番外 現在も運休中、熊本~佐世保線「さいかい号」平成26年一度廃止前の姿 in 熊本交通センター | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)
令和6年10月記事より更新は夜間から朝に変更しています。

 
 平成31年4月、熊本~佐世保・ハウステンボス間に、高速路線バス「さいかい号」が運行を開始しておりまして、久々に熊本から佐世保への直行便が運行されておりました。
 
 この「さいかい号」は、平成26年9月末に廃止されました「さいかい号」を「さいかい」させたものでありまして、九州産交バス単独で1往復が運行されているものであります。
 
 元々この「さいかい号」は、平成2年に九州産業交通(→九州産交バス)・西肥自動車(西肥バス)によりまして運行を開始したものでありまして、元々の愛称は、福岡~唐津~佐世保間を結ぶ特急バスに付けられておりました「西海」からの愛称でもありましたが、「さいかい号」運行開始の翌年の平成3年頃に「西海」が廃止されまして、以来熊本~佐世保線独自の名称として6往復で運行されておりました。
 
 しかし、燃料費の高騰や、そして利用者減によりまして平成26年9月末に廃止となっておりました。この間には、高速金立・高速神辺各高速バス停にも停車するようにもなっておりましたが、そう言ったテコ入れも報いらなかったようでもあります。
 
 使用車両に関しましても、当初は以下画像の偏心3列シートのハイデッカーが使用されておりましたが、その後は両社上の画像の元夜行用の独立3列シート車もこの「さいかい号」に使用されておりまして、特に西肥バスでは上の画像・後述のように平成25年9月に廃止されました「コーラルエクスプレス(大阪線)」からの転用車も使用されておりました。
 
 【いずれも既に廃車となっております】
 (西肥バス、F485・三菱KC-MS829P)
 
 (同、F518・三菱KL-MS86MP)
 
 (九州産交バス、熊本22か31-04、三菱KC-MS822P)
 
 (同、熊本22か31-54、日野KC-RU3FSCB)
 
 
 そして、上の画像・以下画像のように、4列シート車(熊本200か・492、日野PKG-RU1ESAA)で運行されておりまして、運行本数が1往復に減った事に関しましては正直残念ではありますが、それでも直行便が少なからず見られていた事に関しましては良かったのではないでしょうか。やはり乗り換えの有無だけでも違いが見られていたのではないかとも思いますので。
 
 
 しかし、その「さいかい号」は、「新型コロナウイルス」による需要減で再び運休しておりまして、今後の「さいかい」もまだわかりません。とにかく、せっかく「さいかい」してくれていた中での運休でしたので、また元の姿に戻る事を願いたい所ではあります。
 
 
 さて、今回ここからご紹介しますのは、現在この地は「桜町バスターミナル」などの再開発ビルが建設されております場所に存在しておりました、以下画像の旧熊本交通センターにおきまして一度廃止末期の平成26年9月に収める事ができておりましたので皆様にご紹介してまいります。
 
 
 この時、佐世保駅前バスセンターとともに熊本交通センターでも、画像のように「さいかい号」に関しました貼り紙が貼ってありましたが、ここには西肥バスでは「休止」と記載されておりましたが、九州産交バスでは「廃止」と書かれておりまして、西肥バスで書かれているような姿とは一見違った印象さえも感じられるほどでした。ただ、内容に関しましては間違いないだけに、結局はどちらにしましても従わざるを得ないと言う所は残念でならない所ではありました。
 
 (熊本交通センター内の貼り紙)~「廃止」と記しています
 
 (佐世保駅前バスセンター内の貼り紙)~「休止」と記しています
 
 
 熊本交通センターの降車場では、九州産交バスの「さいかい号」(熊本22か31-03、三菱KC-MS822P)がやってきておりました。この車は平成8年式の車でありまして、元は夜行用の車両でもありまして、熊本~大阪・京都線「サンライズ号」などに使用されておりました。しかも、この年に導入されました三菱エアロクィーン(他31-04・31-05、いずれもKC-MS822P)に関しましては当時珍しい公衆FAXも装備されておりまして、夜行用のサービスに一役買っていた車でもありましたが、その後撤去されております。
 
