NO.2584 西鉄福岡市内線千鳥橋~貝塚間廃線跡探訪(後編・旧浜松町電停~貝塚駅間編) | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 西日本鉄道(西鉄)の旧宮地岳線→福岡市内線の廃線跡区間であります、旧千鳥橋~貝塚間の廃線跡探訪の話題、前編では旧千鳥橋~旧浜松町間の廃線跡区間をご紹介しておりました。

 

 このうち、旧千鳥橋駅は、以前は西鉄旧宮地岳線(←旧博多湾鉄道汽船)のターミナル駅として「新博多」・「西鉄博多」とも称されておりましたが、昭和29年に福岡市内線に編入後も路面電車の駅(電停)として存在していた所でもありました。
 
 廃止後は、西鉄バスの千代営業所として整備されまして、路線バスが駐車する所も見られておりましたが、廃止後は西鉄観光バス千代支社として貸切バスの車庫に変わりましたが、後に廃止、現在は上の画像2にもありますように商業施設となっておりまして、かつての駅・車庫と言う印象は感じられませんが、かつての千鳥橋駅(電停)のつくりも少なからずは見られていたようにも思う所でもありましょうか。

 

 

 さて、今回後編では、タイトルにもありますように旧浜松町電停~貝塚間の廃線跡区間をご紹介してまいります。尚、この区間は名義上は廃止されるまでは旧「宮地岳線」として称されておりましたが、編入されまして25年間は旧「福岡市内線(貝塚線)」として扱われておりましたので、今回からは「旧福岡市内線」として称させていただきます。

 

 

 前回も述べておりましたが、この「馬出緑地」の中にあります旧浜松町電停は、以下画像にあります中央の道路を境にしまして、旧千鳥橋方に貝塚方面のホームが、貝塚方に旧千鳥橋・旧天神方面のホームが設けられておりまして、いわゆる相対式ホームであったようであります。こうして見ましても、かつてのホームがあった部分はともに木が生い茂っておりましてその名残は見られませんが、両側の広い部分がそれを伺わせているようであります。

 

 (旧千鳥橋方、右側に貝塚方面のホーム)
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 (貝塚方、右側に旧千鳥橋・旧天神方面のホーム)
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 ここからは、旧浜松町電停からさらに進んでまいりまして、存在しておりました「馬出緑地」の末端部へとやってまいりました。画像は、その末端部であります旧千鳥橋方でありますが、約700メートルあります所の北側末端部でもありますので、ここまで多くの木を植えまして緑道として整備された事は正直素晴らしいのではないかとも思ったほどでした。 
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 この「馬出緑地」の反対側であります。画像の中央部であります道路の部分に線路が存在しておりまして、その先へと進みますと「筥崎宮」への敷地内へと進む事になりますが、残念ながら柵が設けられている事からそのまま抜ける事もできませんので、私自身も後述のように「筥崎宮」の正面へ回る事となりました。
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 画像は「筥崎宮」正面の「大鳥居」であります。この「大鳥居」も、この反対側にあります国道3号線を走る車や、その先の博多湾の姿をいつも眺めているようでありますが、この「大鳥居」から入った所のいわゆる「筥崎宮」敷地内にその西鉄旧福岡市内線の線路が存在していた訳ですので、今の姿からでは信じられないと言ってもいいのではないかとも思う所です。
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 ちなみに、現在この「大鳥居」の横はスーパーが設けられておりますが、かつてはこの地に「福岡水族館」や福岡室内スキー場、さらにはプラネタリウムも存在していたとの事でありまして、多くのお客さんで賑わっていたとの事であります。それらアクセスとして、その旧福岡市内線も存在していた訳ですが、後述の旧箱崎浜電停を最寄として利用されていた事も伺えるのではないかとも思います。

 

 

 この「大鳥居」を入りますと、左側に駐車場が設けられておりますが、この駐車場の部分がかつての線路跡にあたります。ネットにUPされております昔の写真によりますと、ちょうど以下画像位置にかけまして線路が敷かれていたようでありまして、その下の画像にてご紹介しておりますように、駐車場の右側部分が旧箱崎浜電停の旧千鳥橋・旧天神方面のホームにあたる部分になりますし、画像にはありませんが、参道を挟んで反対側に貝塚方面のホームが設けられていたようであります。

