NO.2966 過去撮影画像から、西鉄GP西工92MCSD-II架装「ムーンライト塗装」全10台 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

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 西鉄バスで見る事ができます夜行塗装と言いますと、現在最も知られておりますのは上の画像の「白夜行色」でありまして、各地でこの姿を見る事ができております。

 

 現在、この塗装の車はいずれも博多営業所に所属しておりまして、いずれも三菱エアロクィーン(形式・QRG-MS96VP)であります、福岡~名古屋線「どんたく号(画像2、4875)の夜行高速路線バスで見る事ができておりますし、昼行路線の福岡~延岡線「ごかせ号(画像1、4874)でも見る事ができておりまして、各地で活躍する姿を見る事ができております。

 

 また、福岡~東京線「はかた号」の続行でも使用される事もありまして、画像がその時の姿ではありますが、実際にこれまでは多客期や検査時に見られておりました。ただ、現在は「新型コロナウイルス」によります需要減や、先代「はかた号」専用車も続行で使用される場合もある事から、なかなか上京する機会も少ないようではありますが、今後「コロナ禍」が落ち着きましたらまた東京まで運んでいただきたい所ではあります。

 

 尚、画像の同じく三菱エアロクィーン4302(BKG-MS96JP)は、最近幕式行先を外しまして、「にしてつ」と書かれた固定行灯に変わっておりまして、幕式時代とは見た目も変わっております。これで夜行専用車(「白夜行塗装」)でサボ以外で行先を出す車はいなくなっておりまして、行先はサボが頼りとなっております。

 

 (「ごかせ号」時)~令和5年撮影、この時点でも行先は使用されず


 

 さて、今回皆様にご紹介しますのは、かつての西鉄グループの代表的な夜行塗装でもあります「ムーンライト塗装」に関しましてご紹介しますが、この塗装は残念ながら平成27年に全廃となっております。今回は、その「ムーンライト塗装」の車に関しまして、西日本車体(西工)92MCSD-II架装車に限りまして皆様にご紹介してまいります。
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 西鉄グループ(西鉄バス・旧西鉄高速バス)の西工92MCSD-IIボディは、いずれも平成8・9年式の三菱エアロクィーンとなっておりまして、年式からもわかりますように形式はいずれもC-MS822Pであります。

 

 内訳は、平成8年式が6台、平成9年式が4台の計10台が導入されておりまして、「ムーンライト号」の他、後述のようにそれ以外の路線にも使用されておりました。


 

 そもそも、この「ムーンライト塗装」の由来は名称の通り、昭和58年に本格的な夜行高速バスであります、平成28年に廃止されました福岡~大阪線(当時)「ムーンライト号」の専用車として、西鉄バスで初採用されたものでありました。それとともに、共同運行会社であります阪急バスにも、そのムーンライト塗装が採用されておりまして、注目を浴びておりました。

 

 また、その「ムーンライト号」では、当時は「ムーンライト号」を表します「MOON LIGHT」と言う表記も入れられておりまして、明らかに専用車である事を表すようになっておりました。

 

 さらにこの塗装は、平成元年以降の夜行高速バスブームにも乗りまして、福岡県内や佐賀・熊本県内含む各地発着の西鉄バスの夜行高速路線でも採用されておりまして、この塗装にその路線専用車である事を表す表記が付くようにもなりまして、その路線専用車である事をアピールするようにもなっておりました。


 

 しかし、ブームは去りまして、それと同時に不採算路線は徐々に廃止されて行きまして、それによりまして表記も省略されるようにもなりました。また、平成2年に採用されました、福岡~東京線高速バス「はかた号」用の「白夜行塗装」が、名古屋線「どんたく号」などにも採用されるようにもなりまして、西工58MCから変わりました92MCによります「ムーンライト塗装」も平成9年式を最後に採用されず、以降は「白夜行塗装」での採用となっております。


 

 では、ここからは92MCSD-IIの「ムーンライト塗装」10台をご紹介してまいりますが、まずは平成8年前半に導入されました3台であります。
 
 (3133 最終配置・福岡高速営業所)
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 (3134 最終配置・西鉄高速バス福岡支社)
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 (3135 最終配置・西鉄高速バス福岡支社)
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 これら3台は、いずれも「ムーンライト号」用として58MCからの置換用として導入されました車でありますが、それとともに東京線「はかた号」などの路線にも続行などで使用されておりました。

 

 やはり、この塗装自体普段は大阪までしか足を運ばない車でもあった訳でしたが、東京でも見る機会があった事自体東京の方々もよかったのではないかと思うほどです。尚、これら車は「MOON LIGHT」と言った表記はない、塗装のみであるのが特徴でありまして、複数の路線にも対応していた事も伺わせております。

 

