NO.2924 一番の乗り得!?です、九州産交バス、フェニックス号・なんぷう号用独立3列シート車 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 福岡~宮崎線フェニックス号と言いますと、西鉄バスの一部では前方3列・後方4列のいわゆる「セレクトシート」、西鉄バスの一部、JR九州バスの全便では4列シートが、そして宮崎交通・九州産交バスの全便では3列シート車がそれぞれ運行されております。
 
 これらに関しましては、予約サイトであります「ハイウェイバスドットコム」において「バスの特徴」をご覧いただくとわかりますが、「3列」・「独3」・「4列」と表しておりまして、「3列」・「独3」に関しましては「広め」とも記載されております。尚、西鉄バスのみ存在しますセレクトシートの場合はWEB割引運賃であります(ダイナミックプライシング)を採用している事もありまして、「4列」の中で記されておりまして、座席選択時に3列シートでの選択ができるようにもなっております。
 
 その「フェニックス号」のセレクトシート車も、現在西鉄バスでは廃車が発生しておりまして、その分4列シートが増えております。また、宮崎交通もセレクトシート車が全廃となっている事もありまして、現在の区分は西鉄バスはセレクトシート・4列シート、宮崎交通は全便3列シート(偏心・独立)、JR九州バスは全便4列シートとなっているのが現状でもあります。
 
 (画像1、宮崎交通、宮崎200か・489、日野2TG-RU1ASDA)~独立3列シート車
 
 (画像2、JR九州バス、744-22566、三菱2TG-MS06GP)~4列シート車
 
 (画像3、西鉄バス、2507・いすゞLKG-RU1ESBJ)~セレクトシート車
 
 (西鉄バス、3136・三菱QTG-MS96VP)~4列シート車
 
 (西鉄バス、9905・日産デPKG-RA274RBN)~現在は廃車、セレクトシート車

 

 

 さて、福岡・宮崎の事業者で車両の動きが見られている中、熊本の事業者であります九州産交バスに関しましては先述のように3列シートを維持しております。また、運用によりましては独立3列シート車が使用される場合もありますので、まさに乗り得であると言ってもいいかとも思います。今回は「フェニックス号」、熊本~宮崎線「なんぷう号」におきまして現在使用されております独立3列車に関しまして、平成18年以降導入車を中心に皆様にご紹介してまいります。

 

 

 九州産交バスの独立3列シート車と言いますと、一部車両を除きまして基本的に夜行用として使用される事を目的としておりますので、これら車両の中には乗務員仮眠室が床下に設けられている車両もあります。そのため、大阪・京都方面サンライズ号にも使用されている車両も見られております。
 
 
 では、これら専用車両をご紹介してまいります。まずは平成18年に導入されました車(熊本200か・467、ADG-RU1ESAA)でありますが、この車が九州産交バスの「セレガーラ」高速・特急用車両の中で唯一のスーパーハイデッカー車両となっております。
 
 (「フェニックス号」時)
 
 この車は、このタイプ初の夜行用車両でありまして、座席は独立3列シートとなっております。しかもスーパーハイデッカーでもありますので大変見晴らしはいいでしょうし、荷物を積みます際には重宝しているのではないかとも思います。ただ、この車の難点として、現在は廃止されております熊本~名古屋線「不知火号」の名古屋の発着地であります名鉄バスセンターに入る事ができませんでしたので、以下画像の夜行として運行されていた頃には「サンライズ号」のみの使用にとどまっておりまして、以降の夜行用の車はハイデッカーでの導入となっております。
 
 (「サンライズ号」時代、平成26年撮影)
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 平成20年には、昼夜行の兼用車として熊本200か・598(PKG-RU1ESAA)が導入されておりまして、この車の座席は独立3列シートでありまして、床下には仮眠室も設けられておりまして、昼行の他にも夜行としても使用される事を前提となっております。それでも現在この車は、主に「なんぷう号」をメインに使用されておりまして、本州方面夜行も少なくなった事からもっぱらこの路線もしくは「フェニックス号」で使用されていると言ってもいいかと思います。ちなみに、各座席にコンセントは設けられておらず、中央1箇所に携帯電話充電向けのコンセントが設けられるのみとなっております。

 

 (「なんぷう号」運行時)

 

 (「フェニックス号」運行時)

 

 

 さらに平成21年には、夜行用の新車が2台導入されておりまして、熊本200か・703および707が登録されておりました。
 
 (熊本200か・703)~平成26年撮影、「不知火号(現在廃止)」運行時
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 (「なんぷう号」運行時)
 
 (熊本200か・707)~「サンライズ号」運行時
 
 (「フェニックス号」運行時)

 

 この2台は、鹿児島・熊本~神戸・尼崎線「トワイライト神戸号」の専用車として導入されておりまして、独立3列シート・床下仮眠室付きとなっておりました。しかし、平成22年に「トワイライト神戸号」は運行休止(その後廃止)となりまして、以降は他の本州向けの路線に転用されておりましたが、令和元年9月に「不知火号」が廃止されましてからは、九州内の「フェニックス号」・「なんぷう号」にも入るようにもなっております。尚、これら車には各座席にコンセントが後付けで取り付けられております。
 
