西鉄バスでは、平成18年から平成21年にかけまして、西日本車体(西工)02MC架装の日産ディーゼルスペースアロー(いずれもPKG-RA274RBN)を21台導入しておりまして、導入以降福岡から九州各地の路線におきまして活躍している姿が見られておりまして、いずれの車も大きな固定窓・後部トイレ付と言う事で快適さが見られておりました。
これまでは、西工92MC架装車、さらにさかのぼりますと58MC架装車のスーパーハイデッカー高速用車両が運行されておりました西鉄グループの中長距離高速バス路線におきまして、新たなタイプが登場しましたのがその平成18年でありまして、これまでは同じ02MC架装車のSD-II・SD-Iの夜行・昼行用の架装車が日産ディーゼル・三菱ふそうの車として導入されておりましたが、それらのハイデッカー版として平成17年に導入されました三菱車(4013・4014(→日田バス482号))に次いで導入されておりました。
以来、先述のように平成21年までに21台が導入されておりまして、主に南九州(宮崎「フェニックス号」・鹿児島「桜島号」)方面の路線の専用車として運行されるに至っておりまして、それとともに西工92MCのスーパーハイデッカー(SD-I架装)の高速車を一掃させるにも至っておりました。
これら車の特徴は、日産ディーゼル車であると言う事で尿素SCR・トルコンAT車となっているのが特徴でもあります。そのため、ギアチェンの心配がないのが特徴ではありますが、それでも変速ショック等が起きる事があると言うのがこれら車の特性であると言ってもいいかとも思います。
以来、現在まで各地の路線で運行されておりましたが、平成30年に「桜島号」が全車4列化されまして3列シート車が全廃となりましたし、さらに日田バスに移籍しておりました車も廃車になりましたし、そして「フェニックス号」も多く運用離脱車も発生してもいまして、そう言った事から現在はわずか3台しか西鉄バスには在籍しておらず、全廃になる時も近くなっているようでもあります。ちなみに、グループ会社であります九州急行バスの02MCC-I架装の日産ディーゼルスペースアローも令和2年に全廃となりましたので、同じような流れは西鉄本体へと至っているようであります。
さて、ここまで簡単にここまでの現状をご紹介しましたが、今回はここまで私が収めました、西鉄バス(画像の中には旧西鉄高速バス所有時代の車・移籍した車もあります、そのためタイトルでは「西鉄グループ」と記載しています)西工C-I架装の日産ディーゼルスペースアロー全21台を皆様に詳しくご紹介してまいります。
(9910)
西鉄バスの西工02MCC-I架装車の最初の導入は、平成18年・平成19年に導入されました車は4列シート車での導入でありました。理由は「桜島号」一部便の1度目の4列化に伴うものでありましたが、その後再び全便3列化されますと、「フェニックス号」の格安版でありました「皆割フェニックス号」でも使用されておりましたし、島原線「島原号」でも使用されておりまして、その「島原号」に関しましては現在まで運行されておりまして、西鉄バスではこのタイプでの唯一の4列シート車運行路線ともなっております(臨時運行を除きます)。
そして、平成20年から導入されました18台が、偏心3列シート車での導入となっておりまして、いずれも南九州の路線に運行されるに至っておりました。画像は前部から後部を収めたものでありますが、後方公式側にはトイレが設置されておりますし、モニターも上の画像の4列車のように前部・中央に設けられておりました。
尚、平成20年に導入されました9台に関しましては簡易仮眠スペースも備えられておりまして、そう言った事から引き出し式のベッドも備えられておりました。そう言った事もありまして、一部の車両では後述の画像にありますように、現在は廃止となっております大阪線(当時)「ムーンライト号」の続行にも使用されておりまして、このベッドも引き出して使用する事があったようであります。
(「ムーンライト号」続行時の9911)
