NO.2304 この姿5月迄、3月撮影、「大牟田貨物」1152(現・8152)レ黒崎駅入換撮影記 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)
令和6年10月記事より更新は夜間から朝に変更しています。

 

 5月で廃止が予定されております、福岡県大牟田市の三井化学専用線及び北九州貨物ターミナル~大牟田間を運行しております「大牟田貨物」の話題をご紹介しておりますが、前回NO.2294では三井化学専用線の前身であります旧三池鉄道の廃線跡区間、そして「大牟田貨物」の大牟田駅発車シーンの模様をご紹介しておりました。

 

 三井化学専用線は、これまでもご紹介しておりますように、仮屋川操車場~旭町~宮浦間で存在しておりますが、かつて三池炭鉱が存在していた頃は三池鉄道「三池本線」が熊本県荒尾市を越えまして三池浜~宮浦~原万田~西原~三池港間で存在しておりまして、さらに宮浦駅や旧原万田駅などからは支線も存在しておりまして、かつて三池炭鉱に複数ありました坑口や「炭鉱住宅」へ向けての運行が行われておりまして、一時は旅客輸送さえも行っておりました。

 

 実際に、上の画像にありますのが荒尾市にあります旧三池鉄道旧西原駅跡でありますが、駅のつくりからもわかりますように2面2線のホーム配置でありましたが、存在していた頃には複線での運行でもあったようであります。それほど三池炭鉱の最盛期の需要も感じさせられる所ではないかと思いますが、それとともに旅客列車が廃止されましても「炭鉱電車」によります職員輸送はしばらく残されておりましたので、この駅の存在もそう言った所が伺わせる部分ではないかと思います。

 

 

 そして、「大牟田貨物」の発車シーンも、画像のように見られておりまして、この訪問時(訪問日、4月6日)も収める事ができておりましたが、この運行も1ヶ月を切っております。本当に、正直廃止になると言う事自体が考えられませんが、それだけタイムリミットが迫っていると言うのも残念ではないかとも思う所ではあります。

 

 

 さて、今回ご紹介しますのは、その「大牟田貨物」の中でも最重要な駅でもあります北九州市の黒崎駅で3月ダイヤ改正前に収めておりました姿を収めておりましたので、皆様にご紹介してまいります。

 

 

 現在の「大牟田貨物」は、廃止が予定されている事もありまして定期列車としては運行されておらず、臨時列車扱いとして北九州貨物ターミナル~大牟田間を運行されております。したがって、列車番号も臨時の列車番号でもあります8151レ(北九州貨物ターミナル→大牟田間)・8152レ(大牟田→北九州貨物ターミナル間)となっておりまして、ダイヤ改正前と違いが見られております。

 

 所で、撮影場所の黒崎駅は、これまでもご紹介しておりますように三菱ケミカル(←三菱化学)黒崎事業所がある場所でもありますが、今回の「大牟田貨物」の廃止も、この三菱ケミカルが生産しております硝酸が生産を終了する事によるものでありまして、それに伴いまして「大牟田貨物」及び「炭鉱電車」も廃止される事になっております。

 

 

 ここからご紹介しますのは、3月のダイヤ改正前に撮影したものであります。そのため、列車番号も1151レ(北九州貨物ターミナル→大牟田間)、そして画像にあります1152レ(大牟田→北九州貨物ターミナル間)となっております。

 

 

 14時52分、1152レは、黒崎駅4番ホーム横の5番側線に入線してまいりました。ここからは入換作業を行いますので、約2時間もの間停車する事にもなります。この日の牽引機はEF81 403号機でありまして、画像のように「ローピン」の機関車でもありますし、南延岡駅まで運行されております「黄タンコ」はこの日は連結されておらず、「銀タンコ」のみの4両編成でありました。

 

 

 この間、黒崎駅3番ホームには貨物列車が通過して行きます。画像は2075レ(富山貨物→福岡貨物ターミナル間)・63レ(東京貨物ターミナル→福岡貨物ターミナル間)でありますが、この間10分足らずでありましたが相次いで通過して行きました。

 

 (2075レ)

 

 (63レ)

 

 

 この撮影の間、コキ200形貨車によります「銀タンコ」の1152レの編成は引き上げ線を経まして、北側の7番側線へ転線してまいりました。この後三菱ケミカルからのスイッチャーが入って来る間、この側線内に停車する事になります。

 

 一方、EF81 403号機は、コキ200形貨車「銀タンコ」を切り離しまして、再び引き上げ線へと移動する事になります。その際は、画像のように係員の手で切り離し作業をわずかな間に行っておりまして、正直手慣れた姿が見られておりました。

 

 切り離されましたEF81 403号機は、再び引き上げ線へと移動します。それでも編成全体を引き上げますと奥の方へと移動しないといけませんが、この単機のみでもありますので、ポイントから数十メートルの所まで引き上げるだけで停車する事にもなります。

 

 そして再び転線しまして、この後三菱ケミカルからの「銀タンコ」が来るのを待つためにしばらくの間5番側線に停車します。この間は約10分間でありましたが、この間に複数回転線していた訳でもありましたので、正直慌ただしいような印象さえも感じさせられる所ではありました。

 

 (しばらく停車します)

 

 

