番外 サンデン交通で平成25年まで運行していた、下関~大阪線、夜行高速バス「ふくふく大阪号」紹介 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 サンデン交通におきまして現在運行されております高速路線バスは、上の画像にもあります下関~福岡線「ふくふく天神号(画像1、下関230あ52-24、いすゞ2TG-RU1ASCJ 画像2、下関230あ52-40、日野2TG-RU1ASCA)」のみでありまして、福岡へ行かれる方が利用されております。
 
 最近では、上の画像にありますようにハイデッカー車の導入が見られておりまして、「ふくふく天神号」では主力車両として存在しております。やはり、ハイデッカー車であるならば床下トランクにも多く積み込んだりする事ができますので、そう言った使い勝手がいい事もこれら路線に起用する要因になっているのではないかとも思います。また、これらにはUSBポートが設置されておりますし、Wi-Fiも設けられております。
 
 また、貸切から改造された車も見られておりまして、画像の車(下関230あ52-11、日野2TG-RU1ASDA)がその1台でありますが、貸切として使用されていた車も路線化改造しておりまして、画像にも分かりますようにカラーも引き続き「貸切カラー」でもあります。
 
 尚、それ以外の昼行路線は残念ながら廃止されておりまして、下関~山口宇部空港線は9月末で廃止、それ以外にも下関~広島・山口・北九州空港、宇部~北九州線も存在しておりましたが、既に廃止されております。
 
 それに伴いまして、これまでのメイン車両でありましたスタンダードデッカーであります西日本車体(西工)E型架装車も一部スクールバスに転用されておりまして、実際以下画像の車(下関230あ50-51、日産デPKG-RA274TAN)など数台が転用されておりまして、路線廃止や「新型コロナウイルス」による減便の影響が出ているのが現状でもあります。

 

 

 さらに、かつてサンデン交通では夜行路線も存在しておりまして、その夜行路線に関しましては東京方面やこれからご紹介します大阪方面へも運行されておりまして、サンデン交通の高速路線網も各地に存在していた事が伺えてもいました。

 

 このうち、大阪線「ふくふく大阪号」に関しましては平成25年6月末に路線が廃止されるまで運行されておりました。今回はかつての画像を使用しましてこの路線に関しまして皆様にご紹介してまいります。

 

 

 「ふくふく大阪号」は、下関・宇部・山口~神戸・大阪間を運行されていた高速バスでありまして、平成元年より運行を開始しまして、当初は阪急バスとの共同運行と言う形で運行されておりました。

 

 その後、平成12年に阪急バスが運行から撤退しまして、サンデン交通の単独運行、さらに平成17年には神戸乗り入れ(当初は三宮駅前→後に三宮バスターミナル停車)、平成20年・22年には新車(三菱エアロエース)が導入されまして、経営努力がなされておりましたが、結局平成25年6月30日を持ちまして、運行廃止と言う事になったものでありました。

 

 この廃止に関しましては、かつて大阪方面~福岡方面に運行されておりました高速ツアーバスの中に下関経由便も運行されておりまして、そう言った流れにあおられた事などの理由が挙げられておりました。また廃止末期には「ふくふく大阪号」の利用者も年間1万人を切っておりまして、それによりまして赤字続きなどもあった事も理由の一つであったそうであります。

 

 

 さて、廃止末期には画像の三菱エアロエース2台(いずれもBKG-MS96JP)が使用されておりました。特に先述のように50-88に関しましては平成22年に導入されていた車でありましたので、「ふくふく大阪号」には3年ほどしか使用されておりませんでした。

 

 (下関230あ50-45)

 
 (下関230あ50-88)

 

 これら車の特徴は、独立3列シート・後部トイレ付きではあるものの、マルチステレオ・テレビ等の装備は省略されておりまして、装備が簡素化されておりました。やはりそう言った所も経費削減と言う所も感じさせる所でもあったようでもあります。

 

 

 また、その三菱エアロエースが運行されていた以前には画像の三菱エアロバスの貸切からの改造車が使用されておりました(下関230あ32-51、KC-MS829P)。この車の特徴は、床下に仮眠室が追加設置されておりましたし、従来の4列シートから独立3列シート・後部トイレに改造を施していたのが特徴でもありました。

 

 (仮眠室部分)

 

 

 尚、この撮影(平成22年撮影)時は、下関市内の特別支援学校のスクールバスの運用に使用されておりまして、実際にコースを表すと思われる「」がそれを物語っておりました。尚、現在は廃車となっておりまして、その姿を見る事はできなくなっております。

 

 

 さて、これら夜行用車両の特徴としましては、側面デザインに大きくフグ(フク)が描かれていたのが特徴でありました。やはりこう言ったデザインを見ましても、車体を大きく利用していると言ってもよかったですし、下関と言えば・・・と言う印象がよくわかるのではないかとも思います。

 

 

 この「ふくふく大阪号」の運行を持ちまして、サンデン交通の夜行高速路線バスは全て姿を消しまして、あとは昼行路線専門に変わる事になりまして、冒頭でご紹介しました1路線のみが現在運行されております。また、専用車両でありました三菱エアロエースに関しましても他社に移籍しておりましたし、特別支援学校のスクールバスに転用されていた車も廃車になっているなど姿も見られなくなっておりまして、廃止後の流れもまさに「かつて」と言う所まで来ております。

 

 

 今回は、サンデン交通に存在した夜行高速バスの姿を撮影時唯一残っておりました大阪線でご紹介しましたが、この夜行高速路線バスの存在は、サンデン交通にとりましてもシンボル的な存在ではなかったかと思います。実際この大阪方面に加えましてかつては東京方面にも運行されておりましたので。やはりこれらは近距離の路線ではなく長距離の路線でもありましたのでより目立つ存在ではなかったかと思いますが、先述のように専用車も姿を消すなどしておりますので、もう名残と言うものは見られなくなっておりますが、この画像で「かつて」存在していた事を存じていただければと思う所ではあります。