番外 九州産交グループ、現廃止「あまくさ号」超快速系統の前身、平成22年に復活運行「天草超快速」 | コウさんのコウ通大百科 PART3

コウさんのコウ通大百科 PART3

在住する九州を中心に、鉄道・バスを中心としました記事を毎日更新しております。
(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 これまでも当ブログでもご紹介しておりますように、九州産交グループの産交バスが運行します、熊本~天草(本渡)間の快速「あまくさ号」が運行されておりまして、鉄道網も途中区間までしかない事もありまして熊本県天草方面への重要な交通機間として位置付けております。

 

 この「あまくさ号」は・・・

 

 熊本交通センター~熊本駅~宇土駅東口~宇土~三角西港~さんぱーる~松島~赤崎~本渡バスセンター~産交車庫前

 

間におきまして運行されておりまして、使用車両には上の画像にありますようにトイレ(画像2、熊本200か・15-23、いすゞKL-LV781R2)、さらに一部は画像1のようにパウダールームやコンセント付きの車(熊本200か・991、日野QRG-RU1ASCA)までも使用されておりまして、一般路線バス扱いでもある中では上のランクに値しているのではないかと思います。

 

 また、古参の車も運行する姿が見られておりまして、1台ものになりました、福岡~熊本線「ひのくに号」専用車でありました西日本車体(西工)92MCC-I架装日野セレガ(熊本22か32-96、KC-RU3FSCB)もこの路線に使用する姿が見られておりまして、新しい流れの中でも古い車の姿も見られております。

 

 (熊本22か32-96)

 

 尚、昨年12月まで、画像の日野セレガ(熊本200か・900、KC-RU3FSCB)も所属しておりましたが、八代営業所から「B&Sみやざき」に使用されていた車が転属しておりまして、この車は阿蘇営業所へ転属しております(「阿蘇登山線」増発用として)。このタイプも、年式柄廃車も見られておりますが、引き続き活躍の場が与えられている事はよかったでしょうか。

 

 

 さて、そんな「あまくさ号」ではありますが、最近では「新型コロナウイルス」によります需要減や、これまでの乗務員不足もありまして、ピーク時より本数を大幅に減便しておりまして、これまでの減便によりまして「超快速」系統が廃止されておりますし、そう言った事から本数もピーク時18往復ありましたこの「あまくさ号」も、現在は8往復減便しまして10往復まで大きく減らしております。

 

 そんな廃止されました「超快速」系統は、高規格道路を経由する系統となっていたのが特徴でもありまして、停車地も以下のようになっておりました。

 

 熊本交通センター~熊本駅~宇土~三角西港~さんぱーる~(高規格道路)~本渡バスセンター~産交車庫前

 

こういった細かい所が、先述のように所要時間短縮につながっていた訳でもありましたので、この存在もも大きかったのではないかと言ってもいいのではないでしょうか。

 

 (「超快速」、熊本200か・898、日野KC-RU3FSCB)~平成30年撮影

 
 
 さて、そんな「超快速」系統は、かつては平成22年に「天草超快速」という名称で期間限定という形でも運行されておりまして、その後後述のように翌平成23年に正式運行へと至りまして、「あまくさ号」の「超快速」系統として存在しておりました。今回は平成22年に私自身も利用してもいました「天草超快速」に関しまして皆様にご紹介してまいります。
 
 
 この「天草超快速」は、平成10年に「あまくさ号」の「超快速」系統として運行を休止していたものを復活したものでありまして、「超快速」という名自体も12年ぶりに復活しておりました。
 
 と言いますのも、昭和41年に「あまくさ号」が運行を開始しましたが、それから2年後の昭和43年に「超快速」系統が登場しておりまして、それから平成10年までこの系統が存在していたものでもありました。
 
 
 「超快速」系統の運行開始当時の停車地は・・・

 辛島町(現・桜町バスターミナル付近)~熊本駅前~合津九商前~合津~本渡~天草国際ホテル(現・ホテルアレグリアガーデンズ天草)

と言う停車地でありまして、以下の赤囲いが昭和60年当時の時刻表でありますが、快速と超快速と一緒に掲載されておりますので少々わかりにくいと思いますが、最速便が所要時間が本渡~熊本駅間で2時間9分(熊本交通センターまでが2時間16分)でしたので、おそらくそれが「超快速」系統であったようであります。尚、当時は追加料金も設定されていたようですので、通常料金+100円で乗車できていたようでもあります。