 

 (貝塚方、画像右側が現在駐車場となっている廃線跡)
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 (画像右側部分にかつて旧千鳥橋・旧天神方面のホームが設置)
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 ちなみにこの筥崎宮一帯には、かつて箱崎宮の本殿手前の方にも旧福岡市内線の「貫線」と呼ばれる路線(旧九大前~旧箱崎~旧呉服町方面)が存在しておりましたし、国道3号線を挟んだ所で、貨物線の「博多臨港線」も存在しておりました。したがって、この筥崎宮の最も西側であります「博多祇園山笠」の「お汐井取り」でおなじみの汐井浜~大鳥居~本殿にかけましては、鉄道(軌道)が3本存在していた事も驚きではなかったかと思います。

 

 (この奥が汐井浜、その間に博多臨港線が存在)
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 さて、再び「大鳥居」を抜けまして、画像は東区役所であります。旧福岡市内線はその下の画像の区役所横の立体駐車場の所を走っておりました。ちなみに、駐車場の隣には西鉄系のマンションが建てられておりまして、ここにかつては西鉄の社宅が設けられていたとの事であります。

 

 (東区役所)
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 (区役所の横の駐車場)~隣に西鉄「サンリヤン」のマンション
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 その駐車場を抜けますと、再び道路に入ってまいります。そしてこの奥にて箱崎方面からと合流する事にもなりますが、その地下の部分にはその道路に沿って福岡市地下鉄箱崎線も走っております。
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 (箱崎方面と合流)~この地下に地下鉄が走る
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 箱崎方面と合流しますと、道路のつくりが非常に不自然な所を通る事になります。こうして見ましても、道路がくねくねしておりまして、まるで教習所みたいな姿がこの地において見られておりますが、実際にこの地もかつては線路跡でもあった場所でもあります。
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 そんな複雑な道の中に、それぞれ画像奥のあたりに旧網屋立筋電停が設けられていたようであります。この電停もこれまでご紹介しました他の電停と同様、道を挟んだ所にそれぞれのホームが設けられておりまして、貝塚・旧千鳥橋方面へ運行されていたようでもあります。

 

 (貝塚方)~画像奥の車あたりに貝塚方面のホームがあったと思われます
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 (旧千鳥橋方)~画像左奥の木がある所に旧千鳥橋方面のホームがあったと思われます
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 そしてさらに複雑な道路を進んでまいりまして、福岡市交通局(福岡市営地下鉄)の箱崎九大前駅であります。この駅がある所に、かつては旧箱崎松原電停が設けられておりまして、現在宅地化しているこの周辺からはかつての姿は残念ながら見る事ができません。尚、この駅自体も国道3号線から少々内に入った所に駅が設けられている訳ではありますが、こう言う所もかつての福岡市内線の名残であるといってもいいのではないかとも思います。 
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 (北側)~九大側
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 旧箱崎松原電停は、上の画像の北側出入口の向かい側に当たります以下画像の左側の位置に貝塚方面が、そして画像奥の排気口付近に旧千鳥橋方面のホームが設けられておりました。尚、以下画像左奥にあります貝塚方面旧ホームの先(現・箱崎九大前駅西側出入口)の所には以前は道路が設けられておりまして、他の電停と同様、道路を境にそれぞれのホームが設けられておりましたが、現在はその面影は見られなくなっております(ネットにUPされました過去写真参考)。
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 旧箱崎松原電停からさらに貝塚駅へ進んでまいります。やはり「松原」と称されていた事もありまして、松の木が多くみられる訳でありますが、かつての線路跡は画像のように道路あるいは駐車場と化しておりまして、その面影は残念ながら見る事はできなくなっております。
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 旧福岡市内線は、現在は伊都キャンパスに機能を移転しております九州大学の敷地内を沿いながら運行されておりました。残念ながら、現在はその面影を見る事はありませんが、当時は多くの九大生らがこの路線を利用されていた事が偲ばれるようでもあります。
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 この通りには、箱崎キャンパスの「小松門」がありましたが、最寄電停は、後述の旧九大中門電停でありました。現在その箱崎キャンパスの小松門からは理学部や工学部などが設けられておりますが、ご存知のようにこの機能も西区の伊都キャンパスへ移動してきておりまして、画像のような面影も見られなくなっております。
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 上の画像の旧九大敷地から進んだ所へやってまいりました。上の画像の右側には、電停の名称でもありました九大の中門が、その左側にはこちらも伊都キャンパスに移転しております文学部などのいわゆる文系の学部が存在しておりました。旧九大中門電停も、九大中門に沿うように、以下画像左手前に貝塚方面のホームが、中門への道(踏切)を越えまして、奥の検診車が駐車している所に旧千鳥橋方面のホームがそれぞれ設けられておりました。
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 旧九大中門電停から貝塚方面へと進みますと、しばらくしまして地下鉄が地上に上がってまいります。これまでもご紹介しましたように、地下鉄自体も、元々が旧福岡市内線が存在していた所の地下に設けられている訳でありますが、この区間は地上に上がってまいりますので、かつての線路跡も地下鉄の線路として活用している所もあるのが、この区間の特徴でもあります。
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 (貝塚寄り)~上の部分は保線関係施設
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 こうして、最終目的地でもあります貝塚駅へと歩いてまいりました。この時には旧千鳥橋駅(電停)から約1時間少々かけて歩いてまいりましたが、距離が約3キロ以上はあったとは言いましても、調べながら・撮りながら歩いて来ておりましたので、まさにあっという間という印象さえもあったほどでもありました。

