番外 かつて国鉄時代、鹿児島線折尾~博多間はノンストップで運行されていました「特別快速列車」紹介 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 現在、鹿児島線の小倉~博多間では、特急列車以外に普通・快速・区間快速が運行されておりまして、使用車両は821系電車・817系電車・813系電車・811系電車・415系(1500番台)電車が運行されておりまして、「九州の大動脈」の中でも特に需要が高い区間でもありますこの区間を近郊型電車はこれら電車で支えられている姿を見る事ができております。

 

 それでも、快速列車は朝・夕方~夜の間で主に運行されておりまして、日中となりますと快速区間が短い区間快速列車が主となります。その区間快速列車も、最も長い快速区間で福間~鳥栖間は存在しますが、短い区間となりますと鳥栖~南福岡間と言った系統もありまして、それ以外の区間は各駅に停車すると言った系統も見られております。

 

 また、快速列車は最も長い区間で大牟田→小倉間は存在しますが、その系統も朝2本しか見られず、それ以外の朝・夕方~夜となりますと最も長い区間で小倉~久留米・羽犬塚間が快速区間で存在する程度で、かつての「コロナ禍」前としますと本数も減っているのが現状でもあります。尚、「快速」名目で最も短いのが臨時で平日朝に設定されております福間~南福岡間の系統でありまして、こちらは415系1500番台電車8両編成で運行されております。

 

 

 さて、今回ご紹介しますのは、私が所蔵します昭和53年時刻表(JTB復刻時刻表)より、かつて鹿児島線の小倉~博多間で運行されておりました特別快速列車に関しまして皆様にご紹介してまいります。

 

 

 昭和53年当時は415系電車でも昨年9月で全車離脱しました鋼製車両、そして421系電車・423系電車と言った電車が運行されていた頃でありまして、頭の「4」からもわかりますように全車交直流型電車でもありました。

 

 【いずれもJR化後のため「九州近郊色」です】

 (423系電車)~Fo53編成

 

 (415系電車)~Fo1編成

 

 (415系電車)~FM5編成、ミレニアム塗装時

 

 

 そんなこれら電車によって運行されておりました特別快速列車ですが、この列車は昭和47年3月改正から昭和55年10月改正まで運行されていた列車でありまして、昭和53年当時は10往復で運行されておりまして(さらに臨時が土休日に下りに1本設定)、当時製鉄業を中心に工業が盛んでもありました北九州地区と、商業が盛んでもあります福岡地区とを結ぶ列車として存在しておりまして、後述の停車地からもわかりますように、折尾駅から博多駅間はノンストップと、現在の「ソニック」の最速達列車に匹敵するような運行でもありました。

 

 しかも、所要時間も小倉~博多間で約1時間で運行されておりまして、急行列車に匹敵するような運行でもありましたし、さらに当時は西鉄バスの高速バスも福岡~北九州間でまだ運行されていない頃でもありましたので、まさに福岡~北九州間は独壇場と言う姿も見られておりました。

 

 特別快速列車の小倉~博多間の停車地です。後述のように小倉駅より先・博多駅より先でも運行する列車が存在しておりましたが、これらはいずれも各駅停車としての運行でもありましたので、特に発揮しておりましたのが小倉~博多間であった事が伺わせております。

 

 小倉~戸畑~八幡~黒崎~折尾~(ノンストップ)~博多

 

 

 では、この時刻表よりご紹介してまいります。以下画像は小倉発南福岡行きでありますが、この列車の場合はラッシュ時もありまして、所要時間も1時間03分でした。また、以下画像・以降画像の青囲いからもわかりますように快速列車ももちろん存在しておりまして、小倉~博多間の当時の停車地は・・・

 

 小倉~戸畑~枝光~八幡~黒崎~折尾~海老津~赤間~東郷~福間~古賀~香椎~吉塚~博多

 

と、現在は快速列車は停車しない枝光・海老津各駅にも停車していた事がお分かりいただけます。

 

 

