NO.2195 両ホームとも再開が待たれます、JR/南阿蘇鉄道立野駅の熊本地震前撮影時と現在の姿 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 当ブログでは、番外におきまして、平成22年に運行を終了しましたキハ58系気動車改造の観光列車であります「あそ1962」の車番別解説に関しましてご紹介しておりました。

 

 キハ58系気動車「あそ1962」は、平成17年まで運行されておりました、現在は熊本~人吉間で「SL人吉」として運行されております、8620形58654号蒸気機関車+50系客車の編成で運行されておりました「あそBOY」に代わります列車として平成18年に運行を開始しておりまして、「1962」は、画像2にあります昭和37年製のキハ58-139から取っていたものでありまして、SL「あそBOY」と同じ熊本~宮地間を運行しておりました。

 

 この列車では、昭和30年代のデザインの車内となっておりましたし、サイクリング利用者向けに自転車収納スペースまでも装備しておりましたが、冒頭ご紹介しましたように平成22年に運行を終了しまして、後継の列車として平成23年よりキハ183系気動車「あそぼーい!」が同区間におきまして運行されるに至っております(その前に「阿蘇ゆるっと博」がつなぎで運行される事になります)。

 

 

 さて、上の画像にあります「あそ1962」の撮影駅は、熊本県南阿蘇村の立野駅でありますが、立野駅と言いますと、平成28年の「熊本地震」時には周辺で被害が発生した所でもありまして、駅機能は現在は休止しております。今回前半は「熊本地震」前に撮影しておりました駅周辺の模様を、後半は今回その立野駅を先日訪問しておりましたので、現状を皆様にご紹介してまいります。

 

 

 立野駅と言いますと、JR豊肥線南阿蘇鉄道との接続駅でもありますが、それとともにJR側ではスイッチバックの駅でもあります。実際に冒頭からご紹介しております「あそ1962」では、最終運行に近い頃には折り返す停車時間を利用しまして、多くの方々が撮影する姿が見られていたほどでもありました。

 

 (撮影する方々)

 

 この駅の配置は、JR側が画像のように1面2線の配置となっておりまして、左側から1番ホーム・2番ホームと言う形となっております。この駅は、先述のようにスイッチバックとなっておりますので、この駅で折り返しまして阿蘇方面・熊本方面へと運行するようになっております。

 

 (1番ホームから発車)

 

 

 一方、南阿蘇鉄道のホームは、JRホームから駅舎を挟んで奥の所に設けられておりまして、こちらは片面のみのホーム配置となっております。かつて南阿蘇鉄道が旧国鉄高森線であった頃は、熊本方面からも直通列車が運行されておりましたが、転換後は線内のみの運行にとどまっております。尚、熊本方にJRとの亘り線もありますが、検測時以外はほとんど使用されておりません。

 

 (奥の線路が亘り線へとつながっています)

 

 

 さて、ご紹介しておりますようにこの立野駅はスイッチバック駅でもあります。実際に、この駅とその先にあります転向線を経ましてのぼる形となっておりまして、立野駅が標高277メートルに対しまして、転向線では標高306メートル、そして赤水駅では465メートルと至っておりますので、約190メートルはのぼる形となっている事もお分かりいただけるのではないかと思います。

 

 

 ここからの画像は、以前実際に利用しました際の模様をご紹介してまいります。画像は立野駅を発車した際の姿でありますが、列車はこれまで来ました肥後大津方面の奥の左側の線路から、阿蘇方面へと進みます右側の線路を通る事になります。

 

 のぼりますと、転向線にやってまいります。ちょうど画像は阿蘇方面へとさらにのぼる事になる線路を一旦通過する事になります。また、その下の画像のように引き上げ線をのぼりますと、なぜか奥の方にトンネルの姿が見られます。これを見る限りでは先に出口があるのでは?と思うほどですが、実際は出口はありません。おそらくは、かつて運行していた長大編成に対応していたのではないかと思われますが、先述のようにトンネルの入口がありますと出口があるのでは?と思われてもおかしくはなかったでしょうか。

 

 (奥にトンネルが)

 

 転向線にやってきますと、方向転換を再び行いますので、運転士さんも再び移動します。これからは画像左側の線路をのぼってまいります。この左側の線路に入りますと、これまでやってきていた線路の姿も見る事もできますし、さらにのぼりますと周囲の山の姿さえもみることができますので、それだけ高低差があるのもわかるようになってまいります。
 
 (左側の線路を使います)

 

 (のぼりますと周囲の山々の姿も見る事ができます)

 

 

