番外 かつて福岡~大分県内間の路線で見られていました、「西工SD架装車」で運行されていた高速バス | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 現在、西鉄グループおよび大分県内の事業者でよく見られております福岡~大分県内を結びます高速路線バスの車両と言いますと、最も見られますのが上の画像の三菱エアロエース(画像1・亀の井バス、大分200か10-55(元西鉄バス3348)、画像2・西鉄バス3280、いずれも2TG-MS06GP)や日野セレガ・いすゞガーラと言った純正車両ではないかと思います。
 
 しかも、最近は西鉄バスでもその三菱エアロエースのように純正車両が導入されておりまして、その要因としましては、ボディを架装しておりました西鉄の子会社でもありました西日本車体工業(西工)自体が解散してしまっている事、そして各社最も導入されておりましたS型架装車も各事業者運用離脱・廃車が進んでおりまして、その結果西工架装車の姿も高速車としてはこれまでもご紹介しておりますように全廃へと至っているのが現状でもあります。
 
 実際に、かつては「とよのくに号」の主力車両でもありました西工S型架装車も最後まで残りましたのが大分バスの画像の1台(42161・三菱KL-MS86MP)でありましたが、残念ながら令和3年に廃車となっておりまして、それだけ多く僚車がいましたこのボディの車に関しましてもいなくなってしまった事が正直残念でならない所ではあります。
 
 
 また、日田バス・亀の井バスではS型架装車の後継であります西工E-III型架装車も見られておりまして、亀の井バスでは自社発注車に加えまして、画像にありますように西鉄バスからの移籍車も導入されておりまして、同じく西鉄バスからの移籍車でありました西工S型を置き換えております。尚、亀の井バスに移籍されました車両では、「メルヘン塗装」に塗り替えられた車もありまして、移籍しました2台とも塗り替えられるに至っておりましたが、令和5年までに廃車となっております。
 
 (亀の井バス、大分200か・847、日産デPKG-RA274RBN)~元西鉄9716、もう1台は大分200か・848で元西鉄9717
 
 (日田バス、474号・日産デPKG-RA274RBN)~元西鉄バス9933
 
 けれども、このE-III架装車に関しましても、いずれの事業者も廃車が進んでいるのが現状でありまして、亀の井バスでは全廃、日田バスも上の画像の474号のみとなっておりまして、このタイプもあとどのくらいかという域に迫ろうとしている事が伺わせております。それほど「新型コロナウイルス」の影響から来ました担当路線の減便なども伺わせているのではないかとも思います。
 
 
 そんな西工架装車が減少している中ではありますが、他の大分事業者では各社純正車両をその間にも導入しておりまして、その分古参車両が置き換えられると言った動きも見られているようでもありまして、それほど世代交代が進んでいる事が伺える姿でもあります。
 
 (大分交通、大分200か・878、三菱2TG-MS06GP)
 
 (大分バス、12921、日野2TG-RU1ASDA)
 
 
 しかし、今から10年ほど前までは、西鉄グループの事業者を中心に西工SD車(スーパーハイデッカー)によります高速バスが運行されておりまして、タイトルにもありますように福岡から大分県内間におきましての高速バス内におきまして、その姿を見る事ができておりましたし、大分交通では後述のように、平成29年にイレギュラーで7年ぶりに「とよのくに号」におきましてもSD車の姿が見られておりまして、その後廃車となった事から、15年間の車生の最期にいい経験をしてくれていたのではないかと思います。
 
 
 そう言う事もありまして、今回ここからはタイトルにもありますように、その西工SD車に限りましての福岡県~大分県内を運行していた高速バスに関しまして皆様にご紹介してまいります。
 

 そのSD車も、最も見られていましたのが日田バスでありましたが、日田バスでは92MCの前タイプであります58MCよりその姿が見られておりまして、元は西鉄バス・西鉄観光バスに所有していた画像のSD-I「スーパーロイヤル」を路線化改造の上使用されておりまして、別府・大分線「とよのくに号」各停便や、湯布院・牧ノ戸(当時)線「ゆふいん号」などに使用されておりました。
 
