【御譲位記念】ゴシッククラウンの種類その2 | コイン収集 ~趣味のコレクションブログ~

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陛下の御譲位を記念して個人的に前回からお伝えしてきました19世紀のイギリス名品銀貨であるゴシッククラウンですが、今回の記事はそんなゴチクラの普通じゃ手に入らない希少種を挙げていきたいと思います。そのほとんどが日本のオークションに出現しており今も日本のどこかにひっそりと眠っているであろうお宝達の数々です。この地は世界的な宝島であった可能性が浮上しました。貴重なコイン達が何故か湧き出てきます。

【御譲位記念】ゴシッククラウンの種類その1

【1853年銘セプティモ(Septimo on Edge)】

1847年が8,000枚と既に少ないですが1853年銘は枚数不明、極端に見当たらず100枚あるか無いかの激レア年号と言われています。オークション実績も1847年のプレーンエッジより53年物は遥かに出現機会が少なくなっています。

1853年銘のセプティモは1847年銘で言うアンデシモバージョンと同じく"コイン仕様"となっており、エッジ部分にセプティモと文字が刻印されているレターエッジ型となります。年に1回世界のどこかでオークションに掛かるか掛からないかの入手困難銘柄ですが、今年平成30年7月頭の日本コインオークションにあっさり出てきたのには驚きました。出ますね今年は。

【1853年銘プレーンエッジ(Plain Edge)】

1853年の基本はセプティモですが1847年物と同様、中にプレーンエッジ型が僅かに存在します。こちらのコインが7月中旬のオークションワールドに出品されまして私なんか「はっ!?まじかよ!!!」と驚きから分けが分からずいきり立ちました。今思い返しても7月は異常です。

【1847年銘セプティモ(Septimo on Edge)】

更に今年7月中旬のオークションワールドにはこちらのバージョンも出品されてましたので私の中のレアコイン感覚がインフレします。1853年のゴチクラのエッジが基本的にほぼ全てセプティモで、プレーンエッジの出品を目の当たりにする事すら初体験だったのに、1847年銘にセプティモが存在するなんてそんなの知りません。おほほのほです。

現存2枚だけしか確認されていない超絶レア品です。

【1847年銘アンデシモ"メダル仕様"】

実は告白しますとこの種類を目の当たりにするまでゴチクラの"コイン仕様""メダル仕様"に関して全く知りませんでした(汗)。ゴシック文字なので上下よく分かりませんし天地逆転してても気付かなかったと思います。私の所有しているプレーンエッジは元々メダル仕様ですしイギリスコインは全てメダル仕様型と思っていました。もしかしたらコレクターの中にはアンデシモなのにメダル仕様のゴシッククラウンを持っていて気付いていない人もいるかもしれません。アンデシモをお持ちの方は今一度急いでご確認ください。1000万円以上の価値に大化けするようです。

【1847年銘レターエッジスペシャル】

7月の第46回日本コインオークションに出品されていたエッジがアンデシモでもセプティモでもない珍品です。

手変り品の種類が多くてもう収拾付かなくなってきました・・・(笑)。最早わけわかめ汁です。そしてすっごい高いです。

【1846年銘プレーンエッジ洋服刺繍無し】

まさかの前年試鋳貨!年号違いでデザインも違うって個人的にこれが一番分かりやすい珍品です。

シンプルだけどどこか厳かな佇まい、試行錯誤の結果が47年のゴチクラに繋がったその痕跡となるこのコインが奇跡的に後世にまで残りました。

【1847年銘ホワイトメタル打ちプレーンエッジ】

銀純度スターリングシルバーが一般的なゴチクラですが別材質によって造られた試鋳貨も存在します。

こちらも今年日本に出現したホワイトメタル打ちでグレードは高くなかったのですがお値段は半端無く高かったです。

【1847年銘純銀打ちプレーンエッジ】

銀純度ピュアシルバーで造られた物も存在するそうです。おそらく見た目ではスタシルとなかなか判別付き難いコインだと思われますが若干マットプルーフ調で造られているとの事。数年前の第44回日本コインオークションに未鑑定品が出品されていましたが何故かオークション期間中に出品取り消しとなりどこかへ消えてしまいました。あれは何だったのでしょうか。行方不明コインの詳細が気になります。

おそらく相場はホワイトメタル打ちや金打ち品が参考になってくるかと思われますがこの辺のレアコインは価格が一瞬でインフレしますので予想付きません。

鑑定会社が今の所2枚だけ現存を確認しているそうです。

【1847年銘金打ちプレーンエッジ】

以前ブログでもご紹介した国宝級、いや世界遺産級と言うに相応しい金打ちのこちらこそがゴチクラの中の王様的存在だと言えるでしょう。

1枚は大英博物館、1枚は民間に出回っている幻の金貨です。10年前の銀座コインオークションに出品されてましたがグレードは一体どれぐらいだったのでしょうか?おそらくスラブ入りでオークションに出てくると今ならあっさり億越え確実な垂涎コインです。

【1847年銘W・W所蔵ガラス張り保管品】

金打ちゴシックが王様ならこちらはゴチクラの皇帝でしょうか。全てを司り創造主である試金者、名工ウィリアム・ワイオン自らが鋳造し厳選したゴチクラをなんとあの時代にオリジナルのスラブケースを造って封入したと言う真空タイムカプセル保管型コインです。世界にたったの一枚だけのワイオンコレクション。イカすぜウィリアム・ワイオン!とんでもないコインを未来に残してくれました。彼のセンスは人類を愉しませ続けています。天才・名工・芸術家、あらゆる称号を得るに相応しい彼ですが、では畏れ多くも私からはエンターテイナゥの称号を献上しましょう。時を超えて今この瞬間私を愉しませてくれているヒーローです。ワイオン様はやる事が一味違うぜ。

数年前発売されたあの有名本の表紙を彩っていたのがワイオンコレクションのゴチクラです。

今現在行われている第14回オークションワールドにも世界に一枚だけのワイオンコレクション・ゴッドレスフローリンが出品されていますね。あのコインは凄いです。オークションページには色々な角度からの画像も掲載されているので一見の価値あり!AW:LotNo.3585なんで日本のコインオークションにこんなとんでもないのが出現するんでしょうか。実に不思議であると同時に誇らしい事象です。

とにかく改元の前年、時代の変わり目に自然と所有者を変えていく名品の数々の動向を愉しみながら今後も追っていきましょう。コインは時代の変化を察知しているのかもしれませんね。