番外 これらはこの後量産される事になる車達でした、西鉄バスの9490台において存在した「1号車」 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

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 通常、バスで「1号車」と言いますと、高速路線バスや貸切バスで特に称するがありまして、それより先に「2号車」・「3号車」・・・と称するものが見られている訳ではありますが、今回ご紹介します「1号車」と言いますのは、西鉄バスで平成18年に導入されました、社番9490台で見られておりました2つの「1号車」でありまして、現在はいずれも廃車になっておりますが、今回はこの話題を皆様にご紹介してまいります。

 

 西鉄バスをはじめ、西鉄グループの車の「1号車」と言いますと、例えば上の画像1にもあります純正の三菱エアロクィーン(4101・PJ-MS86JP)のように、夜行用で最初に導入されました純正車両と言う例もあるなど、様々な「1号車」と言うものが実際に見られております。尚、この車に関しましては現在は廃車となっております。

 

 

 さて、再び9490台から見られます「1号車」に戻ってみますと、その「1号車」の対象の社番は9494と9495でありまして、いずれも日産ディーゼルスペースアロー(PKG-RA274RBN)でありまして、共通しますのは排ガスを軽減する尿素SCR・トルコンAT車となっていたのが特徴でありましたが、ボディに関しましては両車それぞれ異なったボディとなっていたのが特徴でもありました。

 

 

 では、これからは9490台の各1号車をご紹介してまいります。まずは9494からご紹介してまいります。
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 9494は西日本車体(西工)の02MCC-Iボディとなっておりまして、西鉄本体では初になります日産ディーゼルの02MCC-Iボディでもありました(ただしショートバージョンはグループ会社の貸切車で存在しております)

 

 元々、この02MCC-Iボディの西鉄車は、平成17年に三菱ふそう車でKL-規制のエアロバスシャーシが2台(4013・4014~現廃車)導入されておりましたが、日産ディーゼル車では西鉄ではその翌年に初登場になっておりまして、灯火器規制の影響でリアスタイルがADG-規制から変わっておりましたが、そのADG-規制での導入自体がなかったため、結局このPKG-規制でC-Iボディ初登場になっておりました。

 

 特徴としましては、2+2のレッグレスト付き4列シート後トイレの車となっておりまして、これまでSD-Iボディまで導入されておりました2+1の座席とは異っておりました。尚、この後同タイプが翌平成19年に2台(9718・9719~現廃車)導入される事になりますが、平成20年式以降は92MCSD-Iの置き換えのための導入となっている事もありまして、以降は元の2+1の座席での導入(その後宮崎線用では後方4列のセレクトシートに改造)となっておりました。
 
 (参考・9719)~シート配置も9494と同等です

 

 この9494の運用は、現在は西鉄便は全便4列シートによる運用になっております「桜島号」で、この当時一部4列シート車での運用が存在していた事もありまして、その運用に就いていたりしておりましたし、画像2・3のように福岡~宮崎線「皆割フェニックス号」の運用に就いておりました。また、時には4列シート車であった事もありまして、「ひのくに号」にも使用された事もありましたが、末期は再び西鉄便が全便4列シート化されました「桜島号」として運行される事もありまして、4列シート車の強みを見せておりました。
 
 (「ひのくに号」時)
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 (「島原号」~画像は福岡高速営業所時代)
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 一方、9495の場合です。9495は西工E-III架装車での導入となっておりました。

 

 

 このE-IIIボディは、これまでもご紹介しておりましたが、西日本車体工業が中近距離向け高速車としてボディ架装されておりましたS型ボディが灯火器規制などによって生産終了となった事から、それに代わるボディとして開発・採用されたものであります。これまで、神奈川県の江ノ電バスでこのボディが初採用されましたが、江ノ電バスの場合は日産デイーゼルスペースランナーのシャーシとなっていたため、日産デイーゼルスペースアローのシャーシを採用したパターンとしては初採用にもなりましたし、PKG-規制でも初採用になっておりました。

 

 この車の特徴としましては、末期のS型高速車でのレイアウトと同様で、2+2の4列シート・後トイレのレイアウトとなっておりました。尚、導入はこの時はこの9495のみ1台でありましたが、翌年以降も本格的に採用するに至りまして、平成20年以降に製造されましたリアランプが変更されたタイプと合わせまして29台導入されるまでに至っておりまして、一部はグループ会社に移籍した車もありましたが、9495に関しましては当初は以下画像の福岡~熊本線「ひのくに号」に、その後一時旧西鉄高速バスにも所有しながら福岡~佐世保線「させぼ号」の運用に就いておりましたが、末期は「ひのくに号」運用に戻っておりました。

 

 (平成22年撮影、「ひのくに号」運行時代)
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 (平成24年撮影、「させぼ号」、旧西鉄高速バス所有時代)
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 (令和2年撮影)~福岡高速営業所再転属後

 

 

 しかし、これら1号車も残念ながら令和2年にいずれも廃車となっておりまして、残念ながら運行される姿は見られなくなってしまいました。これらも後に量産される事にもなりますタイプでもありましたが、その量産されました車両に関しましても残念ながら廃車となった車もありまして、E-III架装車は平成19年式まで全廃、C-I架装車も平成20年式まで全廃となっておりまして、高速車ならではの宿命なのかなと思う所でもあります・・・。

 

 

 今回は、かつて西鉄バスに存在しました、9490台の「1号車」に関しましてご紹介しましたが、私自身、これら2台の導入当初には「1号車」であるがゆえに正直驚いたほどでありまして、特にE-IIIボディの導入時は、正直スタイルを見まして「何じゃそりゃ!」と思ったほどであったのが懐かしい所であります。実際、そう言った車の量産車が現在も台数は減りながらも活躍する姿が見られておりますが、全廃となる時期も迫りつつあるのも現状ではあるだけに、とにかく量産車に関しましては1年でも長い活躍を願いたいですし、これら礎となりました「1号車」の存在も忘れてならない所ではありましょうか。