番外 西鉄GPに所有していたスロープなし西工SR架装低床試作車、日産ディスペースランナーJP紹介 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 上の画像は、西鉄バス久留米に所有しておりました、西日本車体(西工)96MC架装で中型ロングタイプでもあります日産ディーゼルスペースランナーJP(5207・KC-JP250NTN)であります。
 
 西鉄グループにおける西工96MC架装の日産ディーゼルスペースランナーJPは、平成9年導入の3台、そして福岡地区に平成19・20年導入の4台の計7台しか西鉄グループでは導入されておらず、その前の58MC架装車、そしてSR架装車では多く導入されていたのとは対照的な姿が見られておりました。
 

 これらは少数の導入と言う事で、このタイプの車は7台が導入されただけですが、北九州地区では見る事ができませんでした。やはりこの中型の場合はショートタイプであるRMが各地で多く導入されていただけに、台数が少ない分なかなか見る機会がなかった事のもわかるのではないでしょうか。

 

 その後、久留米地区の3台は平成26年までに廃車となっておりまして、西鉄グループ内ではもう既に見られなくなっております。やはりスタイルが中型ロングではありましたが、冒頭の58MCと比べましても前後で違っておりましたのでわかりやすいとは思いますが、それでもロングと言う事自体少数ではありましたので、貴重な存在ではなかったかとは思います。

 

 

 そして冒頭述べました、SRボディによる中型ロング車と言いますと、以下画像にもあります西鉄バス北九州に所有しておりました、電車代替用の日産ディーゼルスペースランナーJMともに日産デU-JM210GTN改)の印象が高いのではないかと思います。

 

 (6733)

 
 (6758)
イメージ 2
 
 この電車代替用のスペースランナーJMは、平成4年に廃止されました西日本鉄道(西鉄)旧北九州線の廃止代替バスとして52台導入されておりまして、当時の西日本車体(西工)の技術を生かしまして、SRボディを架装ベースにしまして、ワンステップ・スロープ付きとして導入されておりまして、運行区間には廃止されました区間でもあります小倉~黒崎(~後に折尾)間の旧北九州線に沿って代替バスが運行されておりました。

 

 しかし、多く導入されておりましたこのタイプも、画像4の6748のように一部「赤バス塗装」に塗り替えられた車もあったものの、残念ながら平成20年代には全廃となってしまいまして、このような姿はこの画像内でしか伺う事ができなくなってしまっております。

 

 

 そんな中、このような電車代替用として導入されました車の後に、今度はワンステップ低床車ではあるものの、試作車として導入された事もありまして、スロープなしという変わったタイプも登場しておりました。

 

 

 そう言った事もありまして、今回ご紹介しますのは、そのワンステップ・スロープなしのタイプとして、試作車扱いで当初は福岡地区ではありましたが、後に筑後地区に最後は在籍しておりました、日産ディーゼルスペースランナーJM(6831・U-JM210GTN改)を皆様にご紹介してまいります。
イメージ 3

 

 

 この車は、先述のようにスペースライナーJMの試作車として導入されておりまして、新製は早良営業所でありました。その後、量産車とともに愛宕浜営業所→(旧)西新営業所→百道浜営業所と転属を繰り返しながら、福岡市内を運行しておりました。

 

 

 その後、この車は筑後地区を渡り歩く事になりまして、最初は旧荒尾営業所に転属しまして、その後西鉄バス大牟田所有として旧荒尾支社→大牟田本社と転属を繰り返しました。そして、筑後営業所所属で再び西鉄本体所有(運行は西鉄バス久留米)として運行されておりましたが、その後廃車となりましてこの試作車も過去のものとなってしまいました。

 

 

 そんなこの車の特徴は、先述のように西工SRボディ架装車による中型ロングでワンステップ・スロープ無しとなっているのが大きな特徴でありまして、さらに非常口の位置も、上の画像1にもありますように、北九州・福岡地区(JM量産車)では中間に存在しているのを、試作車は最後の画像にもありますように後ろに存在してあるのが特徴でもありました。やはり、こう言った違いがあってからこそ試作車と量産車との違いではなかったのかなとも思う所でもあります。

 

 

 今回は、唯一の存在でもありました、西工SRボディ架装のスロープなしワンステップバス試作車をご紹介しましたが、今回ご紹介しましたように見る事・収める事はできていた訳ではありましたが、このような低床車でありながらもスロープなしと言ういわゆる特異な例はまさに試作車ゆえの印象ではなかったかと思ってならない所ではあります。現在はバリアフリー化が浸透している今ではありまして、かつスロープ付きも当たり前となっている訳でもありますが、この頃は北九州に多く導入してありましてもまだそこまで深く浸透していなかった頃でもあっただけに、試作車であったがゆえの事を思えば仕方がなかったのではないかと思ってなりません。
イメージ 4

 

 (注)撮影当時(平成19年撮影)の画像ゆえ、少々粗い所がありますが、ご容赦いただきたいと思います。