番外 長崎・佐世保線において運行されていた、485系電車の「2階建て」→単独運行→「3階建て」! | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 かつて、長崎・佐世保線系統には、博多~肥前山口(現・江北)間の1つの列車におきまして、かもめみどりハウステンボスのそれぞれ異なる3箇所の行先の特急列車(通称・3階建て)が存在しておりまして、肥前山口・早岐各駅で分かれる形で運行されていた姿が見られておりました。
 
 この「3階建て」とは、肥前山口駅で博多~長崎間の「かもめ」、博多~佐世保・ハウステンボス間の「みどり」・「ハウステンボス」、そして早岐駅でさらに「みどり」と「ハウステンボス」で分かれて運行されておりまして、博多~肥前山口間では10数両もの編成で運行されてもいまして、特に利用者の需要が高い博多~佐賀間の利用者にも重宝されておりました。
 
 
 末期は、上の画像の783系電車によります13両編成で運行されておりまして、「かもめ」が5両編成、「みどり」・「ハウステンボス」が各4両編成で運行されておりまして、まさに「3階建て」と言った姿が博多~肥前山口間におきまして見られておりました。
 
 
 尚、現在も「みどり」・「ハウステンボス」では画像のように早岐駅で分割・併結されまして運行されておりますが、江北駅では特急列車自体の分割・併結は行われなくなっておりまして、現在は朝晩の普通列車のみが見られております。
 
 (早岐駅での分割シーン)~上の画像も同じです、CM23編成+CM35編成
 
 (切り離し後のCM23編成)
 
 (同、CM35編成)
 
 (早岐駅での併結シーン)~CM2*編成+CM1*編成
 
 
 さて、今回ご紹介しますのは、485系電車で運行されておりました、「かもめ」・「みどり」の単独運行列車の当初の頃から「ハウステンボス」も加えました「3階建て」への変化について、皆様にご紹介してまいります。
 
 
 昭和60年の3月改正以前は、上の画像の485系電車で運行されておりました「かもめ」・「みどり」は博多~肥前山口間は必ず併結して運行されておりまして、これら編成も、画像の編成表でありますように、「かもめ」編成8両編成と、「みどり」編成4両編成の合計12両編成で運行されておりまして、先述のように肥前山口駅におきまして分割・併結が行われておりました。
 
 (昭和58年時刻表より)〜普通列車のほとんどは気動車の時代です
 
 しかも、本数も「かもめ」・「みどり」とも同じ本数(13往復)で運行されておりまして、こう言う所が必ず分割・併結を行っていたと言う証しでもあったのが当時の特徴でもありました。尚、編成表の車両の形からもわかりますように、「みどり」は当時は必ずボンネット車両(クハ481形)が12号車に連結されていました
 

 (485系電車、クハ481-603)~この車も「みどり」にも使われておりました

 
 
 そして、昭和60年3月改正では、画像のように「かもめ」・「みどり」との併結運転が5往復廃止されまして、その結果、初めて双方の単独運行列車が登場したのでありました。
 
 (アップ)
 
 この単独運行列車は、それぞれ時間をずらしての運行となっておりますが、佐賀~博多間の運行間隔が約10数分毎になる事もありましたり、さらには初登場となります肥前山口駅通過列車も登場するなど、現在の運行パターンの礎になる所もこの頃には見られておりました。それでも、本数は両系統同じ運行本数で運行されておりまして、単独運行になりましても増発する事はありませんでした。ちなみに、この頃には上の画像の黄色で囲ってありますように、画像の大町駅にも「みどり」が停車していた事がわかるのではないかと思います。
 
 (駅舎は当時とは変わっておりますので、ホームのみご紹介しています)
 
