NO.2348 復活を願う!くま川鉄道KT-500形気動車「田園シンフォニー」平成26年乗車記録 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 これまでも報道でもご紹介しておりますように、今回の「令和2年7月豪雨」では、球磨川流域の熊本県人吉市を中心に、非常に大きな被害が出てしまった事はご覧の皆様もご存知の事と思います。
 
 私自身も、これまでも人吉市には何度も訪問しておりましたので(直近・今年2月)、今回の災害では大変心が痛い所でもありまして、映像を見ましても正直なんでこんなことが起きてしまったんだと思ったほどでもありました。
 
 中でも、交通網の寸断に関しましては特に残念でならない所でもあります。先日もご紹介しました球磨川流域を運行しますJR肥薩線の橋梁や施設の流出によります寸断、そしてくま川鉄道に関しましても橋梁流出や上の画像・以下画像にありますKT-500形気動車の車両の浸水被害と、自然の驚異には頭が痛む所ではないかと思ってならない所でもあります。
 
 
 さて、当ブログでは今回から3回に分けまして再びくま川鉄道・JR肥薩線の復旧を願いまして、これらに関します話題を皆様にご紹介しますが、今回は今回の豪雨でも被害を受けましたくま川鉄道KT-500形気動車に関しまして、平成26年に乗車しました話題を皆様にご紹介してまいります。
 
 
 人吉温泉~湯前間を運行しております、第3セクター鉄道のくま川鉄道は、これまでKT-100形・KT-200形各気動車と呼ばれます平成元年に開業しました当初の車両が運行されておりました。
 
 
 この中には、平成21年にJR九州などの車両を手掛けております水戸岡鋭冶氏(ドーンデザイン)がデザインしました上の画像の「KUMA」と呼ばれます車両に改装されました車両がKT-103(KUMA-2)・KT-203(KUMA-1)の2両に存在しておりまして、現在は廃車となりましたが、NO.2278でもご紹介しましたように、あさぎり町のあさぎり駅に現在も留置されておりまして、2月の訪問時には休憩所として使用されておりました。

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 しかし、それ以外の従来車両に関しましては、製造から25年経過していた事もありまして老朽化が進んでおりまして、その結果車両の置き換えを行う事となりました。その結果、観光地でもあります熊本県人吉市をはじめとします球磨川流域の市町村の活性化のために誕生しましたのが、KT-500形気動車「田園シンフォニー」でありました。
 
 
 KT-500形気動車「田園シンフォニー」は、平成26年にKT-501~503、平成27年にKT-504・KT-505の計5両が導入されておりまして、通勤・通学時にも使用されるのに加えまして、観光用としても使用されておりまして、くま川鉄道HPでは「朝夕は日本一心豊かな通学列車、昼間は日本一心豊かな観光列車」とも記載されておりました。
 
 (先頭、KT-501)
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 さて、この時は次回ご紹介します相良藩願成寺駅から人吉温泉駅までの区間で乗車しておりました。まずは車内からご紹介してまいりますが、この列車は、「KUMA」と同様水戸岡鋭冶氏デザインの車両でありまして、その特徴としまして床や座席・テーブルなどに木をふんだんに使用しているのが大きな特徴でもあります。これまでもJR九州の77系客車「ななつ星 in 九州」をはじめ、様々な新造・改装車両で座席や床などの内装類で木を使用しているだけに、この車両も同様に木を使用しているのはまさに大きな特徴であると言えるようであります。
 
 (KT-503車内全体)
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 所で、この時にはセミクロスシート・テーブル付と言ったまさに観光車両としても使用される事を伺わせるような姿が見られておりました。しかし、平日朝を中心に通学利用者が多い事もありまして、のちに座席をロングシート化されております。その際には、既存のシートを横向きに変えておりまして、定員増に貢献しております。それにしても、シートデザインが水戸岡デザインらしさが出ているのが特徴でありましてシートの柄を見ますとそれらしさがよく出ている事がわかるのではないかとも思います。
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 (座席・テーブル部分)~KT-503
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 (ソファー)~KT-502
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 (窓方座席)~KT-501
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 それにしても、フロント部分にも座席がある座席があると言うのもまさに展望にはふさわしいでしょうし、ゆったりと前を見つめる事ができるのもいいのではないかと思います。こう言った所も観光と通勤・通学両面で使用されている事が伺わせているようでもあります。
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 また、車内にはショーケースも置かれておりまして、球磨地区の民芸品や球磨地区では特産品であります球磨焼酎もケース内に置かれておりました。尚、ロングシート化されました現在もケースが置かれておりまして、観光客にアピールする姿が見られておりました。
 