 実際に、「あそ1962」におきまして転向線へ向かう姿、そして転向線から赤水駅方面へと進む姿を収めておりましたが、以下画像の姿だけでもそれだけのぼっている事もわかります。確かに、立野駅から転向線までの間ででも標高306メートル、赤水駅では標高465メートルな訳ですので、それだけのぼっている事がこれら画像の姿からもお分かりいただけるのではないかと思います。

 

 

 さて、ここからはこのほど訪問しました際の立野駅での姿をご紹介してまいります。

 

 ご紹介しておりますように、立野駅は平成28年に発生しました「熊本地震」におきまして、駅自体に大きな被害はなかったものの、駅周辺ではがけ崩れや土砂崩れなどで大きな被害を得ておりまして、それによりまして駅自体も休止を余儀なくされております。

 

 

 では、ここからは駅周辺の姿をご紹介してまいります。駅自体が休止と言う事から、JR・南阿蘇鉄道の駅舎の周辺では線路には草が生い茂っている部分も見られておりますし、建物も朽ちた所も見られているなど、休止から3年経過している事を伺わせておりました。

 

 (JR立野駅)

 

 (南阿蘇鉄道立野駅)

 

 

 では、ここからは両社の駅の姿をご紹介します。先述のように、駅周辺では草が生い茂っている部分が見られておりまして、この姿からも列車が長らく走っていない事を伺わせておりました。

 

 (奥が高森方)

 

 

 南阿蘇鉄道と言いますと、トロッコ列車も運行されておりますが、看板にはそのトロッコ列車の案内も記されておりました。現在は、中松~高森間で運行されておりますが「熊本地震」前は立野駅まで運行されておりましたので、そこには「本日は運休です」の看板も記されておりまして、時が止まっている事を伺わせておりました。

 

 (熊本方)~雑草に覆われております

 

 

 一方、こちらはJR立野駅であります。残念ながら駅内は施錠されておりましたが、ここには運賃表の姿を収める事ができておりました。ここには「西熊本駅 平成28年3月26日開業」と記されておりましたが、開業しまして1ヶ月もたたないうちに「熊本地震」が発生した訳でもありますので、正直残念な所ではないでしょうか。

 

 (運賃表)~右下に西熊本駅の事も記されています

 

 

 立野駅のホームです。立野駅は、今回ホームは改装しておりまして画像のようにきれいなホームへと生まれ変わっておりました。実は、当初肥後大津~立野間で一足先に部分再開する事になっておりましたが、最終的に肥後大津~阿蘇間令和2年(2020年)度に再開する事になりまして、それまでこのままにする事になったようであります。それにしても、冒頭の姿からしますときれいになったなと言う事が実感しますが、やはり列車が来ないのは残念な所ではないでしょうか。

 

 (1番ホーム)

 

 (2番ホーム)

 

 (ホーム全体)

 

 また、南阿蘇鉄道との亘り線も見られておりますが、それでも画像9の平成22年撮影時の姿としますと対照的な姿となっております。やはり、何と言いましても雑草に覆われている所が正直残念かなと思う所ではあります。

 

 

 こちらは、熊本・阿蘇方であります。雑草に覆われているのでわかりにくいですが、奥の左側が熊本方面、右側が阿蘇方面となります。本当に、線路も新しくなったとは言いましても令和2年度までは列車が来ない訳でもありますので、それまでは仕方がない所ではあります。

 

 そして、画像奥が転向線、そして阿蘇方面の線路がある所ではありますが、画像からはわかりにくくなっております。「熊本地震」時には周辺の山が崩れたりもしておりましたが、時が経過しているとは言いましても動いていない事もありまして、わかりにくくなっているのも仕方がない所ではないかとも思う所ではあります。

 

 

 一方、こちらは南阿蘇鉄道立野橋梁であります。画像左側が高森方となっておりますが、現在この付近では復旧工事やダム建設が進んでおりまして、復興へ向けて進んでいる姿が見られております。尚、南阿蘇鉄道自体の全線復旧は令和4年(2022年)と言う事ですのでまだまだ先ではありますが、またこの橋梁に列車の姿が見られる事を期待したい所ではありまさす。

 

 

 今回は、周辺が「熊本地震」の被害が見られておりました立野駅周辺の「熊本地震」前と現在の姿を併せてご紹介しましたが、特にJRのホームに関しましては、先述のように先に再開が予定されていた分きれいな部分が見られておりましたが、それ以外に関しましては残念ながら雑草に覆われている部分さえも見られているなど、まだまだと言う所が見られているのが現状であります。それでも、JR・南阿蘇鉄道とも再開する予定が立てられている訳ではありますので、とにかく、今度は列車の姿がそれまでに見られるようになる事を期待したい所ではあります。