 
 そして、今回ご紹介します「天草超快速」は、平成22年の8月1日より12月31日まで九州産交バスにおいて運行されていたものでありまして、3往復で運行されておりました。その「天草超快速」の停車地は・・・

 熊本交通センター~熊本駅前~(天草五橋~高規格道路)~上津浦漁協前~本渡温泉センター~本渡バスセンター

の順で運行されておりまして、上記にしか停車しない事から、「あまくさ号」とは停車地が大きく異なっていたのも特徴でありました。そのため、所要時間も従来より約30分近く短縮されているのも特徴でもありました。
 

 「天草超快速」に使用されておりました車両は、以下のスーパーハイデッカー2台が使用されておりまして、この2台は、いずれも元は福岡~宮崎線「フェニックス号」、熊本~宮崎線「なんぷう号」で使用されていた車でもありました。
 
 (熊本22か28-74・三菱U-MS821P)
 
 (同、「フェニックス号」時代)
 
 (熊本22か28-84・日野U-RU3FSAB)
 
 (同、「フェニックス号」時代)
 
 この転用は、平成22年に「フェニックス号」・「なんぷう号」向けに日野セレガの新車(熊本200か・688&熊本200か・689)が導入されていたためでありまして、熊本県内の路線でも約2時間の所要時間をこのような車で運行されている事は少々贅沢な感じにも見えますが、快適な分ありがたかったのが良かったとは思っております。
 

 さて、この時は三菱エアロクィーンであります熊本22か28-74に乗車しておりましたが、車内は画像のようになっております。座席も2+1の偏心シートになっているのが特徴でありましたが、やはりこの車自体も夜行にも匹敵している分、シートも深く倒れますので、大変快適に利用する事ができておりました。
 
 また、肝心の「天草超快速」の利用者も、乗車人数も10名以上は乗車されておりましたので、乗車率もそれほどは悪くありませんでした。また、天草地区までは停車しない分、通し乗車も保証されておりましたので途中下車される方の可能性が少ない分安心でもありました(結局この時乗車しました全員が本渡バスセンターまでの乗車でした)
 
 
 その後、「天草超快速」は、平成22年12月末で一旦運行を終了しますが、翌平成23年3月の改正に伴いまして、九州産交バス・産交バス運行にて、正式に「あまくさ号」の中において超快速便が4往復誕生しまして、以下の停車地のもとで運行されておりました。ここでは、新たに天草アレグリアガーデンズ(旧称)・下田温泉までの系統が生まれておりました。

 (天草アレグリア方面(2往復)のみ)
 熊本交通センター~熊本駅前~三角西港前~五橋入口~さんぱーる~二号橋~前島~(天草高規格道路)~本渡バスセンター~天草市役所前~天草警察署・総合庁舎前~産交車庫前~天草アレグリアガーデンズ

 (下田温泉(2往復)のみ)
 ~本渡バスセンター~下田温泉
 
 さらに、その後も宇土駅経由などいくつかの動きが見られておりましたが、平成27年の改正で天草アレグリアガーデンズまでの運行は廃止、平成28年6月には下田温泉の運行が廃止、そして前回・冒頭でご紹介しましたように平成30年10月の改正で五橋入口停車が廃止されまして、冒頭にご紹介しましたルートにおきまして運行されておりましたが、「新型コロナウイルス」による運休の末、令和2年5月で廃止されております。
 
 
 また、使用車両に関しましても、ご紹介しました三菱エアロクィーンが産交バスに移籍の上で運行されておりましたが、平成28年に廃車されておりますし、「天草超快速」時に運行されておりました日野セレガに関しましても早くに廃車となっておりまして、スーパーハイデッカーによります運行は残念ながら姿を消しております
 
 (平成25年撮影、熊本22か28-74)
 
 (現在の使用車両、熊本200か13-18、三菱KL-MS86MP)~元広交観光
 
 
 今回は廃止されました「あまくさ号」の超快速の前身として運行されておりました「天草超快速」をご紹介しましたが、平成10年に休止となりました「あまくさ号」の「超快速」系統を復活させるべく登場、そしてそれが功を奏しまして「あまくさ号」の「超快速」系統として正式運行へと至る事ができていた訳でもありますので、このつなぎとしての存在は大きかったようにも思います。しかし、ご紹介しておりますように「新型コロナウイルス」によりまして「超快速」自体も再び廃止されておりまして、現在に至ってもおりますが、かつてはこのような系統が実際に存在していた事を存じていただければとも思います。