番外 今年で九州急行バスは創業55周年、創業50周年記念時に見られた西工02MCC-I架装車 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 福岡~長崎線「九州号」を運行しております九州急行バスは、去る7月6日に55周年を迎えておりまして、半世紀を超える老舗事業者でもあります。
 
 「九州号」を運行します九州急行バスは、もっぱら福岡~長崎間を運行しておりますバス事業者である訳でありますが、昭和41年7月6日に沿線事業者であります、西日本鉄道・昭和自動車・西肥自動車・祐徳自動車・長崎県交通局の出資で誕生しましたバス事業者でもありまして、9月20日より運行を開始しております。
 
 当初の「九州号」運行路線は、後述のように国道3号~国道34号の一般道を運行しておりましたが、後に高速道路の開通に伴いまして、徐々に高速道路に乗せ換えられた事もありまして、現在は九州自動車道~長崎自動車道を経由するルートとなっております。

 また、「九州号」の車両自体も近年は変化が見られておりまして、これまで見られておりました後述の3列シート車から、近年導入車両では4列シート車が見られるようになっておりまして、令和2年には3列シート車が全廃となった事で、全便4列シート便として姿を変えております。尚、その4列シート便も当初の2台はパウダールーム付き(現在は廃車売却済み)、その後の導入車両は後部トイレ付きのみと簡素化が伺えるようにもなりました。
 
 (画像1・2「ぷるるん温泉」ラッピング、画像1・長崎230あ21-85 画像2・長崎230あ21-84、いずれもいすゞQTG-RU1ASCJ)
 
 (パウダールーム付き車両、長崎200か・767、いすゞLKG-RU1ESBJ)~画像2の長崎230あ21-85「ぷるるん温泉ラッピング」の初代車両~現在は廃車売却済み
 
 
 それでも、最近の4列シートの導入車ではコンセント・USBポート付きの車が導入されておりましたり、コンセントなしで導入されておりました車両も後付けで取り付けられておりますし、最近ではWi-Fiまで導入されてもいますので、車内でインターネットなどを楽しめるようにもなっているなど、サービスの改善も見られております。
 
 (福岡230あ11-71、いすゞQTG-RU1ASCJ)
 
 (長崎230あ21-77、いすゞQTG-RU1ASCJ)
 
 (福岡230あ11-81、三菱2TG-MS06GP)
 
 (福岡200か11-97、三菱2TG-MS06GP)
 
 
 その一方、3列シート車は先述のように最後まで残っておりました西日本車体(西工)02MCC-I架装車(福岡200か18-44、日産デPKG-RA274RBN)が廃車となっておりまして、こちらも先頃廃車売却されましたが、三菱ふそうエアロエースの2台が3列シートから4列シートに改造されておりましたので、これによりまして3列シート車は全廃となっております。しかも、乗用車並みの10数年で廃車になった車もありますので、正直置き換えが早い事さえも伺わせる所でもあります。
 
 
 また、その前にも三菱ふそうエアロバスシャーシでありました画像の車(いずれもKL-MS86MP)も既に平成30年までに廃車となっておりまして、九州急行バスからは西工架装車は姿を消しております。かつてはその前の92MC架装車とともに「ネオロイヤル」とも称されていただけに、既にそう言った西日本車体工業自体がなくなっている事もありまして、そう言った車が見られなくなった事は正直残念にならない所でもあります。
 
 (長崎200か・373)
 
 (福岡200か12-10)
 

 さて、既に3列シート車が全廃になっているなどの動きがあります九州急行バスの「九州号」でありますが、こちらの車に関しましても平成28年10月より復刻カラーのバス(ラッピングバス)として運行されておりましたが、令和になりました直後の令和元年5月に廃車となりまして、この塗装自体も見られなくなっております。今回は、この貴重な姿を見せておりましたこの車(長崎200か・438、日産デPKG-RA274RBN)に関しまして皆様にご紹介してまいります。
 

 この復刻カラーは、九州急行バス創業50周年を記念してラッピングされたものでありまして、当時使用されておりました車が写りました広告でもこのカラーとなっておりまして、まさに復刻バスとしての姿が見られておりました。実際に、当時西鉄天神高速バスターミナル内・長崎県営バスターミナル内におきまして、50周年を記念した写真展が開催されておりまして、ご覧の皆様の中にも、その際に旧塗装車両の姿もご覧頂いた方もいらっしゃるのではないかとも思います。
 
 (天神高速バスターミナル時)
 
 (長崎県営バスターミナル時)
 
 その当時の車両が写りました広告でありますが、画像にもありますように三菱ふそうシャーシの西工42MCB型トップドア車でありましたが、装備は「最新型完全冷暖房リクライニングシート」の装備となっていたようであります。それほど当時は豪華であった事も伺えますが、それほど快適さをアピールしていた事も伺えていたようでもあります。それにしても、コカ・コーラのロゴ広告から見ましてまさに当時を偲ばせる部分でもあります。
 
 (アップ)
 

 さて、こちらが復刻カラーとしてラッピングされておりました長崎200か・438であります。見ましても、その下の画像の従来の塗装とは、ラッピングではあるとはいえ違った印象さえも感じさせられます。尚、この車は結局最期までこのラッピングを維持しておりまして、ラッピングを解除して元の姿に戻ると言った流れは見る事はありませんでした。

 
 (本来の姿)~福岡200か14-54(ほぼ同位置から)

 
 よく見ましても、従来の白地に赤・黒・灰のカラーと比べましても緑地にクリーム色が入ったカラーでもありましたので、現在のカラーとは大きく異なっていた事もわかります。それにしても、ヘッドマークを再現したと思われます「九州号」と書かれたフロント・リア部分、そして上の画像・以下画像にもあります側面の「九州急行」と書かれた姿が当時の九州急行バスを偲ばせる姿ではなかったかとも思う所ではなかったでしょうか。
 
 (側面部分)~「福岡-嬉野-大村-諫早-長崎」と書かれているのが経由している事をアピールしているようにも感じさせられます。
 
 
 尚、当初はバンパー部分が白色でありましたが、のちに灰色に変化しております。この灰色は九州急行バスの現在の塗装にあやかったものではないかと思われますが、どちらにしましても本当に良く似合っているのではないかと思います。
 
 (当初のラッピング)~フロントバンパーが白かった頃
 
 
 このラッピングバスは、当初は1年限りでの運行予定ではありましたが、ご紹介しておりますように、結局はこのラッピングで全うするに至っておりまして、従来の塗装とは違った姿が見られておりました。それほど半世紀の姿が偲ばれる所でもありますし、当然の事ながら懐かしいと思われた方も多くいらっしゃったのではなかったかとも思いますので、いい感じで全うするに至ってよかったのではないかとも思っております。
 
 
 今回は、50周年記念で運行されておりましたラッピングに関しましてご紹介しましたが、本当に、この車に関しましては、台数が減ってきております3列シート車でもありましたし、西工架装車と言う所からもこのようなラッピングに関しましての要素は整っていたのではないかと思っております。しかも、50年のキャンペーンが終わりましてもこのラッピングを維持していた訳でもありましたので、尚の事このラッピング自体が良かったとしか言えようがなかったようにも思っております。今年55周年を迎えた事で、また今回と同じようなラッピングが出てきてくれるかはわかりませんが、できればまた再登場を期待したい所ではあります。