NO.2196 かつての未成線も今は観光施設に変わっています!高森町、高森湧水トンネル公園訪問記 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 7月28日番外より、当ブログでは第3セクター鉄道であります南阿蘇鉄道に関しました話題をご紹介しておりますが、今回ご紹介しますのは、上の画像の見晴台駅の隣の駅であります、南阿蘇鉄道の拠点でもあります高森駅に向かう所にありますある公園の話題をご紹介してまいります。

 

 上の画像にあります見晴台駅に関しましては、その記事でもご紹介しましたように、旧国鉄から南阿蘇鉄道に転換しまして設けられました駅でもありまして、普段の利用客は1ケタ台と非常に少ない駅ではありますが、それでもCMでも話題になりました駅でもありまして、その結果全国各地から観光客が多く見えられております。

 

 私自身も、その回でも述べましたように、念願の訪問でもあった訳でありましたが、それが叶ってよかったと思っております。やはり、これまでも行く予定があった訳ですが、それでも報いる事ができなかった訳でもありましたので、正直嬉しい所ではありました。

 

 

 そんな見晴台駅から上の画像2の高森方の突き当たりにありますのが、今回ご紹介します、熊本県高森町の「高森湧水トンネル公園」であります。しかも、このトンネルは実は鉄道のトンネルとして工事されていたものでありまして、今回はそのトンネル内に関しまして皆様にご紹介してまいります。

 

 

 「高森湧水トンネル公園」は、旧国鉄時代に現在は廃止されております旧高千穂線(→高千穂鉄道)と高森線とを結ぶ工事が昭和48年より着工しておりましたが、この「高森トンネル」は昭和48年12月から着手していたトンネルでありまして、全長は2055メートルに及ぶトンネルでもありました。

 

 そんなこのトンネルは、昭和50年2月、突然大量の出水に見舞われまして、その後も度重なる出水事故が発生しておりまして、トンネル自体は竣工したものの最終的にはこの路線の工事さえも中断を余儀なくされまして、いわゆる「未成線」と言う形となってしまいました。この高森~高千穂間には途中4駅ができる予定でもあったそうですが、やはり高森側・高千穂側とも第3セクター鉄道となってしまっていましたので、そうなってしまう事も仕方なかったでしょうか。

 

 けれども、このトンネル内は今や高森町の貴重な水源地となっているそうでありまして、常時毎分約32トンの湧水量があるそうであります。また、トンネル内には歩道が整備されておりますし、季節にあわせて美しく幻想的な空間が楽しめるそうでありまして、後述のように水玉が不思議な動きをする仕掛け噴水ウォーターパールも見どころでもあるそうであります。

 

 

 ここからは、トンネルの中までの姿をご紹介してまいります。この公園がある場所は、南阿蘇鉄道高森線から離れた所にありまして、その下の画像にありますように、途中で分かれる形となっております。元々は、このトンネルが完成、高千穂線と直結と言う事になりましたら、この部分に高森駅を移転してくる事になっていたそうでもありましたが、工事が凍結、未成線となった事でこの計画は立ち消えとなっております。

 

 (途中で南阿蘇鉄道高森線と分かれます)~その下の画像奥が高森駅になります

 

 

 さて、高森トンネルの間にも池などが見られるようになっておりまして、見ていて美しい姿を見る事ができます。この部分だけでもまさに公園としての姿が見られておりますが、ここはあくまでも鉄道が来る予定でありました場所でもありますので、そう思いますとこの光景からは正直信じられない印象でもあります。

 

(別位置から)

 

 こちらが、高森トンネルこと高森トンネル湧水公園の入口であります。ご紹介しておりますように、元々は鉄道のトンネルとして整備されていたものでもありますので、このトンネル入口周辺ではそれに関しましたものも見る事ができておりまして、実際に、その下の画像にありますように銘板もトンネルの入口の所で見られますが、再三の出水事故もあった事から竣工まで約3年の月日がかかっていた事もお分かりいただけるのではないかと思います。

 

 (2K055Mから、長さが2055Mある事がわかりますし、竣工までに3年かかっている事もわかります)

