番外 愛称と対照的な筑後方面発着夜行バスでした、荒尾・大牟田・久留米・北九州~名古屋線「玄海号」 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)


 
 現在、福岡県内~愛知県名古屋市へ結びます、西鉄バス・名鉄バスで運行されております高速路線バスと言いますと、上の画像にあります福岡・北九州~名古屋線「どんたく号(画像1、西鉄バス4875・三菱QRG-MS96VP画像1、名鉄バス3807・三菱2TG-MS06GP~最後の画像も)のみでありまして、福岡方面へ行かれる方・名古屋方面へ行かれる方それぞれが利用されております。
 
 けれども、過去には熊本県荒尾市から福岡県大牟田市・久留米市・北九州市を経由しまして、愛知県名古屋市まで運行されていた路線が存在しておりました。
 
 この路線の愛称名が「玄海号」とも呼ばれていた高速バスでありまして、西鉄バスと名鉄バスの前身であります名古屋鉄道(名鉄)との共同運行で運行されておりました。今回は、当時撮影しました画像はありませんが、それに関連します画像を使用しまして「玄海号」に関しまして皆様にご紹介してまいります。
 

 この路線は、「どんたく号」が当時名古屋~福岡間を北九州を経由しないで運行されていた事から、その北九州地区の集客、そして発着地でありました福岡県筑後地区からも集客を得る事を目的としまして誕生しましたのが「玄海号」でありまして、平成2年4月に運行を開始しておりました。

 そんな「玄海号」当時の停車地は・・・

 西鉄荒尾営業所~西鉄大牟田営業所~大牟田駅前~八女インター~西鉄久留米バスセンター~西鉄黒崎バスセンター~黒崎IC引野口~砂津~小倉駅前~高速門司港~名鉄バスセンター
 
と言う停車地でありましたが、正直荒尾・大牟田発着での「玄海号」ですので、それらに面している海(有明海)からも疑問が出る部分ではなかったかと思いますが、北九州も経由していた事を思えば納得な部分でもありましたでしょうか。
 

 この中では、現在はありません(ドラッグストアに変わっております)、画像の西鉄荒尾営業所が始終着地となっておりましたが、この荒尾営業所発着には「玄海号」以外にも同じく廃止されました夜行高速バスであります、大阪線「ちくご号」も存在しておりまして、名古屋・大阪と主要都市へこの地から運行されておりました。
 
 (平成19年撮影)
 

 また、令和3年3月末までこの区間唯一の高速路線バスであります荒尾・大牟田~福岡空港線が停車しておりました、画像の大牟田駅前バス停(国道側)もこの「玄海号」におきましては停車しておりました。画像は平成20年当時の画像でありましたが、この撮影時点でもその1路線しか既に存在しておりませんでしたので、かつて名古屋・大阪と表示されていた部分は消されていた事がお分かりいただけるのではないかと思います。尚、現在はその下の画像からもわかりますように、屋根も撤去されております。
 
 (令和2年撮影)
 
 (現在)~屋根は撤去されております
 

 さらに、現在は夜行高速路線バスが停車する事がありません、西鉄久留米駅に隣接します西鉄久留米バスセンター、黒崎駅に隣接します西鉄黒崎バスセンターにも停車しておりました。
 
 
 西鉄久留米バスセンターには、平成20年までには鹿児島(「桜島号」)・宮崎(「フェニックス号」)の各夜行便が停車しておりましたが、令和2年の廃止(←運休)前までは「桜島号」夜行便は久留米インターに停車しておりまして、久留米バスセンターには福岡空港への高速路線バスや「福岡ペイペイドーム」や「マリンメッセ福岡」などへの臨時高速路線バスのみ、
 
 一方の西鉄黒崎バスセンターも現在は北九州空港への路線の他、こちらも「みずほペイペイドーム福岡」や「マリンメッセ福岡」への臨時高速路線バスが発着するのみですので、互いに昼行メインである事が伺えるのではないかと思います。
 
 (西鉄黒崎バスセンターの現在の姿)~運行当時は現在の建物ではありませんでした。
 
 
 けれども、当時そう言った所に停車しておりました「玄海号」でありましたが、残念ながら利用者減(特に筑後地区の方)のために平成9年6月に廃止、その結果、「どんたく号」が北九州(~小倉駅~砂津~黒崎IC引野口~)経由に移りまして、現在に至っております。
 

 「玄海号」の使用車両でありますが、名鉄に関しましては純正U-MS729系の三菱エアロクィーン(いわゆる「パンダエアロ」)でありましたが、西鉄バスに関しましては西日本車体(西工)58MCSD-II架装の三菱エアロクィーンが当初使用されておりましたが、平成8年に92MCSD-II架装の三菱エアロクィーン新車を導入しまして利用者減に歯止めをかけようともしていたようですが、結局は廃止に至ってしまったのは残念な所でありました。
 
 その使用車両の1台が、画像の3146(先代、三菱KC-MS822P)でありまして、新製導入がその荒尾営業所(熊本22か30-82)でありまして、「GENKAI」の表示も前面・側面・後面に出しておりました。廃止後は福岡高速営業所に移りまして、こちらもその後平成11年に廃止されました福岡~金沢線「加賀号」や、福岡~東京線「はかた号」の続行などにも使用されておりましたが、その後一度博多営業所に移った後再び福岡高速営業所に移りまして、「桜島号」などで使用されておりましたが、残念ながら廃車に至っております。
 
 (画像は平成23年撮影)
 
 
 今回は福岡県筑後方面から運行されておりました夜行高速バス「玄海号」に関しましてご紹介しましたが、この「玄海号」も、多客期には続行まで出ていたほど盛況ではあったようです。しかし、閑散期は10名前後の利用者であったとも言いますので、それほど利用者が低迷していた事が伺えます。考えてみましても、この「玄海号」も、平成初頭に夜行高速バスブームにのって登場した路線でもありましたが、そのブームが去りますと結局は廃止に至ってしまったのは残念な所でしょうか。現在は、北九州方面へは「どんたく号」が継承して現在に至っておりますが、かつてこのような夜行高速バスが運行していた事も存じていただければとも思います。