番外 平成24年「九州北部豪雨」後の珍事です、熊本~大分線「やまびこ号」、高速道路迂回運行時の姿 | コウさんのコウ通大百科 PART3

コウさんのコウ通大百科 PART3

在住する九州を中心に、鉄道・バスを中心としました記事を毎日更新しております。
(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 これまでも当ブログではご紹介しておりますが、大分バス・九州産交バスでは、熊本~大分線「やまびこ号」を運行しておりまして、通し利用・区間利用とも様々な方々が利用されております。

 

 この「やまびこ号」では、平成28年の「熊本地震」以降は、熊本~大分間の重要な交通機関となっておりまして、「熊本地震」前に6往復まで減便していた「やまびこ号」も8往復に増えておりまして、JR豊肥線が「熊本地震」で寸断されていた事もありまして、熊本~大分間で運行されております特急列車も運行されていなかった事から、それほど重要な交通機関である事を伺わせておりました。

 

 しかし、令和2年より「新型コロナウイルス」によります需要減、そしてJR豊肥線が全線運行を再開した事から7往復(大分バス3往復・九州産交バス4往復)に減便されておりますが、現在は運休分を除きまして5往復(大分バス3往復・九州産交バス2往復)で運行されておりまして、「コロナ禍」に加えまして近年問題となっております乗務員不足の影響が見られております。

 

 

 さて、この路線に使用されております車両は、九州産交バスでは画像1にもありますように高出力のトイレなし日野セレガ(画像は熊本200か14-29、QRG-RU1ESBA)を導入しておりまして、運用に入る事がありますが、大分バスでも画像2の福岡線「とよのくに号」から転用された車(42178・QRG-MS96VP)など車両の変化が見られておりまして、基本的な専用車では全車4列シート車に改めております。ただ、検査時等には後述のように3列シート車が来る事がありまして、イレギュラーな姿も見られております。

 

 また、この使用車両では両社画像の三菱エアロバスの姿も見られております。大分バスでは「白一色」に更新されましたエアロバス(42169・PJ-MS86JP)あれば、古参分類にもあたります平成15年式の3列シート車(42157・KL-MS86MP)も使用する事ありまして、この路線も様々な車が使用されている事が伺わせております。

 

 (42169)

 

  (42157)

 

 一方、九州産交バスでも「貸切塗装」によりますエアロバスも見られておりまして、画像の車(熊本200か17-99、KL-MS86MP)も使用されております。この車は移籍車ではありますが、当初はこの塗装からもわかりますように貸切として使用されておりましたが、後に路線化改造されておりまして、「やまびこ号」に使用されている姿も見られております。

 

 さらに、九州産交バスではヒョンデ(ヒュンダイ)ユニバース(LDG-RD00)の姿も見られております。この路線に使用されております車は熊本~鹿児島線「きりしま号」に使用されていた車でしたが、「きりしま号」からの転用の後に「この路線」や熊本空港線で使用されている姿も見られております。

 

 (熊本200か12-80)

 

 ただ、現在は「新型コロナウイルス」によります需要減や乗務員不足もありまして、現在も一部便が運休しておりまして、この掲載時点では全便運行されている姿は見られなくなっております。とにかくすぐには全便再開までは行きにくいようではありますが、一日も早く元に戻る姿を見せていただきたいものではあります。

 

 

 さて、今回ご紹介しますのは、平成24年に発生しました「九州北部豪雨」直後に見られておりました珍事に関しまして皆様にご紹介してまいりますが、この時は普段通らないイレギュラーな区間を経由する事で、熊本~大分間を結んでおりました。

 

 今回ご紹介します日野セレガ(12844・PKG-RU1ESAA)であります。この車は平成21年に導入された日野セレガでありまして、大分バス便でも上の画像の42169・42178とともに運行する姿を見る機会が多い車でもあります。そんなこのPKG-規制車の日野セレガでの高速・特急用の車両は、この車と平成30年に移籍導入されました12922しかなく、自社発注車両では唯一の存在でもあるのが大きな特徴でもあります。

 

 (現在は白一色となっています)

 

 

 さて、平成24年7月に発生しました「九州北部豪雨」では、熊本県阿蘇地区~大分県竹田市を中心に大きな被害を受けておりまして、JR豊肥線では橋梁流出や坂の上トンネルで線路が流出する被害もありまして、肥後大津~緒方間が不通(最終的には立野~豊後竹田間)になっておりましたし、「やまびこ号」が運行します国道57号線では、「滝室坂」と呼ばれる区間などでのり面崩壊や土砂崩れ等が発生しまして、1ヶ月以上通行できない時もありました。
 
