かつて、佐世保~板の浦間には、上の画像の平成元年時刻表からもわかりますように、直通バスが運行されておりました。
実際に画像2の平成元年の時刻表にあります、赤囲いの佐世保~大瀬戸(板の浦を表します)間がその系統でありますが、この系統は急行バスとなっておりまして、西肥バス及びさいかい交通の前身の長崎バス瀬戸営業所(画像1、現在はさいかい交通本社)が運行を担当しておりまして、早岐→板の浦間はかつての路線をたどった形となっておりました。
それにしても、平成元年の時刻表が懐かしい所ではありますが、これら直通路線は現在は廃止されております。以前早岐田子の浦→板の浦間を乗車してみましてわかりましたが、利用者が非常に少なく、そう考えますとこの直通バスの廃止もわからなくはなかったほどでした。しかし、通しの利用者も少なからずいらっしゃいましたので、そう言った方々にとりましては逆に不便な印象さえも感じさせられる所ではありましょうか。
さて、今回ここからご紹介しますのは、佐世保~板の浦間に運行されておりました路線とともに、かつての時刻表から長崎~佐世保間の西海橋経由便をたどるとともに、末期に長崎バスが運行されておりました「新急行色」専用車全6台を皆様にご紹介してまいります。
以下の時刻表は、上の画像と同じく平成元年発行の昭和63年現在の時刻表から引用しました、長崎~西海橋~佐世保間の時刻表であります。当時は、普通便・急行便・特急便と運行されておりまして、特に特急便では「A特急」・「B特急」と停車地限定で運行されていた系統も存在しておりました。尚、当時存在しておりました西彼町の「長崎オランダ村」は特急・急行便は通過しておりまして、直通バスで利用する事しかできませんでした。
また、この西海橋経由便では、先述の佐世保~大瀬戸急行とともに、画像の大串バス停にて休憩が3~5分間行われておりまして、所要時間2時間を超える場合もありますので、そう言った場合のトイレ休憩は正直ありがたかったのではないかと思います。実際に、トイレも大串バス停の所には設けられておりますが、恐らくはその名残でもあったのかなと思います。
(大串バス停の所の待合室・トイレ)
しかし、そんなこの路線も平成13年までに廃止されておりまして、現在はご紹介しておりますように長崎~大串間や西海橋~大串~板の浦間、佐世保~西海橋間など区間便がそれぞれ運行されているのが現状でもありまして、必ず乗り換えが生じているのが現状でもあります。
(長崎~時津~大串間、3207・日野LKG-KV234N3)
けれども、そんな長崎~西海橋~佐世保間の専用車は、長崎バスにおきまして、廃止前年の平成12年に6台導入されておりまして、近年導入されております白地に赤・青のいわゆる「トリコロールカラー」でも、複数のラインが入った車も存在しておりまして、これら車は「新急行色」と呼ばれます塗装の車となっているのが特徴でありまして、現在もこの塗装を維持しながら6台全車が活躍を続けております。
この「新急行色」の車の特徴は、長距離向け対応の車となっているのが特徴でありまして、車内にもハイバックシート・エアサスを備えているのが大きな特徴でもありますし、加えまして窓がこの平成12年式では逆T窓となっておりますので、従来の一般路線バスの仕様とは違った感じになっているのが特徴でもあります。
現在この「新急行色」をまとっております6台は、3メーカー(いすゞ・日野・三菱)で各2台ずつ導入されておりまして、いすゞLVキュービック・三菱エアロスターは長崎バス所有でありますが、日野ブルーリボンに関しましては現在はさいかい交通所有となっておりまして、こちらは幕式行先を維持しております。実際に、3メーカーの車を以下画像におきましてご紹介しておりますが、上の画像の路線車と比べてみましても、それぞれが違っておりますし、数少ない分目立っているのもわかるのではないでしょうか。
(日野ブルーリボン、4001・KC-HU3KMCA)~現在さいかい交通所有
(4002)~現在さいかい交通所有
これら「新急行色」は、ご紹介しておりますように長崎~大串~西海橋~佐世保間の運行、旧瀬戸営業所所属車の場合はさらにご紹介しております板の浦~佐世保間の急行便にも使用されておりまして、これまで存在しておりました旧型の「急行色」のトップドア車とを置き換えるために導入されたものでありました。
しかし、導入されました翌年の平成13年までこの長崎~西海橋~佐世保間の路線は廃止されまして、以来、塗り替わる事もなくこの塗装のままで維持しております。この間には、瀬戸営業所がさいかい交通に移管されましたり、長崎バス所有車も全車LED改造されるなどの動きも見られておりますが、引き続きこれら車は長崎市内外及び西彼杵半島北側・西側で運行されております。
尚、このうち2002に関しましては導入以降松ヶ枝営業所に所属しておりましたが、平成26年に長崎県営バスが東長崎地区の撤退によりまして、長崎バスが矢上地区に参入した事に伴い設立されました東長崎営業所に転属しておりました。この東長崎営業所では、この車以外にも市内各地の営業所から転属した車や新車・移籍車も見られておりまして、目立つ存在になっていたほどでした。
しかし、令和4年4月に運行本数の調整で2002は柳営業所に転属しまして、同営業所の路線で活躍しておりますが、東長崎営業所に関しましても同年10月に再編に伴いまして長崎バス自体が撤退、現在は長崎県営バスが担当しておりました路線を引き継いでおります。