番外 過去の時刻表より参考、かつて「ゆふいん号」として運行されていた、牧の戸・九重・別府系統紹介 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 令和2年の発生から現在にかけまして、「新型コロナウイルス」によります需要減に関しましては、どの業界も大きな痛手を受けている所も見られて居る事はご覧の皆様もご存知ではないかと思います。
 
 この交通業界に関しましても、地域によりましては大きく利用者減につながってしまった所は多く、鉄道に関しましては減便や運賃値上げなど、バスに関しましても減便や運休・廃止を余儀なくされた所も多く見られておりまして、それほど影響を受けている事には間違いないのではないかと思います。
 
 特に、観光地では痛手を受けている所も多く見られておりまして、地域によりましては「新型コロナウイルス」によります利用客減によりまして閉館を余儀なくされましたホテル・旅館も見られております。それほどなかなか足を運びにくくなっている所も伺えておりますが、その観光地へ行く足も少なくなっている所もある事を思えば、正直致し方ない部分でもありましょうか。
 
 それでも、最近では「全国旅行支援」も始まっておりますし、インバウンド需要も韓国を中心に海外渡航が再開されている国・地域も見られて居る事から、再び見られ始めております。これは正直ありがたい所ではないかとは思いますし、再びにぎやかな姿も見られるようになればとも思う所ではあります。
 
 
 さて、今回ご紹介します上の画像の大分県由布院(注)に関しましても、以下画像にもあります福岡~湯布院(注)線「ゆふいん号」に関しましては、インバウンド客増もありましてこれまでは20往復以上も運行されていた路線でもありましたが、現在は7往復まで大きく減便しております。それほど国内・海外の観光客がよく利用する路線ではあった訳ではありましたが、これだけ減便している事で「新型コロナウイルス」の影響は避けられない所である事には間違いないようではあります。
 
 (亀の井バス、大分200か・621、日野QPG-RU1ESBA)
 
 (日田バス、401号・いすゞQRG-RU1ASCJ)
 
 (西鉄バス、8529・日野LKG-RU1ESBA)
 
 
 さて、現在運行本数が大きく減っております「ゆふいん号」でありますが、かつてはこれからご紹介しますように九重方面への系統、さらには一山越えましての別府系統も存在しておりました。今回ここからはこれら系統に関しまして皆様にご紹介してまいります。
 

 画像は、平成13年に発行されておりました、西鉄高速バス時刻表内に記載されておりました、「ゆふいん号」の時刻表であります。
 
 
 当時の運行本数は8往復でありまして、2往復が九重・牧の戸方面系統、1往復が別府系統でありました。この停車地を見ますと、牧の戸系統の場合は小田の池・寒の地獄と言った所や、現在は経営がそれぞれ変わっておりますくじゅう西鉄ホテル(現・法華院温泉別館 花山酔)や九重温泉やまなみ荘(現・福岡大学やまなみ荘)と言った所にも停車しておりました。尚、これら区間(由布院~牧の戸)に関しましては冬季は運休ではあったようであります。
 
 【「九州横断バス」より】~平成31年撮影
 (くじゅう登山口バス停と周辺)
 
 (小田の池バス停とレストハウス(閉館))
 
 
 この牧の戸系統は、平成17年廃止までの末期は日田バスが単独で運行しておりました。私は残念ながら収める事ができませんでしたが、かつての日田バスの車にはそう言った行先が存在しておりまして、その下の画像にも1番・13番・31番・32番において存在しておりました。尚、32番にもありますようにかつては牧ノ戸峠までも運行されていた事さえもあったほどでした。
 
 (464号(当時)・三菱U-MS726S)
 
 (当時の行先)
 
 【行先】
  1 (ゆふいん)湯布院 九(牧ノ戸)重 高速
 13
 (ゆふいん)九重登山口 高速
 14
 (ゆふいん)湯布院・福岡空港 福(西鉄天神バスセンター)岡
 31
 (ゆふいん)牧ノ戸温泉 高速
 32
 (ゆふいん)牧ノ戸峠 高速
 
 (方向幕にもあった牧ノ戸峠バス停とレストハウス)~平成31年撮影(日田バスとありますが、撮影時には九重町コミュニテイバスのバス停となっています
 
 
 一方、かつては別府へ運行されていた系統も存在しておりまして、画像のように1往復存在しておりました。この運行は、別府北浜~ニューライフプラザ(現在はニューライフプラザ・ビーコンプラザ前)~スギノイパレス(現・杉乃井ホテル)~城島高原~湯布院と運行されておりまして、亀の井バスの単独運行でありました。
 
 
 しかし、別府発着となりますと「とよのくに号」の別府系統の利用者が多い事もありまして、利用者はそんなに多くはなかった事から平成22年に一度廃止されておりました。以下画像はその別府系統が運行されていた頃の姿ですが、残念ながらその姿は見られなくなってしまっておりました。
 
 (大分200か・・24、三菱KC-MS829P)
 
 (大分22か17-86、日野U-RU2FTAB)
 
 
 けれども、翌平成23年に先述の博多港国際ターミナル発着便が運行開始した事をきっかけにしまして別府発着便が復活しておりまして、この系統の運行本数は2往復、こちらも亀の井バス単独にて運行されておりました。
 
 (大分22か17-29、日野U-RU2FTAB)
 
 車両も、貸切から転用された車両を使用しておりまして、行先自体も画像にもありますようにサボを使用しまして運行されていたなど、従来の路線車とは違った姿が見られておりました。また、この車自体は天神バスセンター(当時)・博多バスターミナルを経由せずに福岡空港国際線を経由して運行されていたのも大きな特徴でもありました。
 
 
 けれども、この運行形態が仇となった事や、折りしもこの年に起こりました「東日本大震災」の影響で外国人観光客が激減した事もありまして、当初の5ヶ月間の試験運行を前倒ししまして結局4ヶ月で廃止、さらに先述のように平成27年に湯布院発着の博多港国際線ターミナルまでの系統も廃止された事から、以降現在まで福岡~湯布院間のみの系統と言う形で運行を続けております。
 
 
 この系統に関しましては、私もこの姿は何度か見た事がありましたが、利用者がいらっしゃらなかった事もありまして、早朝に運行されておりました始発便に関しましては福岡空港国際線を経由せずに通過する姿も見られておりましたし、上の画像の撮影時も博多港国際ターミナルからの利用者がいらっしゃらなかったなど、この運行も正直失敗だったのかなと思ってなりませんでした。けれども、それに反しまして現在の系統では外国人の方々も利用されている事から、正直もう少し待っていても・・・と言う気持ちもあったほどでした。
 
 
 今回は、「ゆふいん号」に存在しておりました、別府・九重・牧ノ戸系統に関しましてご紹介しましたが、この画像からもかつてそう言った系統が存在していた事がお分かりいただけるのではないでしょうか。それほど由布院以外の観光地へも運んでいた事がわかりますが、この「ゆふいん号」も、様々な災害や国の情勢などによりまして、利用者の増減の差が大きい事もわかります。それほど今回の「新型コロナウイルス」では、これまでの中では大きな痛手を受けておりますが、冒頭ご紹介しましたように「全国旅行支援」やインバウンド客も再び見られ始めた事から戻りつつはありますので、今後再び順調に戻ってくれればと切に願う所ではあります。
 
 (注)「ゆふいん」の呼び名は、観光地としては「由布院」、バスとしては「湯布院」としてそれぞれご紹介しておりますのでご了承ください。