 (日田バスの「スーパーロイヤル」の改造車の画像がない事から参考に西鉄観光バスの「スーパーロイヤル」、4654・三菱U-MS726S)~すでに廃車
 
 日田バスへの改造は、5台が施行されておりまして、基本的に「とよのくに塗装」でありましたが、中には西鉄の先代貸切塗装でありました、上の画像の「ルーセント塗装」をまとった車も存在していたなど、様々な姿が当時見られておりました。しかし、平成18年頃までには全廃しておりまして、その姿を見る事はありません。
 
 
 また、日田バスには92MCSD-Iも1台所有しておりました。この車も元は西鉄バスでありまして、平成8年の導入以降、鹿児島線「桜島号」や、北九州~長崎線「出島号」で使用されていた車でありましたが(元西鉄社番3130)、平成20年に日田バスに移籍、福岡~大分県内(別府・大分・湯布院・黒川)の高速バスに使用されておりましたが、平成22年に廃車となっております。
 
 (日田バス470号(元西鉄バス3130)、三菱KC-MS829P)
 

 さらに、西鉄バス所有で亀の井バスが運行を委託する運用でも夜行用の西工SD-IIが所属していた事がありました。それが画像の4924(先代、三菱U-MS821P)でありました。
 
 この車は、平成6年式でありまして、福岡~東京線「はかた号」で使用されておりました。その後後継車両の導入によりまして亀の井バス運行委託に移りまして、福岡~別府線「とよのくに号」にて使用されておりましたが、多客時には西鉄バス博多営業所に貸し出しの上、大分ナンバーのまま本州夜行の続行便としても使用されておりました。しかし、その後福岡高速営業所に戻ってまいりますが、平成21年に廃車となっております。尚、亀の井バス委託運行時に「白夜行塗装」から画像の「火の鳥塗装」に塗装が変更されております。
 

 こちらの車は、グループとかけ離れる事になりますが、西鉄バスが大分バスに車両を貸し出しまして、福岡~佐伯線としても使用されておりまして、92MCSD-I2台が大分バスに貸し出されておりました。
 
 (43274(元西鉄バス3274)・三菱KC-MS829P)~3274の西鉄時代の画像は最後の画像参照
 
 この路線は、平成21年暮れから平成22年春までの試行運行でありましたが、平成22年の夏まで期間を延長して運行されておりました。運行終了後も、43274及び43275(←3275)は大分バスに残りまして、佐伯~大分空港線「佐臼ライナー」などで使用されておりましたが、43275はその後大分バスにて廃車されまして、43274が平成25年西鉄バスに里帰りしまして、福岡県大野城市にあります教習所での教習車として使用されておりましたが、その後廃車となっております。
 
 
 尚、大分バスでは「とよのくに号」におきまして元夜行用のスーパーハイデッカーの純正車両が運行されておりまして、廃車となるまでその姿を見せておりましたが、その後廃車となりましてからは福岡~佐伯線が運行されるまではスーパーハイデッカー車は運行されておりませんでした。
 

 そして、先ほども少々ご紹介しましたように、平成29年に廃車となりました、大分交通の夜行用専用車でありました西工SD-I架装車(大分200か・106、三菱KL-MS86MP)も「とよのくに号」の運用に就いた事もありました。
 
 この車は平成14年式でありまして、以来もっぱら大分~名古屋線「ぶんご号」で使用されておりました。しかし、「ぶんご号」に新車が導入されまして、さらに平成28年にはその「ぶんご号」が休止となりましたが、イレギュラーで「とよのくに号」などの運用に就く事もありました。しかし、それでも先述のように今年廃車となっておりまして、現在は画像でしか物語る事ができなくなっております。ちなみに、「とよのくに号」ではその後純正の三菱エアロクィーンも運行されておりましたが、現在はこちらも今年廃車売却されておりまして、スーパーハイデッカー車の姿は見られなくなっております。
 

 今回は、福岡~大分県内を運行されておりましたスーパーハイデッカーであります西工SD架装車を中心にご紹介しましたが、考えてみましても、現在であるならば福岡~大分県内間の高速路線バスでは基本的にはスーパーハイデッカーとはほぼ無縁であるようで思いますが、それでも過去の画像からも実際に運行されていた事もお分かりいただけるのではないかと思います。やはり、従来車両とは違っている事も伺えるようではありますが、ハイデッカーであります従来車両とは一味違った所がよかったのではないかとは思いますので、この存在は少なかれどもそんざいじたいが大きかったのかなと思ってならない所でもあります。