 次は、門司港駅発の系統であります。この列車に関しましては所要時間は1時間01分で運行されていた事がお分かりいただけますが、隣にあります黄色囲いの東京→博多間の寝台特急「あさかぜ」、橙色囲いの現在の「ソニック」の前身でもあります、大分→博多間急行「ゆのか」がいずれも58分で小倉→博多間を運行されておりましたので、それに匹敵する運行であった事がお分かりいただけます。

 

 

 こちらの画像は、小郡(現・新山口)駅発で運行されておりました南福岡行きであります。こちらの列車は小倉→博多間は1時間切りの57分で運行されておりましたが、先述のように特別快速列車でありましても、小倉~博多間以外の区間では各駅停車での運行でもありましたので、小郡駅から小倉駅までの約2時間は各駅停車としての姿が見られていた事が伺えるのではないかと思います。それにしても、現在九州の車両は下関駅まででありますが、当時は小郡駅まで(しかも宇部線経由も含め)直通列車が運行されていた事がわかる姿でもあります。

 

 (隣の熊本行きも小倉→博多間は57分での運行でした)

 

 

 こちらは、夕刻に運行されておりました下関発博多行き(右側)でありますが、この列車に関しましても小倉→博多間は1時間切りの58分で運行されておりました。それとともに、隣の橙囲いには由布院駅発で日田彦山線経由でキハ58系気動車で運行されておりました急行「ひこさん」が見られておりますが、この列車に関しましては1時間01分で運行されておりまして、急行列車よりも早い所要時間でも運行されていた事がお分かりいただけるのではないかと思います。

 

 

 こちらは、門司港→熊本間で運行されていた系統であります。この列車の場合は小倉→博多間は1時間切りの59分でありましたが、先述のように小倉~博多間以外は各駅停車でもありますので、博多駅から熊本駅まででしたら2時間40分もかかっていた事がお分かりいただけます。つまり、同じく各駅停車区間の門司港→小倉間も含めまして、所要時間がちょうど4時間ですので、約3時間は各駅停車として運行されていた事がお分かりいただけるのではないでしょうか。

 

 

 ここからは、上り列車もご紹介します。南福岡駅7時34分発の場合は博多→小倉間が58分、8時32分発の場合は57分で運行されておりましたが、やはり博多→折尾間がノンストップでもありますので、所要時間がいずれも36分と早く行かれていた事が分かるのではないでしょうか。それでも、現在の「ソニック」が博多~折尾間ノンストップで30分切りで運行されておりますので、それに及ばないのは仕方ない所でもありますが、特急券がいらなくてここまで行けていたのはやはり魅力的ではなかったかと思います。

 

 

 こちらは、荒尾駅発・荒木駅発系統であります。それぞれ所要時間は博多→小倉間で59分・58分で運行されていた列車でありましたが、荒尾駅発の場合は門司駅で下関行きを分割させておりますので、この列車の場合は8両は連結されていた事が伺えるのではないかと思います。やはり、冒頭ご紹介しましたように高速バスも運行されていない時代でもありましたので、それだけ8両でも運行されていたほど多くの利用者も見られていた事も伺わせているのではないでしょうか。

 

 

 今回は、鹿児島線の小倉~博多間で運行されておりました「特別快速列車」に関しましてご紹介しましたが、快速系統で折尾~博多間ノンストップと言うのは正直魅力的なものではなかったかなと思う所ではあります。しかも、当時運行されておりました特急・急行にも匹敵していましたので、それぞれ特急券・急行券がいらなくて利用できていたのが良かったのではないかと思います。残念ながら、この「特別快速列車」と言うのは昭和55年に廃止されまして、以降運行される事はありませんが、現在みたいに区間快速列車が主に見られている事を考えますと最も良かった系統ではなかったかなとも思ってならない所ではありましょうか。

 

 (注)時刻表画像に関しましては、わかりにくい場合は画像をクリック・アップしてご覧ください。

 また、今回の参考資料は他の方々のHP・ブログ・動画を参考にしております。