NO.3014 令和2年に全廃、西鉄バス西工02MCSD-I架装夜行用車両、平成17年導入の2台 | コウさんのコウ通大百科 PART3

コウさんのコウ通大百科 PART3

在住する九州を中心に、鉄道・バスを中心としました記事を毎日更新しております。
(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 西鉄グループには、これまでも西日本車体(西工)架装車の夜行用車両が多く製造されまして、日本一長い路線でもあります福岡~東京線「はかた号」をはじめ、老舗路線でもありました福岡~大阪(・京都)線「ムーンライト号」など様々な路線で活躍する姿が見られておりました。
 
 この西工架装車では、これまで多く導入されておりまして、四角の車体が特徴の58MCでは、導入されました当時が高速バス最盛期でもあった事から多く導入されておりました。
 
 また、92MC(画像の形式・三菱KC-MS822P)に関しましても、それに代わる高速車両として21台も導入されておりまして、上の画像のように「はかた号」をきっかけに導入されました「白夜行塗装(3240)、そしてこれまでの夜行用塗装でありました「ムーンライト塗装(3133)と2つのカラーが見られてもいました。
 
 その一方、02MCに関しましては平成15年に3801・3802の2台、平成17年には以下画像の4011・4012の2台の計4台しか導入されておらず、全て「白夜行塗装」のみの導入でありまして、これら4台に関しましても導入当初は「はかた号」、以降は本州・四国・九州各地の路線におきまして活躍する姿が見られておりました。
 
 しかし、夜行高速路線バスの縮小や転用先の昼行高速路線バスも座席の変化が見られたりした事などもありまして、その任を純正車両に置き換えられると言った変化もありまして、その結果02MC架装車は令和2年に平成17年式の車の離脱→廃車によりまして全廃となりまして、残念ながらその姿を見る事はできなくなっております。
 
 
 さて、今回は最後まで残りました西工02MC架装夜行車両でありました、その平成17年式の2台であります4011・4012(三菱KL-MS86MP)に関しまして皆様にご紹介してまいります。
イメージ 5
 
 
 この4011・4012は、平成17年に博多営業所に新製導入されたものでありまして、当初は「はかた号」に導入されていた車でありました。これら車は、これまでのSD-II架装車からSD-I架装車に変更されておりまして、加えましてサービスの簡略化も行われておりました。そのため、平成15年に導入されておりました3801・3802まで見られておりました「はかた号」のテレビ放送が見られなくなるなどの変化が生じておりましたが、その流れはさらに「はかた号」以外の路線でも進む事にもなりました。
 
 
 平成18年・平成19年には、相次いで純正三菱エアロクィーンが計3台導入されておりまして、その結果定期で「はかた号」として東京へ足を運ぶ事はなくなってしまいました。それでも、多客期には画像のように東京へと足を運ぶ姿は見られておりました
 
 (平成20年撮影、続行運行時)
イメージ 4
 
 
 平成22年1月、前年暮れに導入されました「はかた号」向けダブルデッカーの導入に伴いまして、博多営業所から福岡高速営業所へ転属しました。転属しますと、南九州向け路線(宮崎線・「フェニックス号」、鹿児島線「桜島号」)で使用されておりましたし、多客期には引き続き本州夜行で活躍する姿も見られておりまして、昼行・夜行それぞれの姿が見られておりました。
 
 (平成22年撮影、4011・「フェニックス号」時)~翌平成23年にはセレクトシート導入に伴いまして、続行時しか宮崎へは行かなくなります

イメージ 1イメージ 2

 

 (4011・「桜島号」時)

イメージ 11

 
 (4012、福岡高速営業所転属直後)
イメージ 8
 
 
 平成25年、福岡~延岡線「ごかせ号」が福岡高速営業所から博多営業所に運用が移行されまして、それに伴いまして4011・4012の2台も博多営業所に里帰りしておりました。実際に画像は博多営業所に転属した頃の2台でありますが、私も、画像にもありますように数度「ごかせ号」に乗車した事がありましたから言えますが、所要時間が「フェニックス号」・「桜島号」と同様4時間を超える路線でもありますので、この転用はまさに適していたのではなかったかと思います。
 