 この3台のうち、最も最後まで残りましたのが若番の3133でありまして、本州以外にも九州内の路線でも活躍する姿が見られておりました。以下画像は、福岡~延岡線「ごかせ号」、上の画像の3133では福岡~宮崎線「フェニックス号(昼行便)」でありましたが、西鉄バス便は現在は4列シート車かセレクトシート(前3列・後4列)車での運行となっておりますが、かつては「ムーンライト塗装」でも見られていた事がお分かりいただけます。
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 そして、3134は平成20年より運行を開始しました福岡~松山線「道後エクスプレス福岡号」にも使用されておりまして、画像のように道後温泉も経由する事から温泉マークまで入った方向幕が特徴でありました。しかし、平成22年に旧西鉄高速バスが撤退しまして、以降はこのような姿は見られなくなっておりました。
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 次は、平成8年後半に導入されました3台をご紹介してまいります。

 

 (3174 最終配置・西鉄高速バス福岡支社)~リアのみ
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 (3175 最終配置・西鉄高速バス福岡支社)
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 (3176 最終配置・福岡高速営業所)
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 これら3台も、58MCの置換用として導入されました車でありまして、当時運行されておりました「ムーンライト号」以外の路線の置換として使用されておりました。中でも、3176に関しましては、新製導入は旧荒尾営業所熊本ナンバーでの登録でありまして「ちくご号」専用車として使用されておりましたが、その後は福岡高速営業所・博多営業所・北九州高速営業所を転々としまして最終配置は福岡高速営業所となっておりました。

 

 実際にその3176では、当時運行されておりました北九州・福岡~宮崎線「フェニックス号」夜行便でも画像のように使用されておりまして、この塗装の車が昼行・夜行ともに宮崎へも足を運んでおりまして、北九州ナンバーとしての姿も見られておりました。
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 尚、相方3175も高松線の初代専用車として旧西鉄高速バス北九州支社に所属しておりましたが、運行開始直前に北九州支社所属のまま福岡支社に配置される事になった事から福岡ナンバーとなっておりまして、上の画像のように○北がその証となっておりました。ちなみに、この車のみリアのテールランプの配置が変わっておりまして、上段が赤テール、下段がウインカーと他の車と違いが見られておりました。


 

 そして、平成9年に導入されました4台をご紹介します。

 

 (3241 最終配置・西鉄高速バス福岡支社)
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 (3268 最終配置・西鉄高速バス福岡支社)
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 (3269 最終配置・博多営業所)~画像なし

 

 (3270 最終配置・西鉄高速バス福岡支社)
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 これら4台も、58MCSD-IIが運行されておりました中国・四国方面に運行されておりました車両の置換用として導入されました車でありました。しかし、これら路線もその後廃止・西鉄の撤退と言う形になりまして、以来他の昼行・夜行路線に使用されておりました。

 

 尚、このうち、3269に関しましては、平成15年に中国自動車道で発生しました「はかた号」の事故によりまして残念ながら廃車になっておりまして、わずか6年と短命となっております。

 

 こちらの画像は、平成21年撮影の、10台の中で最も若い3270の東京線「はかた号」の続行シーンであります。この姿は最後の画像(両備バスの三菱エアロクィーンとの並び)とともに懐かしくも感じさせられる所でもありますが、よく見ますと「5号車」と書かれている所から多く「はかた号」に続行便が運行されていた事も伺えるような姿でもありましょうか。
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 さて、こちらは平成26年に撮影しておりました旧福岡高速営業所(那の津4丁目)内に駐車しておりました「ムーンライト塗装」の廃車となりました画像です。この撮影時は車籍がありました3241と、廃車となりました3135の姿がありました。

 

 3241の側面~リアの姿です。この姿を見る限りはまだ現役であった事を伺えさせる姿が見られておりました。しかし、ナンバープレートが薄くなっている姿が、17年間このナンバーで登録させている事を伺わせるような姿も見られておりました。尚、この車が西鉄グループでは最後に残りました「ムーンライト塗装」でしたが、翌平成27年に廃車となっておりまして、これに伴いまして「ムーンライト塗装」は全廃となっております。
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 一方、こちらは離脱しました3135であります。この撮影時、残念ながらナンバープレートが外されておりまして、この後廃車処理をなされる方向へと進む事になるようでした。しかも、その下の画像にありますナンバープレート部分を見ますと、「福岡22か57-04」の跡が見られておりまして、こちらも18年間もそのナンバーを貫いていた事を伺わせるような姿が見られておりました。
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 (ナンバー跡)
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 今回は、過去撮影画像より、西鉄グループの「ムーンライト塗装」の西工92MCSD-II架装車に限りまして全10台をご紹介しましたが、この「ムーンライト塗装」も西鉄グループの代表的な夜行高速バスの塗装でもあっただけに、この塗装が姿を消しまして過去のものになってしまった事は残念に思います。現在は「白夜行塗装」が一般的である事を思いますと仕方がない所でもありますが、今後私個人としましては、現在の車両にせめてラッピングでもいいですので復活していただければとは思いますが、姿を消して9年にはなりますが、それでも伝統的な塗装でもある事には間違いないですので復活を願いたいものではあります。
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