 

 (貝塚駅地下鉄方面ホーム)
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 (貝塚駅正面)
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 この貝塚駅の旧福岡市内線ホームは、当時3面3線のホームが設けられておりまして、1・2番ホームが行き止まり式、3番ホームがこの先香椎方に車庫があった事もありまして、車庫への亘り線としても存在しておりました。尚、かつてはこれまでも述べておりますように、旧福岡市内線(貝塚線)でありましたこの区間も、旧宮地岳線としても称されておりましたので、香椎・古賀方面からも線路はつながっていたようでありますので、その3番ホームで直通していたようであります。
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 現在の貝塚駅構内であります。橋上駅であります上の画像の出入口を入りまして、階段・エスカレーターを下りますと、現在の西鉄貝塚線・福岡市営地下鉄箱崎線の改札・ホームへと至る事になります。現在はそれぞれ面影というものは見る事ができませんが、現在の地下鉄~西鉄貝塚線のように、旧福岡市内線~旧宮地岳線へ乗り換える姿が見られていたようでもあります。

 

 (この奥貝塚線ホーム)
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 (名島駅で撮影・西鉄600形電車)
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 それにしても、以下画像の地下鉄箱崎線ホームに、旧福岡市内線貝塚駅ホームとイメージしてみましても、現在の1面2線のホームと対照的に、3面3線のホームが存在していた訳ですので、現在の姿と一致する所もあるのでは?とも思う所でした。実際に画像の中央部に2本目の線路・2番ホームもあったようですが、1面にしては広いホームの造りがそれを伺わせているようにも感じさせられる所でもありましょうか。
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 前回・今回と、2回ににわたってご紹介しました福岡市内線旧千鳥橋~貝塚間の廃線跡探訪に関しまして、過去撮影画像からご紹介しましたが、廃止となりまして40年以上になるこの区間ではありますが、やはりそれがゆえ名残というものはほとんど見られなくなっておりますので、緑道などで名残を残している事はわかりやすくてよかったのではないかとも思います。私自身も今回画像を引っ張り出しておりましても、電車が走っていた証が伺わせる所が特にいいのではないかとも思いますので。ご覧の皆様の中では、存じていなかった方も多かったのではないかとは思いますが、これで存じていただければ幸いでもあります。
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 (注)今回ご紹介しました画像は平成27年撮影画像です。したがって、九州大学箱崎キャンパスが残っていた画像でもあります事をご了承ください。