番外 路線廃止からもう7年になります、福岡~神戸・大阪・京都線「ムーンライト号」の運行末期時の姿 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 現在、西鉄バスが運行に関わります夜行高速路線バスは、上の画像にあります福岡~東京線「はかた号(0002・三菱2TG-MS06GP)、福岡~名古屋線「どんたく号(4873・三菱」QRG-MS96VP)の2系統しかなく、それ以外の路線に関しましては撤退もしくは休止・廃止となった路線でありまして、ピーク時の頃としますと大きく様変わりしております。

 

 西鉄バスの夜行高速バスは、かつては福岡発着として本州・四国方面へも運行しておりましたし、福岡・北九州以外にも荒尾・大牟田や久留米・佐賀・飯塚などからも本州方面へ運行されておりましたし、旧西鉄高速バスがかかわる路線として、九州内(宮崎・鹿児島)や、四国(高松・松山)や、「はかた号」と同様関東方面への路線として大宮までも運行しておりました。

 

 現在は、利用者減や「新型コロナウイルス」、そして乗務員不足と言った理由で廃止・撤退が見られておりまして、昨年には岡山線「ペガサス号」におきまして西鉄バスの運行が撤退しております。この撤退に関しましては、このうちの乗務員不足が上げられておりまして、新たな問題が出てきていた事が伺える所ではあります。

 

 

 さて、これからご紹介します路線に関しましては、元々からの利用者減などによりまして残念ながら廃止へと至った路線でありまして、その路線は老舗路線でもありました。

 

 それが西鉄バスと阪急観光バスが共同で運行されておりました、夜行高速路線バスの福岡~神戸・大阪・京都線「ムーンライト号」でありまして、運行廃止となりまして7年になりました。今回は、この「ムーンライト号」に関しまして、皆様にご紹介してまいります。

 

 

 この「ムーンライト号」は、昭和58年に中国自動車道が全線開通した事に伴いまして、西鉄バスと当時の阪急バスが共同で運行を開始しましたものでありまして、初の九州から関西を結ぶ高速路線バスでもありました。

 

 しかも、昼行ではなく夜行バスとして運行されておりまして、これには初めての装備が見られてもいまして、昭和61年からは現在の夜行高速路線バス・長距離の高速路線バスの代名詞でもあります独立3列シートが初めて装備された高速バスでもありまして、マルチステレオやテレビ・ビデオも装備してもいまして、これまでの概念を打ち破っていたのが「ムーンライト号」でもありました。

 

 さらに「ムーンライト号」は、かつては複数の本数や別の系統も設けられていた事もありまして、福岡~北九州(黒崎~小倉~門司)~大阪の各停系統あれば、福岡から北九州を経由しない特急系統、さらに北九州・筑豊(飯塚・田川(後藤寺))系統も存在しておりました。

 

 

 しかし、利用者低迷などもありましてこれら系統は相次いで廃止されておりまして、その後は他の路線(京都線「きょうと号」・USJ線)を吸収する形で運行を継続しておりましたが、平成29年3月末の運行を持ちまして路線廃止と言う事になりました。

 

 廃止末期の停車地は・・・

 天神高速バスターミナル~博多バスターミナル~黒崎引野口~砂津~小倉駅前~神戸三宮バスターミナル(「ミント神戸」)~ユニバーサルスタジオジャパン(R)~大阪梅田(三番街バスターミナル)~新大阪~千里ニュータウン~千里中央~高速長岡京~京都駅八条口

となっておりました。

 


 そんな「ムーンライト号」でありますが、廃止末期には画像4・5のタイプの車(画像3、西鉄バス4874・三菱QRG-MS96VP 画像4、阪急観光バス、なにわ230あ・501・日野PKG-RU1ESAA)が使用されておりまして、この頃にはマルチステレオ・テレビ・ビデオ(DVD)の上映は廃止されておりまして、独立3列シート・トイレ・コンセント(一部)が代表的な装備となっておりました。

 

 

 けれども、当初は両社「ムーンライト塗装」と呼ばれます塗装をまとっておりまして、当初の車には、「ムーンライト号」を表します「MOON LIGHT」と言う表記も入れられておりまして、明らかに専用車である事を表すようになっておりました。しかし、阪急バス・阪急観光バスでは平成8年頃まで見られておりましたがその後は見られなくなりまして、西鉄バスでは画像の西日本車体(西工)92MC(画像はいずれも三菱KC-MS822P)で平成26年まで稼働している姿も見られておりましたが、その後全廃となっております。

 

 (3133)

 

 (3135)

 


 さて、ここからは過去に収めておりました画像を改めてご紹介させていただきます。私自身、過去に福岡・北九州とともに関西訪問時におきましても「ムーンライト号」の姿を見ておりましたが、画像は平成26年訪問時に京都駅八条口で撮影しておりました「ムーンライト号」でありましたが、現在は旧西鉄高速バスを経まして博多営業所に所属します三菱エアロクィーン(4403・BKG-MS96JP)が「ムーンライト号」に使用されておりました。

 

 この車の特徴と言いますと、西鉄バスのエアロクィーンでは初めて行灯のみの表示となっているのが特徴でありましたが、やはり方向幕がなくてサボのみの表示となっているのは正直違和感があったようにも思います。しかも、以降の車もそう言った形でもありますので、それほどコストダウンも考えられるようでもあった事が伺える所ではあります。

 


 こちらは、平成28年神戸訪問時に三宮バスターミナル「ミント神戸」で収めておりました阪急観光バスの日野セレガ(なにわ230い・503、LKG-RU1ESBA)でありますが、この車も元々は鹿児島線「さつま号」専用車として導入、しかし廃止となった事から「ムーンライト号」や東京(新宿・池袋)線で使用されるようになっておりまして、この頃でも東は東京、西は福岡でこの車は見られておりました。

 


 そして、こちらは平成28年12月北九州市小倉に出向いた際に収めました「ムーンライト号」でありますが、こちらも阪急観光バス便(なにわ230あ・500、日野PKG-RU1ESAA)でありました。この時は、数名ほどの下車している姿を見る事ができておりましたが、この2か月後に運行休止が発表される事になろうとは、この時は全く考えていなかっただけに、今思うと驚きでならない所でもありました。

 

 

 「ムーンライト号」廃止後、阪急観光バスの車に関しましては、なにわ230あ・500に関しましては加越能バスに移籍しまして名古屋〜高岡・氷見線用に、他のなにわ230あ・501、なにわ230い・503は大阪~東京(新宿・池袋)線で引き続き活躍を続けておりましたが、「新型コロナウイルス」により令和2年4月より運休、令和4年4月末に運行再開を発表しましたが阪急観光バスが撤退、アルピコ交通に運行を引き継いでおりまして、既に阪急観光バスから離れているようであります。

 


 今回は、「ムーンライト号」運行末期の姿をご紹介しましたが、この「ムーンライト号」の廃止の情報を聞いた時には、先述のように正直「嘘だろ?」と思ったほどでしたが、それほどこの路線が苦しかったのかなと思ってなりません。確かに、私自身も把握できないほど高速ツアーバスから路線化されたもの、また元ツアー系による新規路線が関西方面だけでも複数存在しますので、まさに争いであった事には間違いないようですし、それ以外にもLCC(格安航空会社)の存在などもありますので、廃止は残念でならない所でもありますが、とにかく、この路線に関しましては今後も記憶として残していただければと思います。