 
 そう言った事もありまして、「やまびこ号」では平成24年7月18日から31日にかけまして熊本~大分間を迂回運行、また利用者の多い熊本~阿蘇間では区間便も九州産交バス単独で運行されておりまして、迂回運行によります補完する姿も見られていたほどでもありました。
 
 (熊本~阿蘇間使用車両、熊本22か26-97、日野U-RU2FTAB)~撮影時は「やまびこ号」時です
 
 
 そして、この期間「やまびこ号」はなんと九州自動車道~大分自動車道間で迂回運行を行っておりまして、益城インター口~大分トキハ前(現・中央通り)が迂回区間として九州産交バス・大分バスで約2週間ほどにわたりまして運行されておりまして、途中休憩場所として福岡県大刀洗町の大刀洗パーキングエリアが大分行きの休憩場所となっておりました(熊本行きは井上パーキングエリア)。
イメージ 8
 
 
 ここからは、この大刀洗パーキングエリアでの休憩していた模様をご紹介しますが、この大刀洗パーキングエリア内には「高速大刀洗」と呼ばれるバス停が存在しておりまして、画像のバス停では日田バスセンター行きの「ひた号」のみが停車するようになっております。また、対岸はパーキングエリア自体はありませんが、バス停は設置しておりまして、日田バスセンター発の福岡方面のみ停車しております。尚、当時運行されておりました「とよのくに号(各停便)」、そして「ゆふいん号」の大分・湯布院・福岡方面についてはこのバス停は通過となっております。
イメージ 6
 
 (時刻表)
イメージ 7
 
 
 そして、大刀洗パーキングエリアに到着直後の「やまびこ号」12844であります。普段は国道57号線を走りますこの車のまさにイレギュラーな姿がこの時見られておりましたが、この車も導入から3年になろうとしていた時でもありましたので、ここでこういった事で高速道路を走る事になろうとは思いもしなかったのではないかと思ったほどでした。
イメージ 1イメージ 2
 
 
 私は休憩している間に、この車を様々な方向で収めておりましたが、この路線「やまびこ号」の専用車らしく、4列シート・後部トイレの装備がこの車らしさを出しておりました。やはりこの時はまだ「やまびこ号」でしか見られない装備ではあった訳でしたが、今後この装備が大分バスの高速路線バス・特急バスでは定番の装備となった訳ですので、まさかここまで変わるとは思いもしなかったでしょうか。
 
 (側面~後部(トイレが後部に付いているのがわかります))
イメージ 3

 

 (側面行先)~行先は「特急 大分」です
イメージ 4

 

 (後部行先)~「特急 大分」と書いてあるのがわかります
イメージ 5

 

 

 この時、ご紹介しておりますように迂回運行シーンを収める事ができておりましたが、その迂回運行シーンの撮影は最初で最後となりまして、平成24年8月1日からは「やまびこ号」は新たな迂回区間を経由して運行される事になりまして、阿蘇駅前を経由しまして、笹倉まで以下の区間を迂回しておりました(ちなみに、熊本~阿蘇間の区間運行は終了しております)。
 
 阿蘇駅前~国道212号~県道45号~県道211号~ミルクロード~国道57号~笹倉
 
  それによりまして、大きな被害を受けておりました「滝室坂」を迂回する形で運行される事になりまして、所要時間が通常よりも30~40分ほど長くなりまして、現在の所要時間に近い約4時間10分ほどかけて運行するに至っておりました(現在は道の駅すごうで30分休憩する事からそれだけ長くなっております)。
 
 
 そして、「やまびこ号」は「滝室坂」の仮復旧によりまして平成24年8月20日に全区間で運行を再開しまして、通常運行に戻りました。この通常運行に戻るまでの間に「九州北部豪雨」から約1ヶ月少々かかりましたが、JR豊肥線も寸断されていた事もありまして、補完的な役割も果たすに至っておりました。
 
 
 今回は、平成24年の「九州北部豪雨」から約2週間運行されておりました「やまびこ号」の迂回運行シーンをご紹介しましたが、「やまびこ号」が高速道路を走ると言う前例にもなかった事がこの時起きていた訳ですので、まさに珍しい姿ではなかったかなと思っております。そんな「やまびこ号」は、この後も平成28年には「熊本地震」もありまして運行区間変更(大津~「ミルクロード」~赤水経由)を余儀なくされましたのでJR豊肥線とともに大変な思いをしていた事に関しましては仕方がない事ではなかったかと思いますが、ご覧の皆様もかつて実際にそう言った事があった事を存じていただければと思っております。
イメージ 9