けれども、平成23年の「フェニックス号」ダイヤ改正に伴いまして、12台が前方3列・後方4列のセレクトシート改造を施しておりまして、画像のような姿に変貌しております。本当に、当時はジェイアール九州バス(当時)が「フェニックス号」から撤退しまして「たいよう号」を運行する事に至っておりましたので、その対抗策としてこのようなシートが生まれるに至っておりましたが、そこまでやる西鉄グループの意気込みには驚かされたこのシートでもあったようにも思います。
(4列シート座席)~女性専用席
これら車は、いずれの車も画像のようにコンセントが後付けされておりますし、現存車両に関しましてはWi-Fiも導入されておりまして、DVD視聴が廃止された事でトイレしかなかった頃からしますと退屈させない事が伺わせております。特に、Wi-Fiは乗車している車内でインターネット・動画も楽しむ事ができますので、そう言った楽しみができる事もありがたい事ではないかとも思う所でしょうか。
ここまで、西工02MCC-I架装のシート区分に関しましてご紹介しましたが、ここからは全車を導入順にご紹介してまいります。まず導入されましたのが、平成18年導入の9494であります。
(6017)
(6018)
(6019)
(6020)
(6021)
これら車は、5983・6014~6021で導入されておりましたが、このうち、5983に関しましてはその後4列シートに変わっておりまして、改造後は高速続行用あるいは「ふくふく天神号」などにも使用される姿が見られておりましたし、インバウンド客増もありまして増発されておりました湯布院線「ゆふいん号」としても使用されておりました。
(「桜島号」高速続行時)~平成25年撮影
(5983、4列化後「ゆふいん号」時)~平成30年撮影
そして、令和元年の「ラグビーワールドカップ」時には亀の井バスの車両が選手専用車として使用する事によります車両不足を補うために亀の井バスにリースされた事もありましたが、現在は博多営業所所属(福岡200か42-93)で「島原号」・福岡~下関線「ふくふく天神号」に入る姿も見られておりまして、西鉄バスの02MCC-I架装車で唯一の4列シート車としての姿を引き続き見せております。
(「島原号」運行時)
(「ふくふく天神号」運行時)
それ以外の車に関しましては、6014~6017でセレクトシート改造が施されまして、「フェニックス号」限定の運用となりました。そのため、セレクトシート改造前に見られておりました6018~6021の「フェニックス号」の運用は平成23年以降は姿を消しておりまして、以降は「桜島号」として鹿児島にしか足を運ぶようになっておりました。
(6018)~「フェニックス号」時
しかし、先述の9904にありましたように、平成30年に3列シート車で残っておりました6018~6021は定期運用を離脱しまして、以来旧福岡高速営業所(那の津4丁目)に留置されておりましたが、残念ながら廃車となっております。以下画像の6021に関しましても、定期運用離脱までわずか9年、さらにナンバーを取られましてからでもわずか10年ですので、マイカー並みの活躍しかなかったのが本当に残念でならない所ではなかったかと思います。
また、それ以外のセレクトシート車に関しましても、現在は6016・6017以外の車は姿を消しておりまして、その結果いつの間にか所有車両もわずか3台のみとなっております。本当に、「フェニックス号」の減便、さらに4列シート化もありまして、ここまで減ってしまっていたのかと思う所でもありましょうか・・・。
今回は、西鉄バスの西工02MCC-I架装車全21台に関しまして、これまで撮影した画像からご紹介しましたが、これら車も元々4列シート車の3台以外は平成31年3月末に解散しました旧西鉄高速バス所有を経験しておりまして、「Group」表記がそれを物語っておりましたし、「桜島号」に使用されておりました偏心3列シート車に関しましては全車姿を消しておりますので、4列化が痛い所でもあります。本当に、各社西工02MC自体が姿を消しつつありますが、本家の西鉄バスに関しましてもご紹介しましたように3台まで減少しておりますが、とにかくこれら車も元気に走っていただきたい所ではあります。