でもありましたでしょうか。

 

 

 この車の行先表であります。この行先表は、現在は車庫で長らく休んでいる姿が見られております、ヒョンデ(ヒュンダイ)ユニバースであります6501・6502と共通の行先でありまして、行先表の中には「ゆふいん号」「ふくふく天神号」、そして鳥栖プレミアムアウトレット線の行先しか入っておらず、運行実績があります「ひのくに号」や「とよのくに号」などの行先は入っておりませんでした。

 

 (「臨時」幕)~前面

 

 (同、側面)~紙サボで対応しています

 

 また、この福岡~鳥栖プレミアムアウトレット間の臨時高速路線バスとなりますと「天神」は「ふくふく天神号」の行先を使用していいのではないかと思いますが、「博多駅」の行先はありませんので、この場合「臨時」の行先となるのもわからなくはなかったのではないかと思います。

 

 

 この車には、「とよのくに号」時代に乗車歴はあったようでしたが、今回数年ぶりに乗車しました。座席は4列シート車で、使用可能でもありますトイレ付でもでありますが、座ってみますとふかふかしておりまして、まさに高速路線バスのシートにふさわしいようなシートのようにも思いました。もちろん、純正のシートの方もいいのですが、車種によりましては固いシートもあるだけに、やはりこちらの方が上を行っているような印象でもありましたでしょうか。

 

 (シート)~一部のシートカバーは「N」から、貸切のものを流用したものもあるようです

 

 尚、この時各座席に設置されておりましたコンセントはこの車は撤去されておりまして、撤去された部分はガムテープで隠されておりました。やはり、運用を離脱していた訳でもありましたので、撤去されるのはわからなくはない所ではありました。

 

 ちなみに、運賃表も設けられておりますが、運賃表はレシップ製のLCD運賃表となっておりました。また、運賃表の上部にありました時計は撤去されておりまして、こう言う所はコンセントと同様運用を離脱していた事を伺えるような姿でもなかったかとも思います。

 

 

 さて、車は鳥栖インターまでは一般道を経由しまして、そして鳥栖インターからは九州自動車道をも経由して行きまして、画像の高速基山バス停・基山パーキングエリアを通過して行きます。この車も、九州自動車道に入りますとRA552ならではの音でいい走りっぷりを見せておりまして、かつこのタイプにもう乗れないのでは?とも思ってもいただけに、いい走りっぷりを体験できてよかったとも思う所ではあります。

 

 (高速基山バス停)

 

 (基山パーキングエリア)

 

 ちなみに、鳥栖インターから高速道路を乗っていくと言いますと、かつて運行されておりました福岡(天神)~鳥栖線を思い出す所ではありますが、福岡(天神)~鳥栖線は対照的に利用者もおらず早くに廃止となった経緯もあるだけに、この鳥栖プレミアムアウトレット間の高速路線バスは逆にマイカー以外ではバスでしか行く事ができない分、利用者は多くいらっしゃいますので、この存在は大きいと言えるのではないでしょうか。尚、現在も天神系統は平日1往復・土日祝日2往復が運行されております。

 

 

 そして、鳥栖インターから約15分で画像の太宰府インターへとやってまいりまして、これから先はその下の画像にありますように福岡都市高速道路を通って行きます。

 

 (太宰府インター)

 

 (福岡都市高速上)~大野城付近

 

 

 こうして、40数分ほどで博多バスターミナルへとやってまいりました。当時の運賃は、先述のように鳥栖プレミアムアウトレット~博多バスターミナル間は(片道)750円(現在は天神系統で770円)でありましたので、「750」と表示されていた事がわかります。

 

 (博多バスターミナルで下車)

 

 

 その後、期間限定での運行でありました博多バスターミナル系統は運行終了となりましたが、9359は今度は亀の井バスにリースされる事になります(大分200か・968)。この背景はこの年「ラグビーワールドカップ」開催に伴いまして高速車両を選手専用車として使用する事になった事から車両不足となりまして、その補填でこの車もリースに至っておりました。運行終了後は、再び西鉄バスに戻りまして研修センターで教習用として残りまして(福岡200か43-00)、この車が西鉄バスとしては営業用(特別支援学校転用車を除きます)として最後に残った車でもありましたが、廃車に至っております。

 

 

 今回は、西鉄バスで最後まで残りました西工S型架装の日産ディーゼル車の乗車記録をご紹介しましたが、やはりこのS型架装車も中短距離の高速路線バスの代表格でもありましたので、2019年の一度離脱した後の復活劇には驚かれた方もいらっしゃったのではないかと思います。それほど離脱にはなりながらも白羽の矢が立っていたのもこれまでの実績があったこそでもあるでしょうから、尚の事使用し甲斐もあったようです。残念ながら、西鉄バス及び西鉄グループでは全廃になっておりますこのタイプではありますが、これからも記憶には残しておきたい分野である事には間違いないでしょうか。