番外 小型車両の三菱ローザで運行しています、神園交通運行、八代~熊本空港線「すーぱーばんぺいゆ」 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 これまでも当ブログでもご紹介しておりますように、熊本空港(通称・「阿蘇くまもと空港」)からは各地へ向けて路線バスが運行されている事はこれまでもご紹介しておりました。

 

 これらは、最も運行本数が多い、九州産交グループ(九州産交バス・産交バス)が運行します、熊本市内~阿蘇くまもと空港間「熊本空港リムジンバス(通称・「空港リムジン」)や、産交バス運行の熊本~高森間快速「たかもり号」、さらには熊本~大分線「やまびこ号」や、熊本~阿蘇・黒川・湯布院・別府線「九州横断バス」などもこの阿蘇くまもと空港を経由して運行されております。

 

 また、路線バスではありませんが、以下画像の乗合タクシー「空港ライナー」肥後大津駅(通称・「阿蘇くまもと空港駅」)から阿蘇くまもと空港間で運行されておりまして、この乗合タクシーは熊本県が地元のタクシー会社に委託した上で無料で運行されております。やはり、肥後大津駅が「阿蘇くまもと空港駅」と言う通称である事もありまして、この無料乗合タクシーもまさに空港の延長と言う印象も出ているのではないかと思う所であります。

 

 

 さて、そんな阿蘇くまもと空港への路線バスの中には、新規参入事業者も運行されておりまして、運行開始からは今年で21年になる訳でありますが、熊本県の大手事業者であります九州産交グループをも撤退させるほど、追随を許さない路線となっております。今回は、その路線に関しまして皆様にご紹介してまいります。

 

 

 その路線とは、八代~阿蘇くまもと空港間を運行しております、空港連絡バスすーぱーばんぺいゆでありまして、熊本県八代市でタクシー・観光バスも運行しております神園交通によりまして運行されております。

 


 この「すーぱーばんぺいゆ」とは、平成15年に運行を開始しました空港連絡の高速路線バスでありまして、名称の「ばんぺいゆ」とは、八代特産の柑橘類であります晩白柚からの由来となっております。

 

 (熊本200あ・119)~平成23年撮影

 

 (熊本200あ・452)

 

 

 現在は10往復で運行されておりまして、このうち阿蘇くまもと空港発最終便以外は、後述の八代市内の停車地が乗り降り可能となっておりまして、途中停車地でもあります八代市内の5箇所のホテルから新八代駅間などと言った利用も可能となっております(但し、阿蘇くまもと空港発最終便に関しましては、空港着の最終便にも接続するため八代市内は降車のみです)

 

 また、全本数のうち2往復4便が菊陽町の運転免許センターへも運行されておりまして、八代から免許取得のために行かれる方が利用されております。やはり、乗り換えなしで行かれると言う利点が大きい所ではないでしょうか。

 

 

 そんな「すーぱーばんぺいゆ」の停車地は以下の通りであります。

 

 園交通外港車庫~八代内港~八代市内5ヶ所のホテル(ホテルα-1~セレクトロイヤル八代~ホテルルートイン八代~ホテルウイング熊本八代~八代グランドホテル)~八代駅~新八代駅前~阿蘇くまもと空港・免許センター

 

の順に所要時間は約1時間10分(八代駅~阿蘇くまもと空港)で運行されておりまして、運賃は八代~阿蘇くまもと空港間で片道2300円(往復4200円)となっております。

 

 

 この「すーぱーばんぺいゆ」に使用されております車両は、上の画像・以下画像の三菱ローザとなっておりまして、小型バスによります運行となっております。尚、繁忙期には続行便も出しますが、その続行便も小型バスを使用しているそうでありまして、そう言った時の対応もなされております。

 

 (熊本200あ・486)

 

 

 所で、実は八代~熊本空港間には、当時の九州産交の子会社でありました、旧熊南産交(現・産交バス八代営業所)も「エアライン八代号」と言う名称で追随する形で運行されておりまして、運行開始は平成16年の3月と、「すーぱーばんぺいゆ」よりも遅かったのですが、車両が以下画像の大型車(画像は熊本22か30-19、日野U-RU2FTAB)で運行されておりました。

 

 (平成22年撮影)~熊本に戻って「きりしま号」として運行されていた頃

 

 また、運賃も「エアライン八代号」の方が安く(片道1200円、当時は「すーぱーばんぺいゆ」は片道2000円)、所要時間も同じくらいでありましたが、逆に「エアライン八代号」の方が予想以上に伸び悩みまして、利用者も1便当たり数名程度と言う少なさであった事もありまして、結局5ヶ月で廃止に至ったと言う経緯があったほどでした。

 

 

 私自身、当時両路線とも見た事がありましたが、「エアライン八代号」の意外の少なさには驚いていた事を覚えております。見た所、八代駅発車時点で数名であったのに対し、割高な「すーぱーばんぺいゆ」には利用客が多く、なぜこの違いが生じていたのか不思議であったほどでした。それだけ、神園交通の企業努力が熊南産交撤退につながったのかもしれません。

 


 現在、以下画像の八代駅バス停には、専用の待合所も設けられておりまして、ここから空港までのバスも発着しております。また、神園交通のタクシーもバスがいない間には駐車している事もあります。


 一方、画像は平成23年撮影時の新八代駅前バス停でありますが、画像のように産交バスの各地への高速バス時刻表とともに表示してありまして、以前は両社の熊本空港行きも別々に表示されていた訳でもあったでしょうが、産交バスが撤退した今も仲良くと言う印象も感じたほどでもありました。

 

 

 今回は、参入事業者でありました、神園交通運行によります、八代~阿蘇くまもと空港間で運行されております「すーぱーばんぺいゆ」をご紹介しましたが、この路線に関しましても、八代から阿蘇くまもと空港へ向かう唯一の交通手段である事や、八代市内途中利用が可能である事から、八代市内のホテルなどへの利用者にも優しい姿を見せている所を見ましても、かつて存在しました九州産交グループの追随は許さない事を伺わせているようでもあります。とにかく、この路線自体も小型バスと言う珍しい姿ではある訳ではありますが、21年になりますこれからも八代から阿蘇くまもと空港方面への足として運行していただきたいものであります。