これまでも当ブログ内でもご紹介しておりますように、西鉄グループが関わっております夜行の高速路線バスは現在は縮小傾向となっておりまして、各地の路線におきまして撤退・休止が相次いでいるのが現状でもあります。
最近では、今年6月末の運行を最後に西鉄バス・両備ホールディングス(両備バス)・下津井電鉄の3社で運行されておりました、福岡~岡山線「ペガサス号」が西鉄バスが運行から撤退(画像1、4851・三菱QRG-MS96VP)、これに伴いまして両備バス・下津井電鉄の2社運行に変わっております。
また、1月には西鉄バスもかつて運行に関わっておりました、日ノ丸自動車運行の「大山号(鳥取200か・639、日野QRG-RU1ESBA)」が廃止されておりまして、今年は支援を含め、西鉄グループでは2路線で廃止・撤退の動きが見られておりました。
過去には、主な路線では平成28年には老舗路線でありまして、日本の夜行高速バスの礎を作った路線でもありました、神戸・大阪・京都線「ムーンライト号」も廃止されておりましたし、九州内の夜行高速路線バスも令和2年には福岡~鹿児島線「桜島号」の夜行便・福岡~宮崎夜行の九州内夜行2路線も「新型コロナウイルス」の影響による運休ののち廃止されておりまして、これによりまして九州内の夜行高速路線バスも姿を消しております。
その一方、元高速ツアーバスとして運行されてきた路線が現在は多く見られておりまして、特に福岡~関西方面間ではより多く見られております。以下画像の「ウィラーエクスプレス(祐徳自動車運行)」では、佐賀・福岡~大阪線(佐賀230あ・801、三菱QRG-MS96VP)、佐賀・福岡~広島線で今年4月から西鉄天神高速バスターミナルに乗り入れるようになっておりますし、昨年には福岡系統(日本高速バス運行)も博多バスターミナルに乗り入れを果たしておりまして、日本一の高速バス専門事業者としての姿が見られております。
尚、それ以外にも私が詳しく把握できないほどの路線が博多駅近くのハーツバスステーション博多発着で関西方面間を中心に運行されております。やはり老舗路線がその分姿を消すのもわからなくもないですが、こうした元ツアー系の路線も「コロナ禍」が明けつつある中再び本格化が見られているのも伺わせているようではあります。
こうした老舗夜行路線が縮小されている中で、過去には廃止となりました高速バス停も存在しておりまして、その1つがこれからご紹介します高速門司港バス停でありまして、今からちょうど9年前の平成26年12月に廃止されております。今回は、廃止直前の画像も含めまして皆様にご紹介してまいります。
高速門司港バス停は、西鉄バス北九州の大久保越バス停が最寄りバス停となっておりまして、このバス停へは、門司港駅からならば海岸経由の田野浦方面行きのバスを利用しまして約10分で行く事ができておりました。
(田野浦方面)
(門司港方面)
また、バス停には画像のような案内板も設けられておりまして、利用者向けの策が取られておりました。それにしても、この頃でも路線廃止も相次いていた頃でもありましたので、隠されている路線も多かった事が伺えておりました。
しかし、このバス停の利用者はそんなにはいらっしゃらなかったようでありまして、一日はおろか、月に数名程度の利用者しかいらっしゃらなかったとの事でありまして、そう言った事から廃止へと至ってしまったようでありました。やはり、一日に数名程度ならばわかりますが、月に数名程度では正直廃止はやむを得なかったのではないかと思います。
高速門司港バス停の廃止末期当時の停車路線・時刻です。既に本州路線では関西方面の停車はなく中国方面のみの停車となっておりましたし、それとともに四国路線も高松・高知方面と停車しておりましたが、その後冒頭でもご紹介しましたように、廃止や撤退などの動きが見られておりまして、現在は既に高知線・鳥取線が廃止、高松線が旧西鉄高速バス撤退、そして出雲・松江線がJR系のバス事業者の運行、岡山線が西鉄バス撤退に至っておりますので、全ての路線でその後動きがあった事が伺えるのではないでしょうか。
(運行事業者は当時のものです)
倉敷・岡山 23:55発 西鉄バス・両備バス・下津井電鉄運行
丸亀・高松 23:30発 西鉄高速バス・四国高速バス運行
川之江・高知 23:35発 とさでん交通運行
出雲・松江 22:55発 一畑バス・中国ジェイアールバス運行
米子・鳥取 0:05発 日本交通・日ノ丸自動車運行
(運行事業者は当時のものです)
倉敷・岡山 23:55発 西鉄バス・両備バス・下津井電鉄運行
丸亀・高松 23:30発 西鉄高速バス・四国高速バス運行
川之江・高知 23:35発 とさでん交通運行
出雲・松江 22:55発 一畑バス・中国ジェイアールバス運行
米子・鳥取 0:05発 日本交通・日ノ丸自動車運行
ここからは、高速門司港バス停に廃止前に訪問した際の画像を皆様にご紹介します。尚、一部画像では灯りが少ない事から、本来ほとんど使わないフラッシュも使用しましての撮影も行っておりますのでご了承いただきたいと思います。
バス停入口に入りまして、乗場の方へと進んでまいります。この高速門司港バス停は、画像にあります関門自動車道門司港インターの所にバス停が設けられておりますので、朝から晩まで乗用車やトラックなどの通行が多いインターでもあります。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/16/kousan197725/b2/a5/j/o0560035414198578571.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/16/kousan197725/b2/a5/j/o0560035414198578571.jpg?caw=800)
その門司港インターを眺めながら、高速門司港バス停へと進んでまいりますが、このバス停自体の灯りは画像のようになく、暗い中でバス停へと進まないといけませんでした。もしもここに門司港インターがなかったならば、本当に真っ暗な中であったと思いますと立ち入ろうと思っても立ち入りにくかったでしょうか。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/16/kousan197725/3a/8a/j/o0560035714198579172.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/16/kousan197725/3a/8a/j/o0560035714198579172.jpg?caw=800)
