これまでも当ブログでも述べておりますように、最近の交通業界では人手不足が深刻化しておりまして、これによりまして廃止や減便・運休を余儀なくされている所が多く見られているのが現状でもあります。
特に、令和2年の「新型コロナウイルス」感染拡大以降、乗務されていた方が離職される方も多くいらっしゃっておりまして、それから3年が経過しまして、「コロナ禍」が落ち着きつつありまして、インバウンド客も見え始めている今としましても、人手不足や高齢化が深刻化している事からうまく裁ききれないとも言われておりまして、観光地や地方部では特にそういった姿が見え始めている事も伺わせております。
また、日本国内では「2024年問題」という大きな問題を抱えておりまして、働き方改革法案によりまして、ドライバーの労働時間に上限が課される事になっておりまして、実際に、ドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限される事にもなりまして、あまり長くは勤務できないという問題も迫ってきているのが現状でもあります。
そんな問題を解決するべく、近年では自動運転技術が注目されてもいまして、既に鉄道では「ATO(自動列車運転装置)」を採用している路線も見られておりますが、バス業界に関しましても最終的には無人による自動運転を行う事を目指した実証実験が各地で見られておりまして、まずは自動運転に関する関心を見せるべく所が見られております。
さて、今回ご紹介しますのは、10月に佐賀市で行われましたその自動運転バスの実証実験に乗車してまいりました。今回はその模様に関しまして皆様にご紹介してまいります。
今回の実証実験は、佐賀県と佐賀市が共同で実施したものでありまして、去る10月20日から26日まで実施されておりまして、無料で利用する事ができておりました。私自身も、どうなっているのかと興味があっていましたので、今回事前予約の上で利用するに至っておりました。
今回利用しました車は、日野ポンチョをベースとしました車でありまして、ご覧の皆様の中では画像からもわかる方もいらっしゃるのではないかとは思いますが、ロングタイプが使用されておりまして、後述の画像のように、ドアも前後2ドアの車が使用されておりました。
今回は、茨城県にあります「先進モビリティ」と、東京にあります建設技術研究所によって運行がなされておりまして、以下画像の佐賀駅前から、新たな競技・イベント施設が設けられました「SAGAアリーナ」や総合運動場「SAGAスタ」などがあります「SAGAサンライズパーク」までの約10分、10往復で運行されていたものでありまして、画像のようにバス停も設けられておりました。
今回の運行は、ドライバーが乗車しまして、最初のスタートや一部の交差点ではブレーキやハンドル操作を支援するものの、それ以外では発車や加減速、停止や方向転換などを自動で行います「レベル2」の自動運転を行っておりました。以下画像がその手動運転のシーンでありますが、その後「SAGAサンライズパーク」までは自動運転で動いておりました。
自動運転運行シーンです。その下の画像からもわかりますように、ドライバーはハンドルを持たない状態で動いている事がお分かりいただけるのではないかと思います。この状態では、事前に電子地図から運行区間を出しまして、車線をインプットした形で、GPSやセンサーで交通状況を確認しながら動く形となっておりまして、そう言った事から自動運転へとつながっている事を伺わせておりました。 尚、速度に関しましては軒並み40キロ以下で走行しておりまして、それ以上出ないように設定されていたとの事であります。
こちらは、途中の交差点での停止時のシーンであります。もちろん、自動で車は停止しておりまして、電子地図では信号機の表示も見られておりまして、この時先の信号も赤である事がお分かりいただけます。
「SAGAサンライズパーク」に近くなってまいりました。この後車は左折する事になりますので、速度も25キロに落としている事がわかります。ちなみに、ウインカーは自動で作動するようにもなっておりまして、まさにこの時は完全自動である事を伺わせておりました。
そして、車は「SAGAサンライズパーク」内に入りました。この時も自動運転の状態を維持しておりましたが、停車する際のブレーキでもそんなにショックがないほどでもありましたので、そう言ったブレーキ面に関しましてもしっかりしている事がわかりました。
今回乗車しました日野ポンチョの公式側です。先述のように前後2ドアのロングタイプが使用されておりましたが、アンケートでも実際に書いてもいましたが、運行区間が短いだけではまだまだ判断がつきにくいですので、その倍以上の距離であれば障害等も出てくる場合もありますので、そういった際にどうやってかわしているのかなどを見てみたいなとも思いました。それでも、実際そう言った事も考えている訳ではあるでしょうから、あとは実用化に至るまでのいくつかのハードルを越えていくのも大事ではないかと思ったほどでした。
今回は、佐賀市で行わせておりました自動運転バスの体験乗車の模様をご紹介しましたが、最近では、日産自動車の車で「プロパイロット」の技術で手放し運転できるなどと言った事や、SUBARUの車にあります「アイサイト」で自動ブレーキによりましてぶつからない技術や歩行者検知がわかるシステムなどを採用しているといった例も見られますので、そういった自動運転バスも現実にはそう遠くはない域である事には間違いないでしょうか。しかし、まだまだという域もありますので、そう言った事の克服も大事だと思いますので、これからもそういった実証実験を行いつつ、実証化へつながっていただきたいものであります。