都会のカフェはいつだって少しだけ距離が近すぎる気がしますね
隣のテーブルの会話がこちらのテリトリーまで混ざり込んできたときの話
娘と都会をショッピングしたときのこと
歩き疲れたのに、ズラッと並んでいて…ようやく滑り込んだカフェで
私たちは偶然「女たちの審判」の目撃者となるのです
「やっぱり、あかんよね〜」
その言葉は、席に座るのとほぼ同時に聞こえてきました
3人組の女性たちはパッと目を引く30代半ばほどの洗練された美人たち
「そうそう安すぎると思うねんな」
「ね!あれじゃ安心できひんもん」
勢いよく同意する声に、私は思わず心の中で
「え、何、何!?」と身を乗り出しそうになりました
流行りのブランドバッグの話か
それとも話題の美容施術の話・・・?
「そーやんね〜年収500はきついか」
なるほど、ターゲットは「結婚相手の条件」だったらしい
彼女たちは、婚活市場という名の戦場で
一人の男性をジャッジしている真っ最中のようでした
クリームたっぷりウインナーコーヒー
ホッとしますなぁ
今の時代、独身男性で年収500万円といえば
決して低スペックではありません
いやむしろ、平均より上を行く立派な数字です
けれど、都会の洗練された空間で
美しい彼女たちが放つ「安すぎる」という言葉には
妙な説得力と冷静さが宿っていました
そんな時ふと、自分が結婚した時のことを思い出していました
20代前半、長く付き合った彼と結婚するのは空気を吸うのと同じくらい自然なことでした
「年収? 何それ美味しいの?」と言わんばかりに
相手の稼ぎなんて気にもしていませんでした
当時の私はバリバリ働いていたし
愛があれば大丈夫と、本気で信じていたから…
若さゆえの無知
それは何にも代えがたい当時の私にとって「最強の武器」でもあったのでしょう
COCO the Styleより引用
気になり過ぎてチラチラと隣を見る
完璧に整えられたメイクと、厳しい条件を口にする彼女たちはきらっと妖艶に輝いていました
もし、今の私が、独身で
彼女たちと同じ土俵に立たされていたら……
体力が衰え、将来への不安がリアリティを増す中で、私もまた「年収500万じゃ安心できない!」と叫んでいたのかもしれないのか・・・
あるいは、誰かに「君のスペックでその条件は高望みだよ」と
無慈悲なダメ出しをくらっていたかもしれないのか・・・
そう思うと、背筋がゾクゾクっと寒くなり
勢いで結婚してしまったあの頃の自分を
「よくやった!」と抱きしめてやりたい気分にすらなってしまいました
カフェを出て、都会を娘と歩く
隣の彼女たちが求めているのはきっと「安心という名の数字」なのでしょう
けれど、私の隣を歩く娘の笑顔
帰れば当たり前にいる夫と息子
決して派手ではない平凡な日々
変わり映えのない何者でもない自分
そこには年収という物差しでは測れない
泥臭くて温かい「身の丈の幸せ」が詰まっています
都会のカフェは、時として残酷な現実を突きつけてくるけれど
他人の人生を少しだけ覗き見ることで
今の自分が持っているものの価値を再確認させてくれる…そんな貴重でヒヤヒヤする特別な場所なのかもしれません
今回のエピソードから学べる人生の歩き方をまとめてみると
「若さ」という最大の資産を甘く見ない
若いうちの結婚は、経済力よりも「一緒に成長する時間」を買うこと
損得勘定が働く前に動けるのは、一つの才能らしいです
隣の芝生は「数字」で青く見える
例え年収1000万でも不仲な家庭もあれば
300万で笑いの絶えない家庭もあります
条件の数字は安心の材料にはなっても
幸福の決定打にはなりません
「身の丈」を知ることは、自分を愛すこと
高望みをやめるという意味ではなく
自分が何に幸せを感じるか
愛なのか、お金なのか、安定なのか…を明確にする
それが、他人のジャッジに振り回されない唯一の方法になるそうです
「あなたは、隣の席の会話に心がザワつきませんか?」









