番外 新生西九州自動車道路線を支えた車達です、昭和バス元イースタン観光富士重HD-I架装車全3台 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 昭和自動車(昭和バス)の福岡発着の高速路線バスであります、唐津線「からつ号(画像1)・伊万里線いまり号・糸島(前原・志摩)線いと・しま号、そして新規路線であります二見ヶ浦線「ウエストコーストライナー(画像2)は、いずれも西九州自動車道(福岡前原道路)・福岡都市高速道路を経由しまして運行されている高速路線バスである事はこれまでもご紹介しましたのでご存知のことと思います。
 
 これまでもご紹介しておりますように、昭和バスの西九州自動車道経由の路線は、平成13年に福岡前原道路と福岡都市高速道路とが直結しましてから利用者が大幅に伸びておりまして、これまでJR筑肥線~福岡市営地下鉄との鉄道利用で普通列車の所要時間が約1時間20分(唐津~(地下鉄)博多間)前後かかっていたのをバス利用で約1時間ほどで結ぶ事ができるようになっております。
 
 したがって、伊万里・唐津~福岡(天神・博多駅)間では鉄道利用よりもバス利用の方が速い場合もあるという逆転現象も起きておりまして、それほど通しであるならばバス利用の方が有利となっている事も現状でもあります但し、途中区間利用の場合ではJRが有利な場合もあります
 
 
 それら西九州自動車道路線を直結時より支えてまいりました車は、既に徐々に廃車などと言った姿を見せておりまして、直結時より存在しておりました以下画像の日野セレガ(福岡200か・692、U-RU2FTAB)は既に廃車になっておりますし、富士重工7E架装の日産ディーゼルUA(福岡200か・694、KL-UA452TAN)も、任を解かれた後スクール用に転用されておりましたが廃車となっておりまして、その結果直結時より運行されておりました車は全て姿を消しております
 
 (福岡200か・694)~スクール用→廃車
 
 (福岡200か・692)~既に廃車
イメージ 2
 
 
 そして、こちらも全廃となっておりますが、東京にありましたイースタン観光からの移籍車でありました富士重工HD-I架装の車が3台存在しておりましたが、最後まで残っておりました車も平成27年に全廃となっております。
 
 その結果、昭和時代末期より在籍しておりました、自社発注車の富士重工HD-I架装車も全廃となっておりますが、今回は、その富士重工HD-I架装車でもありました元イースタン観光からの3台に関しまして皆様にご紹介してまいります。
 
 
 これら車は、いずれも平成5年式と、昭和バスのHD-I架装車の中では最も新しいタイプでありました。先述のように、自社発注車の場合には、昭和61年より導入されておりましたが、この中には平成に入りまして3列シート・トイレ付きの高速車も導入されておりましたし(その後一部を除きトイレ撤去の上4列シート化)、貸切車も存在しておりまして、自社発注車も三菱ふそう・日野・いすゞ・日産ディーゼルと国内4メーカーの車もあったほどでした。
 
 
 イースタン観光からの移籍車でありますHD-I架装車は、日野セレガのシャーシをはいておりまして、形式はいずれもU-RU2FTBBを名乗っておりました。これら車も平成13年の移籍当初は貸切車として導入されておりまして、佐賀県内の営業所(唐津・佐賀・伊万里)に各1台ずつ所属しておりまして、12列のシート配置となっておりました。
 
 
 しかし、当初はピンク色の塗装をまとっていたこれら車も、この年新生「からつ号」として使用される事になりまして、路線化改造・高速塗装に塗装変更を行うに至っておりました。
 
 
 イースタン観光からの移籍車でありました3台が以下の3台であります。このうち2台が後に旧前原営業所(のちに志摩営業所に改称も、令和元年に廃止されまして、現在運行は伊都営業所)に転属されまして、「いと・しま号」をメインに「からつ号」・「いまり号」にも引き続き使用されておりました。
 
 (佐賀200か・115) 
 
 (福岡200か10-72(←佐賀200か・104))
 
 (福岡200か10-73(←佐賀200か・114))
 
 
 これら車の特徴をご紹介します。何と言いましても、イースタン観光からの移籍車である事がわかります、昔の路線車を思いますような上下各2枚窓の折戸が目を引くのではないかと思います。しかし、そんなイースタン観光も今は倒産しましてありませんので、今思いますと名残が残されていたのがよかったのではないかとも思う所でしょうか。
 
 
 また、これは路線改造してからでありますが、画像のように方向幕巻き取り機が設けられましたために新たな「」がフロントに設けられておりました。この「鼻」こそ、路線改造の証でもあっただけに、当時の改造ぶりが偲ばれる所でもあります。
 
 
 以来、3台が昭和バスの西九州自動車道経由の全路線に入って運行されておりましたが、平成24年にこのうちの唐津営業所に所属しておりました佐賀200か・115が廃車になりまして、ついにこのタイプにも廃車が発生する事にもなりました。
 
 そして、平成27年に入りましてからは新車導入に伴いまして福岡200か10-72が運用を離脱、
 
 
 さらに福岡200か10-73も運用を離脱しまして、その結果イースタン観光からの移籍車は全廃になる上に、加えまして富士重工HD-I架装車も全廃となりまして、30年近くにわたって在籍してまいりました昭和バスHD-I架装車は姿を消す事にもなりました。
 
 (和多田整備工場にて、敷地外からの撮影です)
 
 10-73の運用離脱3か月前の「からつ号」運行時の姿です。先述のように旧前原営業所所属でも「からつ号」運用は存在していましたので、このように唐津へと足を運ぶ事もありました。やはり、元々が「からつ号」専用車でもありましたので、旧前原所属であっても行きやすかったのではないでしょうか。
 
 
 今回は、昭和バスに存在しましたイースタン観光バスからの移籍車をご紹介しましたが、昭和バスも、かつては特異車が多く存在していた事業者でもありましたが、このイースタン観光からの移籍車もそんな特異車の一つではなかったのでは?と思う所であります。やはり、ドアの部分をはじめとしたイースタン観光時代の名残を残しつつ、路線化改造を施されまして活躍していた訳ですので、この存在自体もわからなくもなかった所でもありますし、加えまして経年による廃車であった事を思いますと正直仕方がない所ではないかとは思いますが、とにかくこう言った車もかつては存在していた事を存じていただければと思っております。