 (KT-502車内)
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 (KT-503ショーケース)~民芸品が飾ってあります
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 (KT-502ショーケース)~球磨焼酎が飾ってあります
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 さらには、この時車内にはブックギャラリーも設けられておりまして、球磨地区の名所が書かれました書籍類などが置かれております。また、愛読雑誌でもあります「鉄道ファン」も置かれているなど、様々な書籍がこの車内にて置かれておりまして、車内であるならば拝見する事も可能となっておりました。
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 (雑誌・「鉄道ファン」)

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 そして、運賃表は画像のようにレシップ製の2分割液晶運賃表であります。この時の乗車列車では、3両編成であったためにワンマンではなかった訳ですが、画像のように駅の案内表示だけは出しておりました。
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 こうして、列車は人吉温泉駅に到着しまして、これから車庫に入る所でありました。こうしてその下の画像を見ましても、塗装は1両ずつ塗装が違っておりまして、それに加えまして先述のように座席の柄等も違っているのが特徴となっているようであります。
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 (全体)
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 このKT-500形気動車は、新潟トランシス製でありますが、その証としまして画像のように検査表記からも見られておりました。また、このくま川鉄道ではその下の画像にありますように人吉温泉~あさぎり間でタブレット閉塞が残っておりまして交換シーンも見られておりますが、検査表記の横にあります「Sk」からもわかりますように、JR九州の自動列車停止装置でありますATS-SK形が装備されております。

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 (あさぎり駅タブレット交換シーン)~令和2年訪問時撮影
 
 
 では、この時乗車しておりました3色のKT-500形気動車を1両ずつご紹介します。今回の編成は、(←人吉温泉)KT-501+KT-503+KT-502と言う編成でありました。本来ならば(KT-)501+502+503と言う流れがいいのかもしれませんが、やはり互いに両運転台である分、バラバラな形になるのもわからなくはない所ではなかったかと思います。
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 このKT-500形気動車の塗装は「春」・「夏」・「秋」・「冬」・「白秋」の5色からなっておりまして、黒のKT-501が「冬」を表しておりまして、座席定員が(撮影当時)40名、

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 ベージュのKT-503が「春」を表しておりまして、座席定員が(撮影当時)42名、
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 そして、赤のKT-502が「秋」を表しておりまして、座席定員が(撮影当時)43名でありました。こうして見ましても、四季を表すかのような塗装となっているのがこの「田園シンフォニー」の特徴なのではないかと見ていて思う所でもありますし、その後画像2にもありますように翌平成27年に青のKT-504「夏」と「白秋」のKT-505が増備されておりまして、計5両が揃う形となっております。
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 この時、私自身「田園シンフォニー」に初めて乗車する事ができた訳でありますが、見ていて大変いい列車に仕上がっていたのではないかと思ったほどでした。やはり、先述のように「朝夕は日本一心豊かな通学列車、昼間は日本一心豊かな観光列車」と称されているだけありまして、通勤・通学客や観光客まで様々な用途を目的として造られた気動車が伺えたのではないかと思ったほどでした。
 
 
 そんなKT-500形気動車や、くま川鉄道自体も、冒頭でもご紹介しましたように今回の豪雨災害では大変大きな被害を受けております。正直、なぜこんな事が・・・とも思ったほどではありましたし、くま川鉄道様の「Twitter」を拝見しましても人吉温泉駅・車庫の浸水模様を見ましても正直深刻さが伺えるようにも思う所ではあります。とにかく、通勤・通学の方の足としても特に重要性を発揮しておりますし、観光客も利用されていた訳でもありますので、これまでも何度も訪問している者としましてもJR肥薩線とともにくま川鉄道も復旧してくれる事を望みたい所であります。
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