番外 3月改正により2つの自動運転開始、対応乗務員採用の香椎線&実証実験の鹿児島線での運行時の姿 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 西戸崎~香椎~宇美間を形成します香椎線と言いますと、現在も非電化路線として存在しておりますが、そんな非電化路線を運行する「電車」として819系蓄電池電車が運行されている事はご覧の皆様もご存知ではないかと思います。

 

 819系蓄電池電車は、平成29年より「若松線(折尾~若松間)」・「福北ゆたか線(折尾~直方・博多間)で運行されておりまして、筑豊線の「若松線」と呼ばれる区間では非電化で短距離・勾配も少ない区間である事から特に重宝される区間である事から、気動車の運行から置き換えるに至る事もできております。

 

 そして、その「若松線」での導入から2年後の平成31年3月に、こちらも勾配が少なく、短距離の非電化区間であります香椎線でも導入に至っておりまして、この場合では電化区間鹿児島線の駅でもあります香椎駅を境にしている事から、ほとんどの列車で香椎~西戸崎間・香椎~宇美間で運行されるにも至っております。そのため、折り返し時には後述のようにパンタグラフを上げまして充電を行う姿が見られております。

 

 この819系蓄電池電車と言いますと、通称「DENCHA」と呼ばれておりまして、白地に青の模様で表示されております。また、「CT」のロゴ表示も青で表示されておりまして、こちらも車体の模様に合わせている事がお分かりいただけるのではないでしょうか。

 

 

 こちらが香椎駅で見られるシーンでありますが、香椎駅に到着しますと、数分ほど停車しますので、画像のようにパンタグラフを上げる事になります。

 

 (パンタグラフを上げます)

 

 パンタグラフが上がりますと、充電を行っておりますので、充電中は画像のように架線から電気を取り込んで充電を行っている事を記す表示がなされております。この香椎駅も先述のように鹿児島線の駅でもある事から、香椎線の途中駅では唯一架線がある駅でもありますので、停車時に行う姿は非電化区間へ向かう事を思えば必需な事には間違いないのではないかと思います。

 

 

 そんなこの路線では、令和2年暮れより自動運転の実証実験を香椎~西戸崎間で実施しておりまして、令和4年には自動運転区間を全線に拡大、そして今年3月改正からは自動運転乗務員による乗務が全173本中31本で行われておりまして(通称・「GOA2.5」、直方車両センター博多運用全12編成(300番台→5300番台11編成、100番台→5100番台1編成)が自動運転対応となっております。

 

 この自動運転化の狙いは、少子高齢化や人口減少が進む中で鉄道ネットワークを長期的に維持していく事を目的としておりまして、既に導入されておりますATS-DK形をベースとしまして、運転士以外の係員が前頭に乗務する自動運転の実現を行うためでありましたが、3月よりついにこの段階を達成するに至っております。

 

 819系蓄電池電車の自動列車運転装置が導入された運転席です。よく見ますと中央部にあります白い2つのボタンが見られておりますが、その下の画像のように、乗務員は白い2つのボタンを押しましてスタートさせまして、ここから次の停車駅へ自動運転を行うようにもなります。その際には、もちろん左側にありますマスコンは一切使用しない形で運行される事にもなります。

 

 (アップ)

 

 (スタートシーン)~ボタンを押しています

 

 

 さて、ここまで香椎線の自動運転に関しましてご紹介しましたが、それとともに鹿児島線でも実証実験の形で一部列車で自動運転が行われておりまして、今回その姿を収める事ができておりました。今回ここからはその模様に関しまして、皆様にご紹介してまいります。

 

 

 819系蓄電池電車によります自動運転によります実証実験は、香椎線に加えまして鹿児島線でも行われておりまして、折尾~博多~二日市間で行われておりまして、次の列車で実施されております。尚、全区間電化区間ですので、パンタグラフは上げた状態で運行されております。

 

 1727C 香椎8:13発→博多8:27着(快速)

 2134M 博多9:37発→折尾10:50着

 2141M 折尾10:58発→二日市12:33着

 2150M 二日市12:56発→折尾14:35着

 2159M 折尾14:57発→博多16:09着

 

 

 今回乗車しましたのは、香椎駅から博多駅間の10数分ほどでありましたが、香椎駅と言いますと、冒頭からご紹介しております、香椎線の自動運転の姿を宇美行き5763Cで収めておりました。ここでも、本来あるはずのマスコン音はなく、静かな形でスタートしておりまして、まさに自動運転としての姿が見られておりました。

 

 

 この後、折尾駅からの2159Mがやってきまして終点博多駅まで乗車しました。先頭を務めておりましたのはZG5106編成と、現時点唯一の100番台からの自動運転対応改造車でもあります。

 

 

 運転席のモニターと自動運転ボタンであります。先述のように、中央にありますボタンを押す事になります。したがって、マスコンは一切操作する事はありません。ちなみに、次の駅は「千早」と表示されているように、鹿児島線を運行している事がわかるのではないかと思います。

 

 ドアが閉まりまして、車掌からのブザー音の後、運転士が人差指・中指を同時に押しまして発車します。尚、鹿児島線では香椎線の一部列車のように自動運転対応乗務員による乗務ではなく、運転士が全5本乗務するようになっております。この後、千早・箱崎・吉塚各駅でもこのような姿が見られておりまして、自動運転を行っている事を伺わせておりました。

 

 

 こうして、16時09分に2159Mは博多駅に到着、わずか10数分間ではありましたが、自動運転を味わう事ができただけでも良かったのではないかと思っております。

 

 

 今回は、819系蓄電池電車によりまして、自動運転対応乗務員が乗務するようになりました香椎線、そして実証実験を行っております鹿児島線での姿をご紹介しましたが、正直もうここまで進んでいたのかと思う所ではあります。既にATOに関します自動運転はこの福岡市内でしたら福岡市交通局(福岡市地下鉄)もそれに該当しますが、ATS区間である事や踏切などがあるとなれば初めての事ではありますので、人手不足解消につながる分いいのではないでしょうか。とにかく、819系蓄電池電車による運行ですので、運行区間は限られる事にはなりますが、今後本格採用になりますとどうなるか気になる所ではあります。