NO.2676 九州の鉄道の歴史がわかる場所です、九州鉄道記念館訪問記(後編・屋内外展示物他編) | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 5月に訪問しておりました、北九州市の門司港駅に隣接します九州鉄道記念館の訪問記をご紹介しておりますが、前回は展示車両に関しました話題をご紹介しました。

 

 九州鉄道記念館は、平成15年に開館しました、九州の鉄道の歴史を知るための施設でありますが、平成19年に近代化産業遺産、平成26年には国の登録有形文化財にも登録されております本館、そして屋根付きで展示しております車両展示場と、この施設内にはいろいろな姿を見る事ができております。

 

 特に、前回ご紹介しました、以下画像の車両展示場に関しましては蒸気機関車・電車・気動車・貨車と9両が展示されておりまして、これらはいずれも九州の鉄道には貢献した車両たちでもありますし、重要文化財に指定された車両もありますので、これら貢献度は強いと思いますし、かつ貴重な車が集まっている事をも実感させているのではないかとも思います。

 

 (C591号機蒸気機関車)

 

 (EF10 35号機電気機関車)

 

 (キハ07形気動車 キハ07 41)~国指定重要文化財車両

 

 (485系電車、クハ481-603)

 

 こちらは、前回ご紹介しました583系電車クハネ581-8でありますが、この電車はその後近郊型電車の715系電車でありますクハ715-1に改造されておりました。その715系電車に改造されていた証であります行先表がその下の画像にありますように残されておりました。

 

 (行先表)

 

 以下におきまして画像の行先表を転載させておりますが、メインの運行路線であります長崎線をはじめ、一時期鹿児島線熊本地区にも運行されておりましたので、その行先まで見られておりました。尚、編成によりましてはさらに変更になった部分も見られておりましたが、それは赤字で記させていただきます(参考、字幕集より)。

 

 1 湯江

 2 肥前浜 荒木

 3 臨時

 4 銀水

 5 南福岡

 6 荒木 熊本

 7 鳥栖

 8 佐賀

 9 肥前山口

 10 八代

 11 多良

 12 肥前大浦

 13 諫早

 14 長崎

 15 大牟田

 16 早岐

 17 佐世保

 18 肥前鹿島

 19 熊本 二日市

 20 肥前浜

 21 福間

 22~24 (空白)

 25 回送

 26 試運転

 27 団体専用

 

 

 さて、今回ここからご紹介しますのは、タイトルにもありますように屋内にあります展示物他の部分に関しまして皆様にご紹介してまいります。

 

 

 九州鉄道記念館の正面左側には、平成25年の開館10周年を記念しまして、以下画像にもあります電車・電気機関車の前頭部を展示するようになっておりまして、これらには後述のように運転台まで設けておりますので、動く事はありませんが、マスコンやブレーキなどを触れる事ができる体験ができるようになっております。

 

 (今回撮影)~ヘッドマークが掲出されていました

 

 【以下画像は平成30年撮影】

 (485系電車、クハ481-246)

 

 (ED76 1)

 

 (EF30 3)

 

 これら展示車両の運転台であります。まずは485系電車クハ481-246でありますが、ご紹介します前に現役時代の同車であります。この車は、「RED EXPRESS」の表記となっておりますが、JR化後はこのような形でしたが、その後「ハウステンボス」に使用される事になった事から、塗装・表記が変更されました。そして、以下画像のように「K&H塗装」に変わりまして、平成23年の787系電車化まで運行されておりました。

 

 (クハ481-246)~平成22年撮影

 

 クハ481-246の運転台です。運転台は高い位置にありますので見通しが良かった事が伺えております。本当に、高い位置にあるならばそう言った流れになる事もわからなくはないのではないかとも思います。

 

 

 こちらはEF30 3の運転台でありますが、関門区間から引退後は、この機関車自体は大分車両センターで長らく保存されておりましたが、この間に平成7年に除籍されておりました。そして、九州鉄道記念館に前頭部のみ展示されるようになりまして、切断の上、保存されるに至っております。この機関車には、その下の画像にもありますように交直流切り替えスイッチも見られておりまして、このスイッチで交流・直流と切り替えるようになっております。

 

 (交直流切り替えスイッチ)

 

 尚、ED76 1の運転台画像はありませんでしたが、機関車自体はED76形機関車のトップナンバーでもありますので正直収めたかったのですが、残念ながら収める事ができなかったのが悔やまれました。