 

 また、トンネルの横にはトンネル横ののり面の完成年月を表す銘板が残されております。よく見ますと「1977-1」と書かれておりまして、昭和52年の1月に完成していた事がわかります。こう言った所も、かつて鉄道として整備された証でもありますので、未成線となった今でもこの銘板が完成年月を知らせる貴重な存在となっている事には間違いないようではあります。

 


 さて、ここからトンネル内へと入って行きます。トンネル内に入りますと、これまで暑かった所から一変しまして、大変涼しいトンネル内となっております。トンネル内は、画像のように整備されておりますが、トンネル工事によりましてつくっていたと思われます水路からは豊富な水が流れておりまして、まさに水源地としてふさわしい所を見せているのではないかと思います。


 (水路からはきれいな水が流れていました)



 

 さらに、トンネル内を奥に進んでいきますと、LED照明の鮮やかな姿を見る事ができますが、この7月には「七夕まつり」が行われておりまして、これからご紹介しますように、地元の方々が作られました七夕飾りを見る事ができております。また11月中旬~12月には「クリスマスファンタジー」がトンネル内で催されておりまして、夏場とは様変わりした姿を見る事ができます。

 

 

 では、ここからは今回見る事ができました七夕飾りの一部をご紹介してまいります。今回の「七夕まつり」では、様々な飾りの姿を見る事ができておりましたが、以下画像では南阿蘇鉄道のトロッコ列車をかたどりましたLED照明や、

 

 NHKにて出演しております、「チコちゃん」をデザインしたものや、

 

 星をかたどったデザインをも見る事ができておりました。

 

 そして、南阿蘇鉄道の七夕飾りもありましたが、見た所手づくり感満載の部分もありまして、こういう所も「熊本地震」の復興を願っているのかなと言う所が伺わせておりました。

 

 

 また、トンネル内から外れた所には「神秘の泉」と呼ばれるものもありまして、青い光の所にあります池では魚が泳いでいる姿が見られておりました。それにしても、魚にとりましてもこの水自体がきれいでもありますので、安心して泳がれているのがいいのかもしれない所でもありましょうか。

 

 (青い光の中では魚が泳いでいました)

 

 

 さらに、LEDを使った照明や、噴水のウォーターパールなども見られておりまして、まさにファンタジーな所をも見せております。本当に、この公園自体がだれもが楽しむ事ができる公園である事がわかります。本当によく凝ってあるなとも思う所でもありますが、こう言った所が人を集めるにふさわしい所でもありましょうか。


 (仕掛け噴水ウォーターパール)

 

 

 そして、この公園で最も奥の場所にやってまいりました。ここからはこ多くの水が流れておりまして、まさに水源地としての姿が伺わせております。また、この場所には「水神」と書かれた石碑がありますが、このトンネル工事に際しましてはその水神様も怒られたのではないかと思います。それが、結局は鉄道が来る事を阻むにつながった訳でもありましたので、やはり怒らせてはいけないと思う所でしょうか。

 

 (「水神」と刻まれた石碑)

 

 

 こうして、往復約30分に及びますトンネル内の姿を見てまいりましたが、本当によく未成線であった所を活用したなという事を実感した今回であったように思います。やはり、未成線と言いますと、そのまま放置するもしくは姿を消す所が多いだけに、この活用ぶりには私自身も素晴らしいなと実感するほどでもありました。

 

 

 ご覧の皆様の中には、この公園に鉄道が走る事になっていた事を存じていなかった方もいらっしゃるのかもしれません。しかし、実際は先述のように高千穂まで延びるようになっていた訳でもありましたので、もしも開通していたならばどんな感じであったのだろうかと思う所でもあります。また、こちらも先述のように高森駅が開通していたならばこの地に移転してくる事にもなっていたようでしたが、南阿蘇鉄道も、画像6・7にありましたカーブの部分付近に新駅が令和4年度の全線復旧時に開業する事が決まっているそうでもあります。とにかく、この地も観光地としてふさわしいでしょうから、ご覧の皆様も出向いてみてはいかがかと思います。