 さて、EF81 403号機の転線が終わりましてしばらくしますと、三菱ケミカル黒崎事業所より「銀タンコ」の編成がスイッチャーに牽引されまして6番側線にやってまいりました。この時黒崎駅6番側線の入換信号機は斜めを向いていた事からもわかりますように「進め」を表す表示となっておりましたので、転線を含めた形を行っていいような状態であった事がわかるのではないかと思います。

 

 (黒崎事業所からスイッチャー+「銀タンコ」編成が・・・)

 

 今回黒崎事業所より発送されましたのは、「銀タンコ」4両編成×2個の計8個でありまして、翌日の1151レとして大牟田駅・三井化学工場へ向かう編成でもありました。尚、最後部1両が空コン状態でありましたので、この1両に関しましては北九州貨物ターミナル駅に休車する事になるようでありました。

 

 

 所で、今回黒崎事業所~黒崎駅間を運行されていましたスイッチャーはD353号機でありまして、昭和57年に新潟鐵工所(現・新潟トランジス)で製造されました車でもあります。尚、番外でもご紹介しましたように、他には予備機としましてD352号機も存在しておりまして、こちらは日本車輌製の入換用機関車でもあります。

 

 (車番と銘板(左下))~検査は日鉄住金物流(現・日鉄物流)八幡で検査を行っております

 

 (予備機、D352号機)

 

 これら車を見ましても、塗装が同じと言う事や、形が似ている事がありまして、違いがわかりにくいのではないかと思いますが、よく見ますと前照灯の位置が違う事や、窓枠の太さの違い、そして手すりの違いなど、細かい面で両形式の違いを知る事ができます。

 

 ちなみに、描かれております「MCLC」とは、三菱ケミカル物流を表しておりまして、「Mitsubishi Chemical Logistics Corporation」の略から取っております。これらの略である事を思いますと、その意味もよくわかるのではないかとも思います。

 

 

 さて、ここからは「MCLC」側の入換シーンをご紹介してまいります。停止位置に着きますと、「MCLC」の係員によりましてすぐに切り離し作業を行いまして、その下の画像にもありますように切り離されました。この間、停車しましてわずか1分ほどでもあります。

 

 (切り離し完了)

 

 切り離されますと、E353号機は引き上げ線へと移動します。この際には、以下画像にもありますようにEF81 403号機との2ショットシーンも収める事ができておりました。

 

 引き上げ線に引き上げられますと、大牟田駅からやってきておりました1152レの編成が停車している7番側線へと移動します。その移動も、スイッチャー自体が大きくはない事もありまして素早く移動しておりまして、まさに小さいがゆえの行動が見られてもいました。

 

 こうして、7番側線にD353号機は入ってまいりまして、この後その下の画像にもありますように連結を行っておりました。残念ながら、隣の編成によりまして隠れてしまっておりますので連結シーンは見られませんでしたが、「ガチャン」と音は聞こえておりましたので、ここで連結された事を伺わせる所は見られておりました。

 

 (この時連結された事を表す「ガチャン」の音が聞こえましたので連結が完了した事が伺わせていました)

 

 

 連結が完了しますと、大牟田駅からの編成はD353号機にそのまま押されながら黒崎事業所へと移動して行きました。その移動します速度も非常にゆっくりとした速度ではありましたが、それでも「銀タンコ」の中身は空であった事もありまして、黒崎事業所→黒崎駅間からとなりますと少々身軽な中での移動となっておりました。

 

 

 さて、三菱ケミカル黒崎事業所へ移動して行った編成を見送りましたEF81 403号機でありましたが、この後は黒崎事業所からの編成を連結するために、引き上げ線から6番側線へ移動しておりました。

 

 これまで黒崎事業所からの編成は、別の黒崎駅からの列車によりまして北九州貨物ターミナル駅へ向かっておりましたが、昨年3月のダイヤ改正より1152レによりまして北九州貨物ターミナル駅へ向けて運行されるようになりましたので、後述のように、時によりましては機関車以外編成がそっくり変わると言った姿も見られるようになりました。

 

 この後、黒崎事業所からの編成を連結しまして、連結は完了となります。この瞬間、先述のように1152レでありながらも機関車以外編成がそっくり変わった事にもなりましたので、こういう時に「黄タンコ」を連結しなかったらそうなる事を伺わせる所でもありました。

 

 (連結は完了)

 

 

 そして新たな編成にかわりまして、また引き上げ線へ転線しまして、最終的に黒崎駅にやってきておりました5番側線に戻りまして、全ての作業を終了する事になります。ここまでの時間は約35分間でありましたが、この後さらに1時間以上停車しまして、北九州貨物ターミナル駅へ向けての発車を待つ事にもなります。

 

 (5番側線に移動完了)

 

 

 ここまで、3月改正前の「大牟田貨物」1152レの黒崎駅での入換シーンの模様をご紹介しましたが、冒頭ご紹介しましたように現在この列車は臨時列車扱いとなっている事もありまして、8152レとして運行されております。それでも、黒崎駅での入換の内容に関しましては変わりはありませんので、実際にこのような形で入換が行われている事がお分かりいただけるのではないかとは思います。しかし、5月には三菱ケミカル黒崎事業所の硝酸製造の稼働も終了しますし、加えまして輸送も終了する事になる訳ではありますが、とにかく安全に最後を迎える事ができる事を願いたい所ではあります。