また、その先へと進みますと階段がありまして、ここを上りますと上りホームへと進んでまいります。それにしても、ここに灯りはありますが、その前と後述のその後に灯りがないのは寂しい所であると言われてもおかしくないでしょうか。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/16/kousan197725/88/a7/j/o0560035514198579919.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/16/kousan197725/88/a7/j/o0560035514198579919.jpg?caw=800)
ガードを通りまして、再び階段を上ります。その階段を上りますと、後述のように上りバス乗場へとやってくる事になります。ここには灯りが画像のように設けられておりまして、先述のようにその前のガードにはありませんでしたので、ここに灯りがついてくれててよかったとも思う所でもありました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/16/kousan197725/18/5e/j/o0560035514198580312.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/16/kousan197725/18/5e/j/o0560035514198580312.jpg?caw=800)
そして、階段を上りますと、上りバス乗場へとやってまいりました。しかし、その下の画像からもわかりますように、上りバス乗場内には灯りが灯っておらず、ここが本州・山陰・四国方面へのバス乗場と言った印象がこの姿からは伺う事ができませんでした。ですから、このように灯ってもいなければ、まるで降車専用のバス停、あるいはもう休廃止となったバス停ではないかと思うような姿でもありました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/16/kousan197725/75/99/j/o0560035614198580335.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/16/kousan197725/75/99/j/o0560035614198580335.jpg?caw=800)
灯りのないバス停内へと入った際の画像です。この画像では、上の画像ともにフラッシュを使用しております事はご容赦いただきたいと思いますが、中は他の高速道路上のバス停と同様、待合用のベンチが設けられているだけのシンプルなものでありました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/16/kousan197725/bc/81/j/o0560035514198583306.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/16/kousan197725/bc/81/j/o0560035514198583306.jpg?caw=800)
高速門司港バス停内の路線と時刻の案内であります。ここには上の表にもあります路線・時刻、そして途中停車地及び運賃が表示されておりまして、これでも本州・四国・山陰方面へ5路線が停車していた事がお分かりいただけるのではないかと思います。しかし、後述にもありますようにその後は廃止される事が決まっていた訳ですし、先述までの乗場までの姿を見ましてもこれだけこのバス停に停車していると言う印象、そして利用者も少なかったかなとも感じさせるのが残念な所でもありました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/16/kousan197725/5c/a1/j/o0560037114198583307.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/16/kousan197725/5c/a1/j/o0560037114198583307.jpg?caw=800)
また、案内看板の下には、残念ながらこのバス停が廃止される事を記載された貼り紙もありました。何と言いましても「当バス停を廃止」と太字で書かれている所がこのバス停が廃止となる事を伺わせる姿ではなかったかとも思う所でもありますし、隣の「ムーンライト号」の一足先の停車廃止がより残念な姿ではなかったかと思うほどでした。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/16/kousan197725/37/d4/j/o0560035414198583310.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/16/kousan197725/37/d4/j/o0560035414198583310.jpg?caw=800)
ここからは、下り福岡方面のバス停をご紹介します。下りバス停は、廃止末期時には乗車する事ができる路線はなく、先述の5路線の降車専用となっておりました。したがって、以下画像の看板にもにもありますように「乗車できません」と書かれている事がお分かりいただけるのではないかと思います。
下りバス停へは、門司港インターが見渡せる所にあります画像の階段を上ってバス停へと向かう事になります。こうして見ましても、上りバス停のように暗い中を歩くよりはましではなかったかとは思いますが、それでも強風時には揺れる事もあったなど、こちらの下りバス停も環境的にはあまりよくない事が伺える所でもありました。
階段を上りまして、柵を抜けますと、その下の画像にもありますように下りバス停へとやってまいります。下りバス停は、上りバス停とは対照的に、画像からもわかりますようにバス停の周りやバス停内には灯りがついておりまして、正直本州・四国・山陰方面への乗り場よりは行きやすかったのではないかと思う所でもありました。
灯りがついております下り待合室内の画像です。ここには上り線と同様、待合用のベンチが設けられているだけのシンプルなものでありますが、こちらの場合は降車専用である事を思えば仕方がない所ではなかったかと思います。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/17/kousan197725/94/bb/j/o0560035514198594567.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/17/kousan197725/94/bb/j/o0560035514198594567.jpg?caw=800)