 (4011)
イメージ 4イメージ 5
 
 (4012)
イメージ 16イメージ 17
 
 
 平成27年「ごかせ号」乗車時撮影の4011であります。実はこの車に初乗車した時でもありましたが、この時は、途中では雪が降っていた事もありまして車体が汚れておりましたが、車内はその下の画像にもありますように白熱灯だけが数か所照らされていただけと言う事もありまして車内は暗く、まさに夜行専用車であると言う印象が出ておりました。確かに実際私もそうでしたが、座席に座りますともう眠気が誘ってくるほどにまでなりまして、少々暗い車内でもありますのでわからなくはなかったでしょうか。
イメージ 5イメージ 6
 
 (車内)
イメージ 8
 
 この頃には、既に後付けではありましたが、コンセントが設けられるようになっておりまして、スマートフォンの充電に大きく貢献しておりました。しかも、この頃のスマートフォンは初期型でもありましてすぐに電池を食う型でもありましたので、特に重宝する所ではありました。
イメージ 9
 
 
 一方の4012は、上の画像を撮影しました平成25年、「ごかせ号」の運用を離れまして、この年福岡~三重線「お伊勢さんエクスプレス福岡号」の西鉄高速バスの撤退によりましてこの車が三重交通に貸し出されました。三重交通では、同じく貸し出されておりました3801(三重交通社番2041)のように専用車としても活躍しておりましたが、結局翌平成26年の運行終了までこの車が西鉄高速バスが運行していた分をカバーしておりました。
 
 尚、この車の場合には、社番も4012として登録、また表記も○博として表示されてもいました。この姿からも、西鉄バスと言う印象が大きく出ていますが、側面後部の「三重交通」の表示、そして三重ナンバーが三重交通所有に一時的に変わっていた事が伺えておりました。尚、運行終了後は旧西鉄高速バス福岡支社所属として、再び南九州方面の「桜島号」などの路線に使用されるに至っておりまして、平成30年に私も乗車を果たしておりました。
 
 (平成29年撮影)
 
 (平成30年撮影)
イメージ 4
 
 (その時乗車時車内)
イメージ 15
 
 (座席)
イメージ 16
 
 
 4012が三重交通にも貸し出されたりもしておりましたが、4011に関しましても、上の画像にもありますように博多営業所所属で「ごかせ号」にて運行されておりましたが、上の画像撮影直後の平成27年1月、西鉄高速バス福岡支社に転属しておりまして、以下画像のように南九州路線や「さぬきエクスプレス博多号」にも運行される姿も見られておりまして、活躍する姿が見られておりました。
 
 (平成27年撮影)~「フェニックス号」続行時
イメージ 7
 
 (平成28年「さぬきエクスプレス博多号」運行時)
イメージ 9
 
 
 その後は、「さぬきエクスプレス博多号」から旧西鉄高速バスが撤退した事に伴いまして、本州・四国へ足を運ばなくなりまして、これら車は南九州路線を中心に使用する姿が見られておりましたが、それでも夜行バスの縮小に伴いまして活躍の場も徐々に減ってきておりました。この間には、所有が旧西鉄高速バスの解散に伴いまして西鉄高速バスからから西鉄バスへと所有先も変わっておりましたが、この2台は令和2年2月に揃って定期運用を離脱しておりまして、その後廃車となった事から15年でその姿を消す事にもなりました。
 
 
 今回は、西鉄バスに所有しておりました、平成17年式西工02MCSD-I架装車2台に関しましてご紹介しましたが、私自身もこれら車に関しましては乗車歴もあった2台でしたし、これら車に関しましては様々な思いもあっただけに、正直残念でもあった事を覚えております。やはり、夜行専用車としまして生まれておりました2台でもありましたが、その後も昼行でも活躍する姿が見られてもいた訳でもありましたので、活躍する場が両方で見られていたのも良かったのではないかとも思う所ではありましたでしょうか。本当に、残念ながらその姿はありませんが、それでも記憶にとがめていただければと思っております。
イメージ 18