 
 その後、翌昭和61年には完全に単独運行となりますが、JR化後の昭和63年のダイヤ改正におきましては併結運行が再開されまして、その後平成2年には「かもめ」の併結列車が485系電車8両編成から以下画像の5両編成に減車の上変更されましたし、翌平成3年には「RED EXPRESS」に変わる事にもなります(画像は「にちりん運行時」)。また、この時点では「かもめ」21往復、「みどり」14往復と、本数の差が出てきております。
 
 
 さらに、翌平成4年からは博多~ハウステンボス間で特急「ハウステンボス」が登場しまして、この列車が博多~早岐間「みどり」に併結、さらに博多~肥前山口間「かもめ」にも併結する列車もある事から、この結果、「3階建て」が登場する事になりました。尚、当初は「かもめ」5両・「みどり」4両に対しまして、「ハウステンボス」は3両しか連結しておりませんでしたが、平成6年には「ハウステンボス」は利用者増に伴い4両に増やすとともに、の4色を各車ペイントされた車両が登場する事になりました(以下画像は平成10年撮影)。
 
 (「かもめ」編成)
 
 (「ハウステンボス」編成)
 
 (「みどり」編成)
 
 この編成で特筆する事は、黄色の車両はサハ481形となっておりますが、この車両のクーラーは少々見にくいですがキノコ型クーラーのAU12型となっておりまして、編成上では最後のサハ481形の稼動車となっていた事から大変貴重な編成でもありましたが、平成12年の「ハウステンボス」の485系電車運行終了とともに、他のサハ481形とともに廃車となりまして、この年廃形式となっております。
 
 
 また、それ以外の元「ハウステンボス」編成は、サハ481形を外しまして3両編成、さらに一部塗装を変更した以下画像の「K&H」色として鹿児島総合車両所(現・鹿児島車両センター)に転属しまして運行(のちに一部大分車両センターに転属)されておりましたが(その後Dk→Do2編成が国鉄色に変更されています)、平成23年に運行を終了、順次廃車となりましたし、加えまして最終的に九州の485系電車自体は全廃となりましたので、その姿はもう見る事ができなくなっております。
 
 
 こうして、上の画像1・2の783系電車へとつながる事になりましたが、平成23年3月のダイヤ改正では「かもめ」の783系電車運行列車が787系電車に変わりました。私自身、上の画像3にもわかりますように国鉄時代から今までずっと見てまいりましたが、この肥前山口駅で行われておりました特急列車の分割・併結も見られなくなる事にもなる訳でしたので、画像の485系電車からの伝統も終わりを告げると思うと残念でなりませんでしたし、「3階建て」が見れなくなるのも残念でならない所でもあった事を覚えております。
 
 
 その後、783系電車で見られておりました「3階建て」は以下画像の「きらめき」で見られておりましたが、平成30年改正で廃止、現在は「2階建て」の8両編成が九州の特急列車では最長編成となりまして、「みどり」・「ハウステンボス」及び「きらめき」で見られるのみとなっております。本当にこのような長い姿も過去のものになりましたし、もう見られないのかと思いますと残念でならない所でもありましょうか。
 
 (783系電車運行時)
 
 
 今回は485系電車を中心に「3階建て」をご紹介しましたが、私自身もこの「3階建て」が懐かしい所であります。かつて私自身乗車する際にはどれに乗ろうか?とさえも思いまして乗車してもいたほどでありましたし、1つの形式での長い編成が印象的でもあっただけに、現在佐世保線系統では8両編成の「2階建て」の「みどり」・「ハウステンボス」でしか選択できないのも仕方のない所ではあります。それほど編成が短くなっている事に関しましても正直残念な所ではありますが、それぞれの目的地へ向けて運行されている事には変わりはありませんので、これからもこのような姿を見せていただきたいものであります。
 
 (注)当時の画像につきましては、当時の撮影技術上少々画像が見にくいと思いますし、一部画像では見やすくするため編集している部分もありますのでご了承ください。
 
 また、時刻表画像につきましても、縮小画像のため見にくいと思いますが、その際は画像右下をクリックした上でご覧いただく事をお勧めします。