番外 かつて福岡~佐伯線向けに大分バスに貸出履歴ありの車、西鉄バス西工92MCSD-I架装車2台 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 西鉄グループの「火の鳥塗装」でもあります、西日本車体(西工)SD-I架装車と言いますと、平成29年夏までは旧西鉄高速バス所有車が福岡~鹿児島線「桜島号」用に02MC架装車が稼働しているなど元気な姿が見られていたものでありましたが、この年の夏までに新たに導入されました4列シート新車の導入によりまして、定期運用からは全車離脱・廃車となっております。
 
 それによりまして、教習車に転用された車も見られておりまして、上の画像の02MCSD-Iであります3912(三菱KL-MS86MP)が転用されておりまして、福岡県大野城市の研修センター(←教習所)におきまして、運転士教育の教材としても使用されておりました(画像2は平成30年敷地外より撮影)。
 
 現在は、先述のようにこれらは全廃となっておりまして、教習車以外はわずか14~15年ほどで姿を消しております。確かに考えてみましても、福岡~南九州間を連日往復していた事が伺えますが、やはり貴重となった車がなくなるのは寂しい所ではあります。
 

 さて、今回ご紹介しますのは、西工92MCSD-I架装車の中で、西鉄バスから大分バスに貸し出された車が2台ありました。このうち1台がその後西鉄バスに返却されまして全うした車でもありました、西鉄バス社番3274大分バス社番43274(三菱KC-MS829P)を中心に皆様にご紹介してまいります。
 
 
 「火の鳥塗装」の西工SD-Iに関しましては、92MCに関しましては最後まで教習所におきまして教習車として使用されておりました以下画像の3330(三菱KC-MS829P)が残されておりましたが、今回ご紹介します車に関しましてはバンパーの形が違う前期タイプのSD-Iであるのも特徴でありました。
 

 これら車は、平成9年に西鉄バス博多営業所に新製配置、この時の登録社番は3274・3275でありまして、以下画像にもありますように、福岡発着の南九州路線でもあります福岡~鹿児島線「桜島号」や、福岡~宮崎線「フェニックス号」で使用されておりました。
 
 (3274)~平成19年撮影
 
 この間には、所属先が福岡高速営業所に移動しますが、転属後も引き続き「桜島号」・「フェニックス号」に使用されておりまして、私自身も同型車両の利用履歴もありましたが、装備自体が偏心3列シート・中央トイレ付の装備であるとともに、高床である分眺めも良かったのではないかとも思う所であります。
 
 
 その後、平成21年に福岡~佐伯線の高速バスを運行する事になりまして、以下画像のように327443274327543275として大分バスにリースと言う形で移籍しまして、佐伯営業所に所属しながら福岡~佐伯線の専用車として使用されておりましたが、福岡~佐伯線も長くは続かず、平成22年の運行休止後も大分バスに残りまして、43274は引き続き佐伯営業所に所属しながら、佐伯~大分空港線「佐臼ライナー」の予備車として使用されておりました。

 上の画像・以下画像は、大分バス時代の43274(3274)です。西鉄グループの中距離高速塗装でもあります「火の鳥塗装」がグループ会社でもないこの大分バスでも見られていたのが印象的でもある姿であります。しかも、窓には西鉄時代の社番でもあります「3274」の姿が残っていたのがわかるのではないでしょうか。
 
 (西鉄社番3274が残されていました)
 
 
 その後、この43274は、西鉄バスに戻りましてからは社番も3274に戻りまして、新たに福岡ナンバー(福岡200か25-63)を取得しまして、教習所で高速バス教習車として使用されておりまして、しかも、最後まで残った92MCSD-Iでもあったのが特徴でもありました。しかし、残念ながらその後廃車となってしまいまして、結果92MCSD-Iの前期タイプは全廃となってしまいました。
 
 尚、大分バスの43275(西鉄社番3275)に関しましては、残念ながら大分バスで廃車となっておりまして、この車に関しましては里帰りする事はありませんでした。
 
 
 今回は、大分バスに貸し出し履歴がありました西鉄バス西工92MCSD-I架装車をご紹介しましたが、これらも、南九州路線用02MCC-I架装車の導入に伴い、多くの車が平成21年の時点でも置き換えが急に進みまして、多くが廃車となりましたが、中には日田バスに移籍した車もあったほどでした。そんな中での福岡~佐伯線の登板は、事業者が変わりましてからも居座る事ができていましたので、この存在は最も大きかったのではないでしょうか。しかし、そんな02MCC-I架装車の活躍の場も「桜島号」では全廃、「フェニックス号」なども減りつつありますので、そう思いますと高速車の変化も著しい事も否めない所ではあります。