このタイプは、西日本車体(西工)02MCSD-I架装車ではありますが、SD-Iゆえスーパーハイデッカー形状とはいえ、シャーシがハイデッカーシャーシをはいているのが特徴でもありますし、形式も「ADG-RA273RBN」でもありますので、その後のPKG-規制車が多く生産されていたのに対しまして、ADG-規制の期間が短かった事もありまして多くは生産されておりませんでした。尚、同形式のSD-IIボディの場合が西武バスにも導入されておりましたが、こちらも4台の導入にとどまっておりまして、それほど台数が少なかった事もわかります。
このタイプの特徴としましては、日産ディーゼルではこの後さらにPKG-規制車でも見られる事になりますボタン式のトルコンAT車であるとともに、アドブルーを注入する事にもなります尿素SCR導入車でもありまして、これらは当時九州では初導入車でもありました。これによりまして、排ガスもクリーン化されるに至っておりまして、導入当初には以下画像のような「世界NO.1」ステッカーも貼りつけられていたほどでもありました。
さて、今回ここからは佐賀県内への転属車も多く見られております、昭和バスの日産ディーゼルスペースウイングの現状に関しまして、皆様にご紹介してまいります。
昭和バスの02MCSD-Iによります日産ディーゼルスペースウイングは、平成17年暮れから平成18年の初頭の2回にわたって5台ずつ導入されておりまして、平成17年導入車は福岡営業所に5台、そして平成18年導入車が福岡営業所に2台と唐津営業所に3台が導入されておりまして、このうち平成18年導入車のうち1台が、当初は画像の近畿日本ツーリスト「メイト」のカラーとなっておりまして、従来とは違った姿を見せてあったのが特徴でありました。
(平成17年暮れ導入、福岡200か12-61)
(「JALパック・エースJTB」専用車を表すステッカー)~撮影当時
先述のように、この年の導入車は福岡営業所に2台、唐津営業所に3台でありましたが、この3台はいずれも唐津営業所に所属していた車でありまして(佐賀200か・361~・363)、佐賀ナンバーで登録されていた事がお分かりいただけるのではないかと思います。
このうち、こちらの画像はこの年撮影しておりました唐津営業所所属時代の佐賀200か・362であります。唐津営業所所属車にとりましても、尿素SCR車はこの車が初めての導入車でもあった訳でありましたが、その後はさらに高速用・貸切用とこの尿素SCRタイプの車が増えて行く事にもなりますので、この車はまさに先駆けであったと言えるのではないかと思います。
しかし、これら3台は平成19年から翌20年にかけまして福岡営業所に転属しておりまして、転属後は以下のナンバーに改番の上で使用されておりました。この時点では福岡営業所に移った事で全10台が福岡営業所に集中配置となっていた事もお分かりいただけるのではないかとも思います。
佐賀200か・361→福岡200か17-65
佐賀200か・362→福岡200か17-66
佐賀200か・363→福岡200か15-99
(福岡200か17-66←佐賀200か・362)
その後、平成28年に導入されました、日野セレガ・いすゞガーラの新車導入に伴いまして、3台が佐賀営業所に転属しております。このタイプの佐賀ナンバーでの登録は実に8年ぶりと言う事にもなりましたが、再び佐賀ナンバーが見られるようになったのは懐かしい事でもあった事を覚えております。
(佐賀200か・947)
さらに、平成30年には平成18年に導入されておりました1台が唐津営業所に転属しておりまして(尚、既に貸し出しとして唐津営業所には見られておりました)、12年ぶりに唐津営業所にスペースウイングの所属車が戻ってきておりました。先述のように12年前には唐津営業所に新製導入されていた車もあっただけに、佐賀ナンバーでもある事から、収めておりましてまた所属車が見られるようになった事を見ていて実感する姿でもありましょうか。
(佐賀200か10-43)
(前車番、福岡200か12-82登録時代)
また、平成31年春には佐賀営業所から佐賀200か・946が唐津営業所に転属しておりまして、この時点では福岡営業所6台、唐津営業所・佐賀営業所各2台ずつとなっておりまして、改めまして福岡県・佐賀県両県から見られるようになっている事を伺わせておりました。
(佐賀200か・946)~この下の画像は佐賀200か10-43との並びです
令和4年には、佐賀営業所にさらに2台が福岡営業所から転属しまして、これによりまして福岡営業所・佐賀営業所に4台、唐津営業所に2台が所属するようになりましたが、これによりまして全10台中6台が佐賀県内の営業所に所属すると言う事にもなりましたので、その分これまで福岡営業所に集中配置していた頃としますと大きく様変わりした事もお分かりいただけるのではないかとも思います。
(佐賀200か11-89)~前福岡200か12-60
(佐賀200か11-90)~前福岡200か17-65
そして、今年に入りましてからは佐賀営業所に所属していた車が福岡営業所に戻りましたが、唐津営業所に福岡営業所から2台が転属しておりまして、その結果、福岡営業所に3台、佐賀営業所に3台、そして唐津営業所には最も多い4台が所属するようになっておりまして、佐賀営業所・唐津営業所では一般貸切もしくは九州電力玄海発電所向けの特定貸切として使用されております。
(佐賀200か12-39)~前福岡200か12-64
(佐賀200か12-83)
このうち、佐賀200か12-83は前ナンバーは福岡200か12-83と、以前は上の画像のように近畿日本ツーリストの「メイト」カラーとなっていた車でありました。やはり特筆するのが、希望ナンバー(230ナンバー)ではないナンバー(200ナンバー)で同じナンバーを名乗るというまさに偶然なナンバー変更が起こっていた事には驚きではないでしょうか。またよく見ましても、フロントの「SHOWA」の位置が大きな見分けではないかと思います。
(福岡ナンバー時代)
ここからはナンバーの変化をご紹介します。昭和バスの貸切車と言いますと、福岡県・佐賀県に営業所がある事から福岡ナンバー・佐賀ナンバーそれぞれが見られている事に関しましては仕方がない事でもありますし、それによるナンバーの改番も見られている事もわかりますが、中には唐津営業所に新製配置されていた車も2度の改番を経まして佐賀ナンバーに戻った車も見られている事もお分かりいただけますし、先述のように偶然200ナンバーで同じ車番で再登録された車も見られているなどナンバーの変化が激しい事もお分かりいただけるのではないかと思います。
(左から新製導入時のナンバー、転属がない車も記載)
福岡200か12-60→佐賀200か11-89(佐賀)
福岡200か12-61→佐賀200か・956(佐賀)
福岡200か12-62(福岡)
福岡200か12-63→佐賀200か・947(佐賀)
福岡200か12-64→佐賀200か12-39(唐津)
福岡200か12-82→佐賀200か10-43(唐津)
福岡200か12-83→佐賀200か12-83(唐津)
佐賀200か・361→福岡200か17-65→佐賀200か11-90(佐賀)
佐賀200か・362→福岡200か17-66(福岡)
佐賀200か・363→福岡200か15-99→佐賀200か・946(唐津)
(福岡200か12-60(後に佐賀200か11-89に改番))
尚、先述のように佐賀営業所所属車は運用調整などもありまして、複数台が唐津営業所に数日貸し出されまして玄海発電所の運用に就く事がありまして、このように唐津営業所で見られる場合もあります。唐津営業所では玄海発電所の運用があるため貸切車も使用される事がありますが、最近は「コロナ禍」もありまして定員を減らして運行される場合もありますので、このように貸し出される場合も見られております。
(左の2台が佐賀所属車です)