 

  平成23年には、「なんぷう号」・「フェニックス号」用に三菱エアロエース(熊本200か・866)も導入されておりまして、排ガス規制もLKG-規制車となっておりまして、形式はLKG-MS96VPとなっております。

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 この車は、九州産交バスでは初のLKG-規制エアロエースでもありまして、この車からクリーンディーゼルエンジンであります「ブルーテック」が標準装備されておりまして、環境に配慮した車が導入された事にもなると言ってもいいのではないかとも思います。尚、平成22年に導入されました日野セレガを最後に九州産交バスの偏心3列シート車の導入は終わっておりますので、この車は昼行用ながら仮眠室なしの独立3列シートとなっているのが大きな特徴でもあります。
 
 (独立3列シートの部分)
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 さらに平成24年には、夜行用の日野セレガも3台導入されておりまして、いずれも独立3列シート・仮眠室・トイレ・コンセント付きとなっております。尚、この3台のうち熊本200か10-09・10-10はもっぱら昼行の「なんぷう号」・「フェニックス号」が本来の担当路線となっておりますし、10-11は「サンライズ号」で使用される場合もあります。
 
 (熊本200か10-09)
 
 (熊本200か10-10)~「なんぷう号」利用時
 
 (熊本200か10-11)
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 また、この年導入されておりましたもう1台が日野セレガの夜行車(熊本200か11-30・QPG-RU1ESBA)であります。この車も先の熊本200か10-09~10-11と同様独立3列シート車の夜行車でありますが、当初は画像にもありますようにもっぱら昼行の「なんぷう号」・「フェニックス号」が主な担当路線でしたが、現在は「サンライズ号」の運行が主となっておりまして、唯一となりました夜行路線・本州向け路線メインで活躍する姿が見られております。
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 そして、令和3年に移籍導入されましたのが、画像の三菱エアロクィーン(熊本200か17-31、BKG-MS96JP)であります。この車は名鉄バスからの移籍車でありまして、名鉄バス時代はおそらく平成21年式を表します29**の社番を名乗っていたようであります。
 
 (超特急スーパーひのくにさん画像提供)
 
 (5月訪問時撮影)~「なんぷう号」時

 
 29**の社番という事で、以下画像のように、名鉄時代には九州路線でも使用されていた経歴もありまして、これらは福岡・熊本・長崎へ足を運んでいた経歴を持つ車でもありましたが、その後座席の幅を広めました「プレミアムワイド」の導入によりまして、他路線に転用の後に廃車となっておりましたが、この車に関しましては九州産交バスが購入しまして、画像のように「フェニックス号」・「なんぷう号」で使用されるに至っております。
 
 (29**で最も最後まで活躍していた2912)~平成26年撮影・「どんたく号」時、令和元年廃車
 
 
 ここからは過去に利用した際の乗車記録であります。私は、以前の人吉訪問からの帰りに、実は画像の独立3列シートのセレガ(熊本200か10-09)を利用しておりまして、約3時間ゆったりと楽しむ事ができておりました。
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 (行先)
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 上の画像の撮影場所は、当時の途中休憩地でありました北熊本サービスエリア(現在は宮原サービスエリア)でありましたが、座席からも画像のように独立3列シートであるのがお分かりいただけるのではないかと思います。尚、「フェニックス号」では、平成23年に席割が設定された際に九州産交便でも後方座席が「席割」エリアとして区画されておりまして、サービスも3列シートと同じサービスとなっていたのが特徴でありました。
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 しかし、その後九州産交便や同じく3列シートのみのJR便(「フェニックス号」復帰後)では「席割」が設定されなくなりまして、3列シートの通常運賃(「ネット割」等も含みます)のみの設定となっておりますが、この時の利用時は「席割」が存在していた事もありまして、8割ほどの座席が埋まっておりまして、この便の関心さも伺えたほどでありました。

 

 (トンネル通過時)~ともに時刻をご覧いただくとわかります
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 こうして、車は福岡へと帰ってまいりましたが、上の画像のようにテレビやDVDを楽しむ事ができますモニターも停車地が近くなりますと運賃表示を出すようになります。やはり、このようにテレビ・DVD・運賃・停車地表示とできるのはいいのではないかとも思う所でもあります。
 
 (「博多バスターミナル」表示時)
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 (運賃表)~運賃は現在よりも高くなっております
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 今回は、九州産交バスの「フェニックス号」・「なんぷう号」に使用されます独立3列シート車に関しましてご紹介しましたが、今回ご紹介しました日野セレガ・三菱エアロエース・三菱エアロクィーン以外でもかつての夜行専用車でも見られておりましたので、それが現在に反映されていると言ってもいいかとも思います。やはり他の事業者が4列シート車やセレクトシート車、3列でも偏心3列シート車でありますので、このようなタイプの存在は大きいと思いますし、一番の乗り得でもある事には間違いないでしょうか。ご覧の皆様も、利用する機会ありましたらこうした独立3列シート便の選択をしてみてはいかがかとも思います。