 その後は日野セレガ等の新車導入等もありまして本州方面予備車となった事から運行される機会は少なくなりましたが、平成24年頃より「さいかい号」及び長崎線「りんどう号」に転用されておりまして、現在は他の車とともに交互に「さいかい号」に使用されておりましたが、「さいかい号」廃止後に廃車となっております。
 
 この車の行先を見ますと「さいかい号 熊本」と記されておりました。この車には、元々からこの行先が入っていたのではないかとは思われますが、色々な行先が入っていると言う事は先を見過ごしてとも思うでしょうし、使用車両変更によりまして急に使用されるようになった際には役に立っていたのではないかとは思います。
 
 この時の乗客は、熊本交通センターにて10名近くの下車があっておりました。それ以前にはどのくらいの下車の方がいらっしゃったのかはわかりませんが、おそらくは10名以上はいらっしゃったのではないかとは思われました。
 
 
 一方、こちらは西肥バスの「さいかい号」でありましたが、この日の最終便ではBKG-規制でありますこの車(F551・三菱BKG-MS96JP)が使用されておりました。
 
 このF551は、画像の「コーラルエクスプレス(大阪線)」で使用されていた車でありました。しかし、平成25年9月の廃止前には整備のために離脱していた事もありまして、運行終了時にはこの車が使用される事はありませんでした。その後、「さいかい号」に転用されますが、この車自体は廃止時最終便には「さいかい号」に使用されておりませんでしたので、これまでも当ブログでもご紹介しましたが、いわゆる最終運行を知らない車でもありました。
 
 (4列化・仮眠室撤去後)
 
 この車は、その後上の画像のように佐世保~福岡線「させぼ号」転用に伴い4列化しましたが、昨年「させぼ号」の座席予約指定化(その前は予約定員制でした)に伴いまして今年廃車となっておりますし、同じく夜行として使用されておりましたエアロバス(F534)も同じく「させぼ号」に4列化の上で転用されておりましたが同じく座席予約指定化に伴い定期運用を離脱しておりまして、元夜行の「さいかい号」専用車は姿を消しております
 
 
 さて、この撮影時には熊本交通センター内にありますバス待機場にて待機している姿を収めておりましたが、アイドリングはストップの状態ではあったものの、LED行先に関しましては画像のように灯しておりました。この車は、行先からもわかりますようにハウステンボスまで運行されておりますので、行先自体も「佐世保・ハウステンボス」と書かれている事がお分かりいただけるのではないかとも思います。
 
 (前面行先)
 
 (後面行先)
 
 
 一方、側面に関しましても画像のようにドアの部分に表示されておりますが、「さいかい号」に転用されたと言う事で「SUNQパス」のステッカーも貼り付けられているのもわかります。確かに使用する事ができる事を思いますとこの表示は当然の事ではないかとは思いますが、それでも夜行として使用された後であった事を思いますと残念かつ仕方ないかなとも思う所でもあります。
 
 
 そして、夜行用として使用されていた証であります、画像のように小窓がそれを伺う事ができます床下仮眠室でありますが、「させぼ号」転用後は上の画像にもありますように撤去されまして荷物置場となっております。この姿も、見ていて寂しい部分ではありますが、それでもかつての証がこのように残されていた事を伺わせていたように思います。
 
 (アップ)
 
 
 このあと、この車はこの日の最終便(熊本交通センター19時発)で佐世保へ向けて帰って行ったようでありますがこの撮影時の利用者が私の都合もありまして見る事ができなかった事は残念ではありました。
 
 
 今回は、「さいかい号」の平成26年の一度廃止直前の模様に関しまして、九州産交バス・西肥バス両社の過去の画像を使用しましてご紹介しましたが、今思いますとこの姿が懐かしい所ではあります。やはり、使用車両に関しましてもご紹介しましたように運行末期には両社とも夜行からの転用車までも使用されておりましたので、よりわからなくはない所ではありましょうか。そんな「さいかい号」は「さいかい」されましても「新型コロナウイルス」による需要減・乗務員不足で運休が続いておりますが、今後再び「さいかい」へと至りまして直行便としての姿を再び見せていただきたい事を切に願う所ではあります。