また、この下りバス停自体も降車専用である事から、各路線の(到着)時刻表・路線図は表示されておりません。私としましては例え到着時間が早朝と早かれども、責めて各路線の到着時刻くらいでも表示してくれればよかったようにも思ったほどでした。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/17/kousan197725/d3/90/j/o0560035514198594591.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/17/kousan197725/d3/90/j/o0560035514198594591.jpg?caw=800)
ここからは、平成21年に撮影しました画像をご紹介しますが、下りバス停での明るい時の画像です。このバス停の下関方向には和布刈(めかり)トンネルがありまして、その先にめかりパーキングエリア、そして関門橋へと至る事になります。この撮影時には、関門自動車道の車両の通行が非常に多く、そんな九州~本州間の大動脈の中に高速門司港バス停が存在していた事がお分かりいただけるのではないかとも思います。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/17/kousan197725/7a/2a/j/o0560044814198594615.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/17/kousan197725/7a/2a/j/o0560044814198594615.jpg?caw=800)
高速門司港バス停の下りバス停から見られていた光景です。ここからは本来は関門海峡の姿を見る事ができるようになっておりまして、画像からもお分かりいただけるのではないかとも思います。尚、画像中央~右側にあります建物が、福岡食糧事務所門司政府倉庫(現・キャリムエンジニアリング)にあたる部分、また左端には「潮風号」を運行します平成筑豊鉄道門司港レトロ観光線の瀬戸町車庫も見られておりました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/17/kousan197725/a7/5e/j/o0560044914198594674.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/17/kousan197725/a7/5e/j/o0560044914198594674.jpg?caw=800)
また、このバス停に行く道の所には、画像のような所も見られておりました。それが画像のようにビルマ文字で書かれた看板でありますが、これは和布刈公園の近くにあります「パゴダ」を表しておりまして、「パゴダ」へ行かれますミャンマー人に注意を促している事を表しておりましたが、その証としまして、「この道はパゴダに行く道ではありません」と言う言葉があった事がお分かりいただけたのではないかとも思います。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/17/kousan197725/3b/d2/j/o0560044814198594677.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20180526/17/kousan197725/3b/d2/j/o0560044814198594677.jpg?caw=800)
その後、平成26年12月18日をもちまして高速門司港バス停は廃止となりまして、以下画像のように看板、最後の画像にもありますように柵が設けられておりますので、立ち入る事ができなくなっております。看板には、「H26.12月18日付けで廃止となりました。」とありますように、このバス停自体が廃止となっている事が見ていて伺えるのではないかと思いますが、この看板を見ますと、利用者云々から考えましてももう乗降ができなくなったのかと言う事さえも実感できる所でもあります。
こちらは、「ストリートビュー」を引用したものです。現在も上下線では「NEXCO西日本」の管理用施設として残されておりまして、時より職員が見回り等で利用する事があるようですし、非常時の非常口としても活用されているようですが、バス停待合室は撤去されております。さらに、特に上り線のバス停跡では雑草に覆われている部分も見られておりまして、管理用施設扱いでも正直残念な姿が伺わせているようではあるようです。
(門司港インターより下り線バス停部分)~現在も通路・階段は残されています
(下り線バス停跡)
(上り線バス停跡)~雑草に覆われている事がわかります
それにしても、このバス停自体、先述のように近くには門司港レトロなど観光地もありますので、元からこのバス停に関しまして、西鉄や北九州市が案内を出すなどして宣伝するなど活性策でもあっていればこんな事にならなくてよかったのではないかと思いますし、福岡~下関線などの近距離路線もこのバス停に停車していれば良かったとも思ったのですが、そう言った動きもなかったのも廃止へと至ってしまった要因ではなかったかとも思いますし、廃止末期のような暗いような所も見らずに良かったのではないかと思います。何と言いましても、夜行高速路線バスのみと言うのは正直少なすぎる印象が強かったようにも思いますので。
今回は、廃止から今月で9年になります高速門司港バス停に関しまして、廃止前の画像など、過去に撮影していた画像をご紹介しましたが、廃止までの間には停車廃止になっていたバス停もあったなど、利用者が元々少なかった事が伺わせる姿が見られていたのが残念ではなかったかと思います。また、廃止前に残った路線もその後廃止・撤退などが全ての路線で見られているだけに、路線自体も老舗ほど動きが見られていた事も9年と言う時を感じさせられる所でもあります。先述のように、現在もそのバス停跡は関門自動車道上でも見られておりますが、ご覧の皆様も拝見できるようならば拝見してみてはいかがかと思います。
(注)本文にもありますように、一部掲載画像はフラッシュを使用しております。