 

 

 ここからは、以下画像の本館での画像をご紹介します。本館内では後述のように懐かしいものなどを見る事ができておりまして、まさに九州の鉄道を知るべき所となっております。

 

 

 入った所にありますのは、チブ37形客車でありまして、この客車は、明治42年(1909年)に誕生した客車でありまして、この記念館に保存されている客車の中では一番古く、今年で113歳になります。

 

 この明治42年に九州鉄道の客車として、蒸気機関車に引っ張られながら使用されておりましたが、昭和4年に大分交通耶馬渓線に転用された後、昭和46年に使用されましたが、その後は大分県中津市内で静態保存されておりました。そして、この鉄道記念館開設を機に譲渡されまして、現在のように復元しまして公開に至っております。

 

 車体・車内を見ますと、まさに昔の列車という印象を得ております。何と言いましても車体・床・窓など木造というのが一番の印象でありますし、連結器も自動式ではなくねじ式、さらに車内の座席も畳敷きではありますが幅が狭く、当時の日本人のサイズがこのサイズで適していた訳ですし、かつ今の日本人にとってはサイズが合わないと言うのが印象的な所ではないでしょうか。
 
 (畳敷きアップ、幅も狭いです)
 
 
 この1階には、他に画像にあります、九州で運行されております(した)鉄道車両の鉄道模型コーナーや、画像にはありませんが811系電車の運転台を使用しました運転シュミレーターも設けられております。特に、シュミレーターに関しましては前回訪問時にやっておりましたが、停車位置などには苦労する所がありました・・・
 
 
 ここからの画像は、2階にあります展示物のご紹介であります。画像は、今は貴重なものとなりましたタブレット閉塞器でありますが、かつては、地方の路線ではどこでも見られたものでもありました。本当に、ご覧の皆様は何?と思われる方もいらっしゃるのではないかとは思いますが、この閉塞器で発行されます通票をタブレット閉塞区間で使用するようになっておりましたが、現在ではこう言った場所でしか見られないだけに、見ていて懐かしい所でもあります。
 
 
 さらには、ヘッドマークやサボなど、現在では見る事は少なくなっております貴重なものも見る事ができておりまして、現在は全て廃止となりました「ブルートレイン」の牽引機関車の先頭に見られておりましたものが見る事ができております。中には、JR九州発足当時から存在しておりました12系客車のジョイフルトレインでありました「サザンクロス」のヘッドマークの姿も見る事ができております。
 
 (ヘッドマーク)~「サザンクロス」なども見られます
 
 (懐かしいサボ類)
 
 そして、大正15年の博多駅の時刻表であります。当時の鹿児島線は、上下合わせましても、40本も満たない本数でありまして、現在の博多駅の停車本数と比べますと大きく違う事が伺えております。それにしても、広告主の醤油会社の広告もより古さを感じさせられるのではないかと思います。
 
 
 ここからは、最近まで使用されておりましたスタフをご紹介します。まずご紹介しますのは、現在は令和2年の「熊本豪雨」の影響で熊本~鳥栖間を運行しております「SL人吉」でありますが、それまでは熊本~人吉間を運行しておりました。このうち、肥薩線の八代~人吉間は寸断されておりますので、スタフを見ましてもそう言った形で運行されている事が伺わせているのではないかと思います。
 
 (熊本→人吉間)
 
 こちらは、平成29年9月の台風で日豊線の一部区間が寸断した際に肥薩線経由で鹿児島方面へ行く際に使用されておりました、クルーズトレイン「ななつ星 in 九州」の熊本→人吉間のスタフです。当時は、日豊線が使用できないため肥薩線を迂回ルートとして運行されておりましたが、そんな迂回ルートであった区間も今や通れなくなった事は残念でならない所でもありましょうか。
 
 (アップ、熊本→八代)
 
 (同、八代→人吉)
 
 
 今回は、九州鉄道記念館訪問記の後編をご紹介しましたが、私自身も通算3回目の訪問でもありましたが、展示物に関しましても屋外・屋内とも大切に保存している事が伺わせております。特に文化財に指定されたものもこの記念館内では見られてもいるだけに、よりそう思う所でもありましょうか。本当に、鉄道好きな者としましても何度来ても飽きない場所でもありますし、参考になるものが見られるのもいいのではないかとも思います。ご覧の皆様も、まだ出向いていない方は出向いてみてはと思いますし、出向かれている方も再訪問してみればとも思っております。